「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その3 本棚を探してみたら…
(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その2 引き出しを探してみたら…」 の続きです)
昔は、文房具が紹介されているムックや雑誌を眺めて、地方の私は「いつかこれを買いに伊東屋と丸善に行くんだ~」と憧れていたものです。
『文房具の研究』(中央公論社 別冊暮しの設計)が行方不明なのは残念ですが、他の手持ちの本の中にノンボテや加圧式ボールペンが出ていないか調べてみました。
(ついでに、おもしろそうなものを拾ったら話があちこちにいってしまいました。すみません。)
A 『文房具図鑑』 (ステレオサウンド別冊 1984)
B 『文房具の魅力』(中央公論社 1985)
C 『モノ・マガジン 4月号』(KKワールドフォトプレス 1985)
D 『文房具大図鑑』(ワールドフォトプレス 1998)
結論から言うと、これらの本の中には、ノンボテは出てきませんでした。(残念)
ただ、いくつか気になる商品がとりあげられていました。
A 『文房具図鑑』の中にあったもの
・スペースラブ(三菱鉛筆)…画像 上から3本目
「スペース」という語感が気になるけれど、プラスチックの真っ黒なボディは商品名さえ読めず(泣) 100円池袋店 としかデータがない。(後に、ステーショナリー タニィから、このボールペンも今回重要な位置をしめることを教えていただきました。)
・ケルボ(ペーパーメイト)…画像 上から2本目の黄色のもの
おお~ありました♪ 消しゴムで消せるボールペン。ミディアム1mm。500円(西武池袋店) ペーパーメイトのロゴは、クリップの金属部分に刻印してあります。←けっこう高い。
・スペースペン(フィッシャー)…3種類紹介
☆真空でもペン先を上に向けた状態でも書けるボールペン。980円。(ソニープラザ) 画像 上から2本目の水色のもの☆宇宙空間で使えるように作られたボールペンだから、地球上の環境ならまずどんな所でも耐えうるヘビーデューティーさがうれしい。5000円と2500円(西武池袋店) 画像 上から3本目(5000円)と4本目(2500円)
・ラジボー(セーラー)…ボールペンについにラジオが付いてしまった! いつどこでもラジオ放送が楽しめちゃう。ラジオを聞きながらメモを取るなんてもうお手のもの。AM1バンドで、5000円。他にイヤホーンをグレードアップした6000円、8000円のものもある
…ええと(^^;)
「ケルボ」とか「ラジボー」とか、ボールペン製品は何でも「~ボ」とか「~ボー」が愛称なの?
(というか、ラジボーはすでにイロブンの領域ではないのか? と思うのですが、Cの『MONOマガジン』では、ラジボー3種類全部を写真つきで紹介している熱の入れようです。)
しかし「~ボ」族には、さらにその上をいくツワモノがいました。
それは、B 『文房具の魅力』、C『モノマガジン』に紹介されていた三菱のボールペン、
「メタボ」 M・E・T・A・B・O
…まだ、メタボリックシンドロームなどなかったころ、「メタボ」はボールペンだったんですね。(画像は「モノマガジン」のもの)
「メタリックインキの金と銀があり、紙だけではなく、革にも書ける/200円/伊東屋」
なかなか高級なイメージなのに、今となっては復活できないのでは。
プラチナスペースペンより相当安い! 私が見つけていたら買っていただろうに残念です。
さらに、セーラーからは「マルチボ」1000円 なるものも出ています。
「キャップを右に回して黒、左に回して赤の2色ボールペン。ラッカー仕上げの色違いが5種あり、すっきりしたデザインだ。」
(ついでに、セーラーからは「マルシャン」(右に回すとシャープペンシル 左に回すと黒ボールペン、「シャレーナ」(おそらく「おしゃれ~な」ではないかと…の華奢なボールペンも出ています。)
どうも、ボールペンが「~ボ」族なのは、メーカー問わずこの頃の流行だったようです。
その元祖は、現在も残るゼブラの「シャーボ」あたりでしょうか?(1977年発売)
(このあたり、全然詳しくないので、わかる方がいたら教えてください。)
B 『文房具の魅力』の中にあったその他のもの
・ケルボⅡ(三菱鉛筆)…あれ? メーカー名が変わっています。先のケルボは「ペーパーメイト」だったのに。
解説は、「ボールペンなのに普通の字消しで消える不思議もの。しかし、一定の時間がたてば、インクが定着して消えにくくなる。/1200円 伊東屋」です。 画像右端がケルボⅡ 左から2本目がメタボ
D 『文房具大図鑑』の中にあったもの
・スペースペン(フィッシャー)…「進化するスペースペン」という見出しで、400CM(500円) CR-TP(1万円) 400TP(6000円)の3種類。「未来的デザインが魅力」と解説。
画像右から、500円、1万円、6千円のスペースペン
・楽ボ/楽ノック(三菱鉛筆)…「~ボ」族。「疲れないボールペン」として紹介。100円。(現在もあります)
この本は先の3種の本よりかなり新しいのですが、加圧式ボールペンパワータンクはすでに発売されている時期なのですが、定番商品化しているのか取り上げられていません。(訂正:パワータンクの発売は2001年なので、1998年発行のこの本に載るのは無理)
スペースペンがデザインを変えつつ、不動の地位を保っているのは、さすが元祖の貫禄を感じます。
本にはたくさんの文具が紹介されていましたが、今はなくなってしまった商品がたくさんありました。
今、こんなのあったらほしいなというものが当時出ていてすでに廃番になっていたり、一時もてはやされていたものが全く姿を見せなくなっていたり。
新しく生まれた文具が定番となるためには、厳しく困難な競争を勝ち抜かなくてはならないのですね。
みゃ~さんからのコメントの情報では、ノンボテは、
記憶では…
ボディは白の鉛筆型の六角形断面で、先端部が真鍮色の固定、メーカーは三菱かパイロットだったと思います…。
只、名前負けでボテは有ったような…
ああ、記録が見つからなくても、使っていた人の記憶はこんなにあるのですねえ。
ノンボテはきっと寿命の短い商品だったのだろうと思いましたが、もっと前の雑誌や広告が見つかれば出ていそうな気がしました。
そのうち資料を探そうと思っていたところへ、思いがけないところから回答をいただきました。
私のブログからのリンクをお願いにいった文具店「ステーショナリー タニィ」です。(続く)
→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その4 ステーショナリー タニィによる調査 へ
→ 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ
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コメント
こんばんは
ボールペンにラジオですかww
ボールペンに何かが付いたものといえば
最近ではボイスレコーダー付きボールペンですね♪
~ボの名前で言うとさながら「レコボ」ってことでしょうか?(笑)
っていうか、ボールペンに録音機能が付いているっていうと、
何となくスパイ映画の秘密道具みたいな感じを受けるのは私だけ?
でもよく考えると、そんなものが普通に売っているなんて
なんだかすごい時代ですよねwww
投稿: 松本麗香 | 2008年7月29日 (火) 01時23分
麗香さん こんばんは
ボールペンは「イロブン」(色物文具)になりやすいものだそうで、
きだてたくさんの収集されたものでは、ライターつきとか、デジカメつきとか、老眼鏡つきとか、木魚つきとかもう何でもこいって感じです。(スパイ小道具一式そろうかも~♪)
集音器or盗聴器つきボールペン「ダンボ」とか、マラカスつきボールペン2本セット「マンボ」とか…ないかな? 笑
投稿: けふこ | 2008年7月30日 (水) 03時34分