« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »

2007年9月

けふこの職場の文具の引き出しの危機

このたび、職場で、ノートパソコンが貸与されることになりました。
それ自体は悪いことではありませんが(てか、遅すぎるくらいなんですが)、ここで大問題が。
「ノートパソコンは鍵のかかる引き出しに入れておくように」というお達しが来たのです。
情報漏洩とかがあると困るからでしょうね。

私の職場の机は、小型の片袖の事務机です。
鍵がかかる引き出しといえば、たぶん袖側の一番上の浅い引き出し(そこにしか鍵穴がない。かけたことがないからわからないけど)。
そこには、印鑑を初めとして、筆記用具、はさみ、ふせん、クリップなど細かな文具をきちきちに収納してあります。
(トレーや箱で仕切りに仕切って、やっと収納している感じ)
これらの文具をいったいどこに収納しろと?
そうでなくても、ロッカーその他の収納場所が全然足りない職場なのにです。
ロッカーにも鍵などありません。

とりあえず、袖でない大きな浅い引き出しのものを出してそこに文具を収納してみましたが、大きめサイズなのにほとんどいっぱいになるのはどういうことか 汗
しかも、実際に使ってみると、袖と違って中央の引き出しは、自分が一々椅子を引かないと奥のものが見えないことがわかりました。
私は文具が多いので、奥にもちゃんと使うものを収納してますから、よく目いっぱいひっぱってものを出していたことがわかりました。
また、大判のものは浅く広いここでないと収納できないのに、文具が上に乗っていたら困るのです。
そうでなくても机上にものがあるとうるさい上司がいるのに(このごろでは無視して机中いっぱいにしてる私ですけど)、どうしろというんでしょう。
中段の深い引き出しに細かい文具では行方不明になりやすいし、そもそもそこもいっぱいなので困るのです。

さらにおまけがありまして、うちの職場は引き出しに一々鍵をかける習慣がないので、誰も鍵を使わず、長年のうちに鍵そのものが紛失してしまってるケースがものすごく多かったんです。
その鍵がそろうまでパソコンは鉄庫に収納されて使えない、っと。はいご苦労様~。

今日、ホームセンターに行ったのでついでに机上に置く引き出しも見たのですが、レターケースタイプの引き出しは縦型ばかりで横型が置いていませんでした。
自分の机上の余白を考えると横型がいいんだけど、縦の方が使いやすいか。
しかし、机上に引き出しがあると、今度は文具を使うたびに立ってのぞくことになるのかと思うと、あんまり積極的にもなれません。
パソコンいらないから引き出し使わせてほしいって言っちゃだめかしら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シモジマの新柄 レトロキャット

お洋服関係でお江戸に行ったときに、浅草橋のシモジマにも2回行きました。
ここは、文具や店舗関係の問屋さんなので、休日に行くと開いていないこともあるから、ネット上のカレンダーで確認してからいきました。
ギフトラップ館は両日とも開いていたけれど、後の2店は交替にお休みでした。
でも、蒲田のユザワヤじゃないけど、店舗同士はそんなに離れていないので、行くのは楽です。

ラッピング用品は、定番ものと、新柄、季節柄などがあります。
今回、気に入ったのは、「レトロキャット」という新柄。
シモジマのラッピング用品はある程度トータルで出るのですが、これは、紙袋、紙バッグ、包装紙、シール、セロテープといった展開です。(パッケージプラザも同系列なので見ることができるかも)

柄は、いろいろな形や色の家(原色より抑えた色調)、地模様はレンガを象徴するような小さな長方形がとびとび、その間に、黒猫が動いたりとまったりしているシルエットが混じっているのが基本。
シールはオレンジ系で大きい(1枚張るとギフト~って感じなので値段は張るけど存在感がある)、セロテープは赤地にちょっとレンガ模様のサンキューテープに黒猫がいてかわいい。

猫が好きなので、早速購入。この柄のクリスタルパックも出してほしい。(クリスタルパックは本の発送によく使います。A4の入るサイズの柄物が2種類しかないので寂しいのです。)

色的にハロウィン系、秋物って感じもするのですが、定番化されることを願ってます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヤフーオークションに出品してみた

片付けは遅々として進まず、どころか、逆に散らかってるだろ~状態ですが、
とにかく物理的にものを減らさないとどうしようもないわけで。
以前、イーブックオフに十何箱かいらない本を売ってみたんですが、減った気がしなくて。
単行本は、1冊でも値段のつくようなものはアマゾン・マーケットプレイスで細々と売っていますが、まあ、細々とです。
それでも、これらは受付場所があるのでまだいいかも。

