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鉛筆を持つように… ~続・水性顔料ミリペン ゼブラ DRAFIX~

(前記事 「失われた定番 その2 ~水性顔料ミリペン ゼブラ DRAFIX~」の続きです)

各種のミリペンを使ってみて、どうして自分にはゼブラDRAFIXでなければならなかったのかというと、その大きな理由は段差のない外観と、持ちやすさです。(実際、書きやすかったのですが、もうペン先がすり減っているので、書き味の比較は無理かと。)

自分にとって持ちやすい筆記具というのはどういうものなのか、今回他のミリペンと比べて考えてみました。どれも耐水性タイプのものです。

Photo_2 上から
A ゼブラ ドラフィックス(DRAFIX)
B Too コピック マルチライナー(MALTI LINER)
C パイロット Hi-プチ
(水色)
          D  サクラ ピグマ(PIGMA)

Aは私の愛用品だったもの(ちょっと曲がってる?)、Bは文具王の『究極の文房具カタログ』にも出ていて、画材としても人気のもの、Cはドラフィックス以前に私が愛用していたミリペン(これだけ0.2mm。あとのペンは0.1mmのものです。これも廃番だと思います。)、Dはプロ作家がマンガを描くのに使っていたと言われるミリペンの代表格ではないかと思います。

見ての通り、Aのドラフィックスは蓋と本体の段差がなく、かさばらないデザインです。(蓋をとって後ろにはめても段差ができません。)
蓋をした状態ではコピックが一番短いです。

Photo_3 でも、蓋をとってみると、逆に一番本体の長いのはDのピグマ、長い方だったBのマルチライナーがかなり短くなっています。このあたりで、キャップの重さなどのバランスの好き嫌いも出るでしょうか? でも、全体的にはそう大きく長さは変わりません。

Photo_4 持ち方にかかわるペン先側の軸の形がかなり違います。
左から A ドラフィックスは、ずっと同じ太さでぎざぎざの滑り止めがつきペン先部分が細くなっています。 
B マルチライナーは、上部に段差があり、その後なだらかに細くなっていきます。
C Hi-プチは、画像ぎりぎりのあたりに段差があり、わずかに細くなってペン先が鉛筆型に細くなっています。
D ピグマは、直径の違う円柱を重ねたようなはっきりした段差がついています。

これを、鉛筆と比べてみました。

Photo_5 写真の鉛筆は、電動鉛筆削りで削ったものです。
私が鉛筆を持つ位置は、削ってある上からほぼ1cmのところを親指と人差し指ではさみ、その下に中指を添えます。中指の当たる位置は、削った上の4~5mmくらいからでしょうか。
指の太さも考え、大体、画像の帯のあたりに指があたっていると思います。(鉛筆の削り方で、芯からの距離は変わります。)

鉛筆は塗料部分ですので、もちろん段差はありません。
このミリペンの中で指の当たるところに段差がないのは、グラフィックスと、ぎりぎりHi-プチ。マルチライナーとピグマは、ちょうど指の当たる位置に段差があります。段差の上を持つと、私には少々上すぎて安定しません。
また、マルチライナーは段差から細くなっているので、鉛筆の軸のような一定の太さではなく、私は持ち方が変わります。

たぶん、これが私が他のミリペンでは駄目な理由なのだと思います。
私の持ち方だと、人気の高いマルチライナーとピグマは、長時間の筆記には段差が痛くて向かないペンなのです。
もちろん、この方が持ちやすい、安定するというユーザーは大勢いて、だからこれらのペンが支持されているのでしょう。
実はドラフィックスの0.05mmは、滑り止めのぎざぎざもなくてつるつる仕上げ。キャップは長くてマルチライナー風だし、本体にはきっちり段差がありピグマにそっくりなのです。このあたり、細いペンの標準の機能的な形なんでしょうね。でも、これは私は好きじゃなかった。線が細すぎてかすれるのもあったけれど、きっとこのデザインが原因だと思います。

学生時代、ほとんど鉛筆とプラスチック万年筆で通した私は、筆記具を持つときは鉛筆が基本になっていて、そのままの持ち方で持つことができたドラフィックスは、本当に使いやすいミリペンだったと言えると思います。
でも、もうとっくに廃番。私の使いやすいミリペンに出会え、再び筆箱の定番となる日は来るのでしょうか。