問題は、何となく保存してある雑誌とか、同人誌とか。
このあたりは、しっかり資料として保存しようと思ったものもありますけれど、結局一人の人間で整理・保存できる分量には限りがあり、ただ堆積しているような状態では意味がないわけです。
なので、何とか流通にのせて、需要のあるところに行ってほしいものです。
(一応、愛着のあるものなので、いきなり紙資源にするには忍びない。)

しかし、これらは、イーブックオフなどでは引き取ってくれない。ブックオフの店舗なら雑誌OKのこともあるけど、きれいな本が好きなブックオフに、たとえば20世紀の雑誌はいらないでしょう。
マンガ関係だけなら、まんだらけに送るという手段もあるけど、それ以外のジャンルもけっこうあるし、まんがも流行りが終わってるものも多数だし。
近くに古本屋さんがないので、普通の古本屋に持ち込むという手段が抜けてます。自宅に来てもらって持っていってもらうのには本を選り分けなきゃならないから、そこまでに膨大な時間がかかりますしね。置き場所も通路も作らなきゃならないし。(それが大変なんだもん)

経験上、こういうものは、欲しくて探している人と、要らなくてもてあましてる人がいるんだけれど、その両者が出会いにくいもの。
ここはやっぱり、ないものはないと言われるヤフーオークションを利用するしかないだろうと思いました。

でも、私はヤフオクで買ったことはたくさんあるけれど、出品が面倒そうで、今まで売ったことはない。
しかし、何もしないのでは片付かないので、ささやかにでもと、夏の終わりに出品をすることにしました。
とりあえず目に付いたものから…(同じものがそろうまで待ってると永久に出せない)

この項続く

| | コメント (0) | トラックバック (0)

金子功さんの和柄で新作終了

狂乱のカネコイサオ・ワンダフルワールドのフェアの1週間後は和柄です。
(お財布に優しくない part2)
斜めにボーダーのように染め分けられた2色の地に、菊と紅葉の柄。
色の名称は「クロ×ベージュ」(読み方 クロカケベージュ)のように、地色の2色となっています。

これも予約の時にとても困った色で、見本の写真は「ミズイロ×アカ」「コゲチャ×ベージュ」しかない。
見本のどちらも私の着る色とは違うので、パープル系を見たかったのだけど。
どういう色なのか聞いたら、「ピンクカケパープルのパープルはパープルじゃなくてピンクカケオレンジだと思ったほうが」「アカカケパープルのパープルはパープルなんですが、ピンクカケパープルのパープルはパープルじゃないんです」…早口言葉のようですね。
要するに、紫の出方が同じではないということ。
2色がパッチワークになっていればそんなことはないのですが、染め分けですからそんなことになったようです。

で、予約はピンク×パープルにしたんですが、この色は取れなかったと担当さんから連絡があって、アカ×パープルに変更しました。

で、お店にいってみたら、ピンク×パープルは担当さんが型違いを着ていたんですが、全体の印象がピンクそのもので、これはやっぱり違ったよな~と納得。
赤は普通の洋服ではめったに着ない色ですが、日本調だと差し色やらベースの色とかで、ワンダフルワールド最初の和調麻の葉や、鹿の子も赤を買ったくらいなのでそんなに抵抗はない。パープルもきれいな藤色で、アカ×パープルに変更してよかったです。

フェアのフルーツモチーフは全然店頭に出なかったのですが、紅葉モチーフのカーディガンは3色出ていて、茶色をゲット。これらが縫いつけモチーフなのでおとなしめだし、普通の服に羽織れば気分は秋、というのもしやすいです。
以前に出たモチーフつきニットを買い逃しているので、これで日本調の秋は安泰です。
無理かなと思っていた紅葉コサージュも確保してもらえました。

ワンダフルワールド最初の日本調柄は、初めて行ったコレクション(ファッションショー)のスタッフユニフォームでした。
担当さんがスタッフで着ていたのですが、見てもどういう構造になっているのかわからなかったなあ。
筒袖の長袖のワンピースの上に、ジャンパースカート、その上に三又エプロンという重ねなのですが、エプロンも1種類の布ではないのでどこがどうつながっているのかわからない。すごく変わっているなあと思いました。
で、その麻の葉が気に入って、赤のワンピースの上にどのエプロンにしようかとまた延々と悩み、担当さんの「生成り?」という一言で決まって、後からジャンパースカートの菊柄のオレンジも見つけてセットになり、今でもお正月になると着ています。

鹿の子にデニムの袴、金魚、羽子板うさぎ、すすきと朝顔、桜、鮫小紋、菊、藍染パッチワークなど、金子さんのいろいろな日本調を買ってきたけれど、そんなに気負わずに着られて、日本の小物をいろいろ合わせられて私は大好きでした。
でも、これで新作を待つ楽しみは終了です。
お店は11月まで開いていますが、新しいデザインの服はもう出ません。

帰りに寄った別のカネコは、前以上にものがなく、聞いたら、
前日、かなり入荷があって、久々にお店が埋まって、これで3連休がんばってくださいね、という感じだったら、たった4時間しかもたなかったそうです。
お客さんがない中から探して買っていかれるそうで。(その気持ちよくわかります。私もした。)
空間ができてしまって、一生懸命埋めても、またそこから売れてしまうようです。
ワンダフルでも、ショーケースが一段まるまる空いてしまっていたし、吊るしてある服も空き空きでした。
ストールでもあれば広げておけるんでしょうが、そういう小物もないのです。
普段ならなかなかない、柄違いなどでも色で合わせてみたいな飾り方がしてあって、コサージュやアクセサリーなどの小物もなくて。
まだここの服を買い始めたばかりで、合わせるものを持っていない状態と少し似ている気がします。

これからは、閉店した店舗のものとか、何が出てくるかわからない在庫とかが入ってくればお店に出るということでした。
ベーシックな無地とかギンガムとかのリバイバルでもよいから何か出してくれないかなあ。
ずらっと並んだ色とりどりの服をもう一度見たい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

金子功さん最後のフェア

金子服の話が2週分たまってしまいました。
9月8日のフェア2日目と、和柄が出てからの16日と、2週連続お江戸にいきました。
体はへろへろでも、後がないので行かねばならないのです。
買ってくるぞと勇ましく~♪

8日はカネコイサオとワンダフルワールドの最後のフェアに行ってきました。
フェアは、購入金額によってノベルティがもらえるし、いつもより品数が多いしで、楽しみにしている人も多いものです。
いつもは、カネコイサオとワンダフルワールドはフェアの日がずれているのですが、今回はまるきり同じ。
お財布に優しくない設定だな~ と思いましたが、そこは最後のフェアですから、私にしては空前の予約(大げさ)を入れたわけです。

で、ふたをあけてみたら…予想通りとは言え、店頭には一つもフェア柄がない!(^^;) 二日目の朝一なのに。
初日ならもう少しあったかもしれないのですが、金曜日では地方からは来られませんから。
ウィンドウディスプレイさえ、無地のピンクのワンピースが飾ってある。
今回のフェアってすみれと鈴蘭でしたか?(←フルーツ柄です) って感じの店内。
私はそれらの発売時期にお店にいけなかったので、新鮮ではあったのですが。

で、お客さんはいつになくどんどん増えていく。
ものがないのですが、最後のフェアだから何か買っていこうとなかなか去れないで店内がいっぱいになる。
まだ店員さんが少ない時間帯で、お店はてんやわんやになっていました。
フェアというより、在庫一掃セールみたいな雰囲気です。
あんまり混んでいたので、お昼に抜けてまた来るというお客さんもいました。

私は予約のうち、ワンダフルワールドのフルーツ柄のピンクのスカラップの切り替えが入ったスカートと、ベージュのカットソーの上だけが取れました。
ベージュの色あいがハッカといっても通りそうな色だったので、スカートもこっちにしておけばよかったかなと思いましたが、総柄プリントスカートになると、ハッカにチェリーの赤はやっぱり派手めでした。(店員さんの着ている分とか、他の人の予約分とかで、およそ全部の色は見た)
もともと、自分の着ている色ではないので、これはしかたのないところ。
無地をはさみこんだスカラップ切り替えがかわいく、果物も、チェリー、レモン、ブルーベリー、ラズベリー、いちご、さやえんどうと熟し具合もいろいろで葉っぱに細かく葉脈も入ってきれいなプリントです。

でも、このまま上下にするのは色が無理なので、ハッカ(←ベージュです)はともかくピンクは何か探さないとなあ、と、カネコイサオ側で、渋めのピンクの無地のカットソーを買って一応安心。