いつもの一言

「いつまでもあると思うな文房具」! o(ToT)o ダー

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コメント

 スケジュール帳に書き込むのに、ミリペンは重宝してました。Dのサクラピグマも使ってた事があります(もっと細い芯でしたが)。
 ピグマのデザインは基本的なのかもしれませんが、『ロットリング』に似ているのも人気の一因かもしれませんね。『ロットリング』はとても高いので、プロの漫画家さんもピグマを使ってたのかな?消耗品ですもんね~

投稿: ゆーこおばちゃん(キャスパー) | 2008年4月27日 (日) 09時42分

こんばんは

久しぶりにピグマを引っ張り出しました
画像とおなじピグマです☆
でも、久しぶりすぎてインクが出ませんでした(爆)
 

投稿: 松本麗香 | 2008年4月27日 (日) 21時22分

ゆーこおばちゃん(キャスパー)さん こんばんは。
コメントありがとうございます^^
私はロットリングを使ったことがないのでわかりませんが、マンガ家さんの道具だと、枠線用によく登場するものですね。ロットリングが絵を描きやすいかどうかはわかりませんが、結構デリケートなものみたいですので、ミリペンの方が確かに安そうですね。
0.1mmのピグマよりもっと細いのをお使いでしたか。米粒に字が書けそう♪

投稿: けふこ | 2008年4月27日 (日) 21時28分

麗香さん こんばんは
ピグマ、出なくなっていましたか。残念ですね。
麗香さんは、出なくなったボールペンも後でカスタマイズして復活させていましたが、ピグマの出ないものの使い道ってあるでしょうか?

投稿: けふこ | 2008年4月27日 (日) 21時43分

さすがにインクの出なくなったピグマは、
背中をかく補助くらいしか使えませんね(笑)

ロットリングとピグマは似て非なるものですね
ピグマ等のミリペンはロットリングに比べると芯はヤワいです
ロットリングの芯はいわば金属棒でして、
その芯にインクが流れ伝ってくるような感覚ですね
カラス口よりもマシですが、慣れるまでは書き味の違和感に
惑わされていましたwww
 
 

投稿: 松本麗香 | 2008年4月27日 (日) 21時55分

麗香さん 即レスありがとう^^
ロットリングを使われたことがあるのですね。
私は絵描きではないのですが、ロットリングがあったほうが便利な時ってどんな時でしょうか?
ミリペンよりも高価なペン先がセラミック?の4本セットを持っていましたが、あまり使うときがなかったです。

投稿: けふこ | 2008年4月27日 (日) 22時39分

こんばんわっ!

僕の愛用のペンサクラのピグマと
ステッドラーのマルスプロフェッショナル712です^^

ピグマを最初に手にした時の衝撃は忘れられません。
「水性で耐水?!」という言葉に半信半疑で手にして以来
すっかり虜になってしまいました♪

それ以上に使用頻度が高いのがステッドラー。
一見金属に見える高級感あふれるボディは実はプラスチック。
この軽さのギャップが実に楽しい^^

耐光、耐水にも優れてるし、線もはっきりとしているので
知らず知らずのうちにこればっかり使うようになりました。

何より、プロの道具っぽいのも気持ちいいし(笑)

ちょっと高いのが玉に瑕ですけど・・・。

投稿: モルB | 2008年4月27日 (日) 23時34分

モルBさん こんばんは
ピグマ愛用者ですか。ドラフィックスの愛用者だった人はいないの~?泣(←無理)
また知らないものが出てきてしまいましたね 汗。ステッドラーですか。私が持つところに段差がなかったら考えてもいいのですけど。
あとお値段もですが。モルBさんご推薦だと、ほしくなるものが多くて困ります ^^

投稿: けふこ | 2008年4月28日 (月) 00時02分

何年も(10数年?)使っていませんが、ロットリングは
3~4本所有しています
暫く使っていなかったので、再起動できるかどうか(^^;)

ロットリングがあったほうが便利なときというのは、私はありませんでした(爆)
確かに一定の太さを維持できる筆記具ということでロットリングは
便利でしたが、筆圧の加減や余分なインクを拭き取る作業があったりと
決して使いやすいものではありませんでした