あとは、スミレのカットソーがとても好みの色だったので、2店合わせて3色買いました。(発売時にお店に来ていなかったから。パープルはともかく、青地で好みのプリントのすみれは珍しい)
スミレの段々ワンピースは少し高めだったので発売時にはちょっと買えない人という人がけっこういたらしいのですが、このフェアでだいぶ売れてしまったようです。
少し前に出たジャム瓶柄も同様の理由で、よく売れていたようです。
どちらもいいプリントなので、買い物としては悪くないと思いますが、もっとフェア柄を出してほしかった人のほうが多かったのではと思います。

カネコイサオの羽根柄は自分のタイプではなかったので、無地物とニットしか予約していなかったのですが、見事に何も手に入らなかったので、先のカットソーと靴下を2足、別のお店で黒のはおりものを買っておしまい。
もう、店内がらがらで、買うものがない状態でした。
なので、ワンダフルワールドのノベルティのタンブラーはいただきましたが、カネコイサオのフォトアルバムは手に入らず。
しかし、このタンブラーも翌日にはなくなったようですから、大変な騒ぎだったんですね。
フェア11日までなのに、フェア柄はない、ノベルティはない、そのほかもない、その後どうしましょうって感じね。

さやえんどう豆のニットモチーフネックレスが手に入らなかったのは残念でした。
フルーツモチーフのついたニットを手にいれたお客さんのを見せてもらいましたが、さやえんどうのリアルなふくらみ具合が実にかわいかったです。
でも、あのニットはこれでもかってくらいどっさりモチーフがついていたから、やっぱり私には無理系だったのですが。

あちこちのお店が閉店になったので、そこにいた店員さんたちが残ったお店に異動してきていました。
なので、以前お世話になった懐かしい方が思いがけないところにいて、うれしく話をしたりしていました。
私の行っていたお店はどこも、実にお客さんの名前を覚えていてくれるところで、担当さんでない店員さんでも、お店に入れば名前で「いらっしゃいませ」を言ってくれるところでした。
場合によっては、電話で「どこそこのけふこですが」と言っただけで、担当さんを呼んでくれるくらいで、上客でもないのにすごいな、プロだなと思ったものです。

そういう接客をしてもらえるのもあとわずかです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ぼちぼち更新開始

公私ともに多忙でダウンしていたので、ネタはあっても書けない状態が続きました。
そろそろ書き始めようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

金子功さんのさやえんどう柄 見つけ♪

ヤフーオークションで、アラート(ほしいものが出たときにメールでお知らせがくる機能)を入れておいたものが出たので、その出品者さんの出品物でほしいものはないかな、とついでに見ていました。

で、目にとまったのが、ピンクハウスの総柄の長袖Tシャツ。
今のピンクハウスのプリントではないな、とそれはわかりました。凝っているけどどこか素朴な感じ。カネコイサオやワンダフルワールドとも違います。「金子さんがデザインしていたときのピンクハウス」の雰囲気です。
Ph1
地色はこげ茶。カラシ色のロゴ。
一面にぎっしり描いてあるのは花柄ですが、何の花かわかりません。
アップになっている画像を見ると、ゼラニウムのような赤い花、青は勿忘草のよう、朝顔っぽい花もあります。

私は赤い花のプリントが苦手で、ブーケ柄に赤の花が混じっていたらまず買いません。
(例外は、彼岸花柄〈正式には曼珠沙華柄です〉と、日本調の菊の一部が赤いのと、薔薇一輪のポイントのついたストールくらい)
この柄は、赤い花がたくさん混じっていて、好みに外れるはずなのですが、どうにも気になる。
そんなに高いものじゃないし、古いものだから競争者はいないだろうと思ったら、あらびっくり、競り合う人がいるじゃあ~りませんか。
そこで降りればいいものを、何かムキになって、競り落としてしまいました。
私何やってんだろ~(--;) 状態。
(ヤフオクでものを減らさなきゃいけない人間が、増やしてど~する)

で、無事に届いたその柄は、なんと、私が一度目にしただけの、幻のさやえんどう柄だったのでした。(記事 金子功さんの秋物予約 など その1 参照)
Ph2

アップの画像にうつっていない部分に、さやえんどうの柄があったのです。
フルーツ柄じゃなく、花柄だったんですね。(ハーブ柄っぽくもある。ボリジとか後ろの細かい葉っぱなど見ると)