そういう事では後発のミリペン系の使いやすさは文字通り特筆モノでした
ただ、ロットリングのインクはかなり優秀で、それはミリペンの比ではありませんでしたね
画を描くにあたっては、パイロット製図用インクや開明墨汁よりも
はるかに紙とのマッチングは良かったです(^-^)


投稿: 松本麗香 | 2008年4月28日 (月) 00時25分

麗香さん 連投ありがとうございます。
う~ん、ロットリング、扱いが面倒そう(←雑な人間)。
筆圧がないからボールペンも満足に使えない私ですし、これはパスしたほうが無難でしょう。
開明墨汁に製図用インキとくれば、これはマンガ用画材の代表格ですね(^^)
ロットリングはミリペンなどに比べて印刷の線が鮮明に出るらしいですが、これも「うまく使えれば」ですよね。
ロットリングが再起動?したら、何か描いてください♪

投稿: けふこ | 2008年4月28日 (月) 00時44分

いえいえ  実際は筆圧がない御仁のほうが、
ロットリングとの相性がいいと思いますよ
流れるように出るインクは筆圧の高低に関係なく
一定の線が書けるようになっていますからね
逆に筆圧の高い方は、ペン先を潰さないように
注意が必要です
 
印刷時に鮮明に出るのはまさしくインクのクオリティーを
物語っている例ですね☆
 

投稿: 松本麗香 | 2008年4月28日 (月) 01時04分

麗香さん
ロットリング、筆圧はなくてもいいんですか。それはうれしい。
実は、先日、近所の文具店に古いロットリングらしきものが残っていて、ただ同然にもらってきたんですけど、部品がそろってるのかどうかもわからないんですよね 汗 (どこにしまったっけ 滝汗)
買うかどうかは、まずそれが使えるか、試してみてからでもいいかな~と思います。

投稿: けふこ | 2008年4月28日 (月) 01時23分

ロットリングは万年筆と同じくカートリッジ式と
インク吸い上げ式があります
私は両方所有していますが、
使っていたのはカートリッジ式でして
吸い上げ式は購入してまだ使っておらず、
デッドストック状態です(爆)

けふこさんのロットリングは、どちらのインク補給タイプですか?
 

投稿: 松本麗香 | 2008年4月28日 (月) 20時56分

麗香さん おはようございます(すみません こたつで落ちていました。)
4月の異動で持ってきた荷物でロットリングが埋没していますので、それはまた出てきてからということでお願いします。^^;
といっても、詳しいことを聞かれてもわからないと思いますが。いつのものだかわかりませんけど、プラスチックの箱が完全に変色してしまっていました。

投稿: けふこ | 2008年4月29日 (火) 05時53分

ものが出てきたので取り急ぎ。
まず、「ロットリング」ではなく、ファーバーカステルの「カステルテクニペン」(CASTEL TG Tuschezeichner Drawing Pen)1.2 タイプでした。
カートリッジではなく、インクタンクにペン先側からペン先を外してインクを注入するタイプのようです。
軸が汚れなのか劣化なのかでべとべとしていまして、けっこう大変なデッドストックです^^;

投稿: けふこ | 2008年4月29日 (火) 13時30分

2008年4月27日にモルBさんがお書きに成っている、ステッドラーのマルスプロフェッショナル712を使っていました。

残念ですが、生産中止のようですね。
先週最後の替芯のインクが終わってしまいました。
土日に色々探したのですが、替芯は入手できませんでした。

投稿: wagner | 2012年2月20日 (月) 12時48分

wagnerさん 初めまして
コメントをありがとうございます。
そうですか、ステッドラーのマルスプロフェッショナル712が廃番に…
情報をありがとうございます。
wagnerさんもご愛用の品がなくなってお困りでしょうね。
また同じようなタイプのお気に入りの品が見つかるまで、どこかに残っている在庫があるといいのですけど。
(そして、私は未だにお気に入りのミリペンが見つかっていません
モルBさんも、お気に入りの品の廃番が続いてお気の毒に思います。

投稿: けふこ | 2012年2月20日 (月) 21時28分

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