もともと、見た状態が正方形パッチワークでしたから、全貌がよくわからなかったんですが、これよこれ、このさやえんどうのかわいさにひかれたのよ~(*^^*) 
よくまあ私のもとへ来てくれたものです。
ウェスト60のスカートじゃはけないけど、Tシャツだし(……)

これは総柄ですから、当然繰り返しの模様のはずなんですが、全然そんな風に見えず、一面に絵を描いたように見えます。
花を頼りに一単位をたどってみると、一つの柄が30cm四方近くあって、それが上下で反転、さらに隣の模様とは90度回転みたいな配置で、切れ目がわからない。
だいたい、一単位が大きいので、Tシャツ片面に4単位が入らないのです。
すごいな~と驚いてしまいました。

で、この柄の名前は「さやえんどう柄」じゃないことは確かですが、正式な名前がわかりません。
品質表示タグの番号は「P0102UAL44」ですから、ピンクハウス90年夏物だと思います。
どなたか、この柄の名前と発売されたアイテムを知っている方がいらしたら教えてください。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

『サンリオの奇跡』という本

上前淳一郎さんの『サンリオの奇跡』という本を読んだのは、80年代の初めだと思います。(現在は絶版)
急成長したサンリオがどういう戦略をとっていたのか書かれている本で、ジャンルとしてはビジネス書になるのでしょうが、とても読みやすくわかりやすい本でした。

その中の初期のエピソードに、サンリオの社長の辻さんが、小さなイチゴをかわいいと思い、いろいろな小物につけてみたら大変売れた、というのがあります。
で、サクランボもかわいいと思ってその柄をつけてみたら、今度は全然売れなかったそうです。

後に専務になる荻洲さんは、ホールマークのグリーティングカードに惚れ込んで、会社をやめてカードビジネスを始めましたが、カードを贈る習慣のなかった日本ではどこも相手にしてくれず、全然売り上げがのびなかったそうな。

この二人が出会って、グリーティングカードを含めたソシャル・コミュニケーション産業を展開していきます。

サンリオがカードの販売権を得たホールマークは、何が売れるのかという克明なデータを持っている会社で、実験販売をして、販売傾向の指数を出して生産する、売れるものだけ作るというのがはっきりしている会社でした。
花の絵なら、人気第1位は一輪の薔薇、2位がすみれ、3位に鈴蘭とマーガレットが来るそうです。
勘に頼るのではなく、確実に売れるものを作り、ロスを出さない。
その方式にのっとって、サンリオの製品は、実験店で試験販売され、人気のあるものが正式に商品化されるようになりました。
サンリオの当時の調査では、果物なら、1位はイチゴ、2位はレモン、で、さくらんぼは人気がなかったそうです。
そして、若いデザイナーさんたちの作ったキャラクターが、社内ではイマイチの反応でも、店では絶大な人気を博し、パティ&ジミー、キティ、リトルツインスターズなどが生まれていったと。

それを読んだときに、なぜ自分がサンリオ製品にひかれないのかわかったような気がしました。
先に書いたように、私はさくらんぼ柄のサンエックスの便箋が気に入って、似たようなものを2種類買っている人間です。
果物の模様なら、いちごよりチェリーの方が断然好き。
自分が少数派であるという自覚はまったくなかったのですが、世間では圧倒的にイチゴの人気が高いようです。

で、私の好きなさくらんぼ柄は、この論理でいけば、永久にサンリオからは出ないわけです。
原色やシンプルな線のキャラクターより、繊細な絵がついたグッズがほしいと思っても、
それらのキャラクターが大勢に支持されている以上、サンリオからは出ない。
自分の好きなものが多数派に属さないかぎり、それは製品化されることはない。
そうさみしく納得しました。

この方式は、今ではとても一般的になって、コンビニなどの製品管理や、そこで試験販売される新製品なども基本は同じだと思います。
早瀬かをるさんのブログのメモ帳コレクションにも、シリーズ化される前に試験販売されたサンエックスのキャラクターがありましたね。

現在は、見捨てられていた少数派を対象にして利益を得る方式がでてきましたから(ロングテイルというのかな?)、普通のお店にはないけど少数に大いに支持されるようなものも存在しやすくなってきました。

だから、サンリオでもジャンボキティ消しゴムなど出すようになったのでしょうか? あれが試験販売で売れたとは考えにくい。というか、ネットが試験販売なのでしょうか? 
6300円の消しゴムにまだこだわっている私です。
(→記事 どうしてそんなにデカいのか~ハローキティ ジャンボ消しゴム~ へ)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »