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2008年8月

昔のコーリン鉛筆の雑誌広告

ザッツユーロビートさんのブログ昭和の雑誌広告に、時々文具の広告も紹介されています。
珍しいところでは、宇宙ペン(フィッシャー社のスペースペン 販売したのは日光ペン)の広告なんかもあります。(1969年のもの)

コーリン鉛筆に関係のあるものは次のようなもの。

コーリン鉛筆ピアス  1963年、週刊朝日に掲載されたものです。

コーリン鉛筆 コア  1975年、週刊少年マガジンに掲載されたものです。豪華な懸賞つき。

コーリン鉛筆(全般)  1961年、サンデー毎日に掲載されたものです。

コーリン鉛筆 電動鉛筆削り器 1975年、少年マガジンに掲載されたものです。

雑誌広告は、当時の世相を反映していますし、定価などの詳しい情報が残っていて、とても興味深いです。

雑誌で興味のある記事を切り取っておく人は多いと思いますが、広告はいらないものとして捨ててしまうことが多そう。
でも、ずっと後になるとそれが逆に貴重な情報になったりしますね。
雑誌こそ捨てるな、というのは情報活用でよく言われること。

そうは言っても、雑誌もかさばるのでなかなかとっておけないので、こういう記事をのせてくれているところは大変うれしいです。

~「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」より追加~

コーリン鉛筆 ハイピアス 1972年、少年マガジンに掲載されたものです。
懸賞のお知らせ広告で、ケンちゃんシリーズの宮脇康之君が出ています。  

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ステーショナリー タニィの秘密3 在庫と収納

(「ステーショナリー タニィの秘密2 会話と推理」 の続きです。)

やや大判(八つ切り程度)のスケッチブックを手にしている中学生?の女の子に、
「夏休みの宿題?」とか、例によって店長さんが話しかけると、画用紙ぐらいで、遠くから見える大きさのスケッチブックがほしいとのこと。
絵本をうつして書き、大型の読み聞かせ用の絵本のようなものを作る課題のようでした。
(画用紙サイズは、私の地域では四つ切りが「普通」ですけど、このあたりでは八つ切りのようでした。)

店長さんはその子といろいろな話をして、先生がどう言ったかとか、使い道などを確認し、もっと大きいのもあるよ、と、スケッチブックの棚ではなく、レジ側の通路の物入れの後ろから、ぐっと大判のスケッチブックを取り出しました。
「値段も高いけど」と「専務」さんがおっしゃってましたが、その子はそちらを買っていきました。
サイズ違いで棚に入らないからそこに収納してあったのだと思いますが、ちゃんと在庫しているのでした。

夏休みも終盤で、課題を書く画用紙なども買いにくる親子連れも目立ちました。
ステーショナリータニィでは、模造紙などが入る大きなスチールの引き出しを重ねて、その上に板をのせてレジ台を作っています。
引き出しはお客さん側に向いていますが、普段はその前に筆記用具の什器などが乗せてある木の物入れがあります。
紙を買いに来る人がいると、物入れ(キャスターつき)をするするっと前にずらして自由に引出しを使えるしかけ。
さらに、奥側には、昔のミシンの台のような蝶番でたためるテーブルがついていて、食事などで手狭なときには台を広げられるようになっています。

私が座らせてもらっていたのも木の椅子ですが、踏み台にも使えそうで、これもまた側面のふたを開けると、中にクロネコヤマトの送り状などが収納されています。
そして、こういう木製品には、「Stationery Taniy」 のロゴが彫りこんであったり印刷してあったり。
これらは、みんな「専務」さんの手作り!(もともとダムなどの設計をされていたそうで、木版などもされているとか。大きさが違うだけですることは同じだとおっしゃってました。)
広くはない店内を有効利用できるような機能と、手作りの温かみを合わせ持っています。

「何をお探しですか?」でお客さんから要望のあったスクラップブックは、天井近くの棚に2タイプ。
三菱の高級色鉛筆ペリシアは、習字や画材の上の棚に。(おお~ 高級品じゃ~ 私まだ持っていません!)
このお店では、遠慮しないで商品を言えば、何でも出してくれるんじゃないかなと錯覚します。
いえ、むしろ「聞かなきゃ損」。
在庫だけでなく、豊富な商品説明がついてくるのですから。

先にあげたエイチ・エスのブック&カードホルダーを買いに見えたお客さんが、

「ここに来ればあると思ってたの」

と、うれしそうにおっしゃっていました。
大型店ではないのに、この評価はすごいですね。
似たようなサイズが3種類あり、ものを持ってくればよかったと困っていました。
交換OKということで、お客さんは1種類を選んで買っていかれました。
(近くに撮影所があり、台本にカバーをするために買われることもよくあるそうです)

このお客さんはさらに、
「前にここでとってもらったペイントマーカーが、すごくよかった」と、聞きもしないのに大変うれしそうに語っていきました。

そのペイントマーカーをステーショナリー タニィが選んだわけをお聞きしました。

(続く)

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→ 「ステーショナリー タニィの秘密4 お取り寄せ へ

→ カテゴリー シリーズ:ステーショナリー タニィ に関連記事をまとめました。

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ステーショナリータニィの秘密2 会話と推理

(「ステーショナリー タニィの秘密 ~第一印象~」 の続きです)

ステーショナリー タニィは、お客さんへの声かけが大変多いお店です。
このごろでは大きな売り場が多く、お店の人はレジから動かず黙っていて、こちらが勝手に商品を探して持っていくのに慣れていると、「夏休みの宿題?」なんて子どもさんに話しかけているのは珍しく感じました。
私の場合は、初めの声かけ、こちらが頼んで商品を出してもらった時、商品が増えて持つのが大変そうな時などでしたが、うるさく干渉してくるわけではありませんでした。
いろいろな棚を見てものを取っているようなお客には、自由に選ばせてくれています。
で、ものが見つからなくて困っているようなお客には「何かお探しですか?」
これが、絶妙なタイミングで、これで出て行ってしまったり、「別に何も」なんて言ったお客さんは、私が見ている間(←5時間ほど…長すぎ!)に一人もいませんでした。
お客さんからの質問や話しかけも多く、会話がはずんでいて、日頃から地元のお客さんに親しまれているお店だということがわかります。

その中で、一人の男の子が、黙って、レジにスティック糊を持ってきました。
ああ、さっき見た「貼ってはがせる」タイプだなあと私はそれを眺めていたら、店長さんが、
「これ、後ではがせるタイプだけど。強力タイプは上の方にあるよ。」
と言ったのです。
商品説明もついていた商品なのに、なぜそんなことを言うのかなあと思っていたら、その男の子がくるりと向きを変えて、今度は強力ピットのりを持ってもう一度現れたのです。

えええ~!? 
なぜ、この子の買いたい糊が「貼ってはがせる」タイプじゃないってことがわかるの!?

不思議だったので後で聞いてみたら、大勢のお客様が間違えるから、ということでした。
多くの人はスティックのりはどれも同じだと思って買うので、買う前に確認するとのこと。
ちゃんとそこに店長さんがつけた説明ポップがついているのに、です。
でも「そこに書いてあるでしょ」なんてこともなく、自然に説明はされ、男の子は今度はよく見て糊を選んできました。(たくさん並んでいた「消えいろピット」シリーズでなく「強力」を選んできたんですから)

私がレジへ持っていった輸入もののホッチキスも、
「これは普通の針でなく3号針を使うタイプですが、よろしいですか」と確認をされています。
コンパクトホッチキスでそれは珍しい、と喜んで買ってきましたが、買う前には全然気づいていませんでした(^^;)

実際、修正テープでは本体でなくリフィルだけを買っていきそうになる人も多く、「これだけでは使えませんがよろしいですか?」と確認をするそうです。

ステーショナリー タニィでは、特別な商品は、

1 商品自体に書いてある説明
2 店側が用意したポップの説明
3 会計前の説明・確認

この3段階を経て買われていきます。
3回説明があれば、かなり間違いは防げますね。

お客がものを知らなかったり説明を読んでいなかったりすることを前提に、それでもそのお客が求めていたものと違うものを買わないようにとのフォローがさりげなく行われています。
「そんなことも知らないの?」みたいな態度の応対は一切ありませんでした。

ボールペンを求めたお客さんには「替芯もありますので、本体をお持ちください」という声かけがほとんどでしたが、一人、フリクションボールを数本持ってきた人には「フリクションボールですがよろしいですか?」と確認がされていました。
消せるボールペンと知らずに買って、大事な文書に使ったりしないようにの配慮でしょう。
その人は、フリクションを選んで買っていたので、話はそこで終わりましたが、
「フリクションボールって何ですか?」「何か違うんですか?」とか言ってくれば、
「これは熱で消すことのできるボールペンなので、~~に使うと大変なんです。」などの説明があったと思います。

かと思えば、
「普通のボールペンください」なんて方も現れます。
「普通」って言われても、何が普通なのか難しいなあと思いましたが、「太いのばっかりで…」とこぼすその言葉で、店長さんはその方に小難しい説明はしないで一緒に棚の前に行き、たちまちノック式のボールペンを1本選んできました。
その人は満足してそれをお買い上げになりました。
油性の事務用タイプで、ノック式とキャップ式の好みくらいしか聞いていないのではないでしょうか。(商品名までわかりませんでしたが)
多様なボールペンがあるばっかりに、「ご自分の好みですから」とか言われても逆に選べず困る人もいるわけです。

これが、「ボールペンはどこにありますか?」のお客さんになると、
「こちらが油性、こちらがゲルインキで書いてすぐこすると汚れます」くらいの説明になり、あとはその人の選択にまかせています。
応対は一人一人の様子によって、細やかに変化していきます。

ファックス用紙の棚には、たくさんの紙芯が入っていました。
買いに来た人が空になった芯を持ってくれば、ここで照合して規格に合った紙を間違えずに買うことができるでしょう。

特別な知識を求められることもなく、自分の要望を伝えれば考えてくれて、誰もが安心して買い物ができるお店、そこには次々と注文や相談が持ち込まれてきます。

(続く)

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→ 「ステーショナリー タニィの秘密3 在庫と収納」へ続く

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秋のBEAMS文具 登場するも…

2008年春に発売された、セブン-イレブンとBEAMSとのコラボレーション文具「BEAMSTATIONARY」の秋バージョンが発売されていました。

地元のセブンイレブンで見かけたのは、

マイ マッキーケース 赤(ゼブラ 480円) …春の黒ケースの赤バージョン

レバーファイル パソコン(コクヨ 500円) …パソコン風A4レバーファイル 中に柄はなし

レバーファイル カートン(コクヨ500円) …段ボールの小荷物風印刷のA4レバーファイル 中に柄はなし

ダイモ トリコロール(2100円) …白と赤のボディに、赤、青、黄の文字盤

トリコロール カッター(オルファ 350円) …白のボディに、赤と青でアクセント

です。(画像は後日)

春の文具の色違いや機能違いで、種類も減り、特に新味はありません。
ファイルも、春物の方が中に印刷があったりして凝っていた分おもしろかった。
実用的で楽しい紙ものがないのも残念(単にまた売りきれているだけかもしれませんが)
もっと違う角度からのパロディを期待していたし、消しゴムや蛍光ペンなどの他の文具やよそのメーカーさんが入るかもと思っていたので残念です。
色あいが、春のオレンジから白になっているのは秋物だから「白秋」?

ついでに、そこの店では、春物BEAMS文具もまだほとんど買えます(^^;)
(マイマッキーケースの黒は売り切れているようですが。)
その時の陳列棚をまだ使っているせいか、秋物の棚に模様替えということもないようです。
いずこも同じ秋の夕暮れ? よそではどんなか知りたいです。

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【2008年春物 BEAMS文具の記事】

定番とジスマークのナイス☆パロディ~BEAMS セブン-イレブン コラボレーション文具~

BEAMS セブン-イレブン コラボレーション文具の買い物

BEAMS文具 まちがいさがし

学習帳のジスマーク(←本物) ~BEAMS文具 まちがいさがし2~

ツバメノート&レポート用紙三態 ~BEAMS文具 まちがいさがし3~

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ステーショナリー・タニィの秘密 ~第一印象~

「ノンボテ」ボールペンの調査に協力してくださった文具店、ステーショナリー タニィは、世田谷区、小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅の近くにあります。
祖師谷大蔵は「ウルトラな町」で、駅の看板やウルトラマン商店街など、あちこちにウルトラマンにちなんだものが見られます。

地図と、前日の電話でのご説明と、ステーショナリー タニィの日記のスナップ写真とで、無事にお店は見つかりました。
細めの道の両側に小さな店がたくさん並んだ商店街の中、本物の自転車の看板と写真館の向こう、ステーショナリー・タニィも間口の狭いこぢんまりしたお店でした。
Taniy_2 Taniy_1

まず、入り口の外にお買い得品のディズニーグッズなどのキャラクターもの、ウルトラマンなどの学習帳が並んだラック、ちょっと珍しいホッチキス(輸入物?)、絵入りはがきのラック、ダンモデルなど。

店は両側の壁が棚で、真ん中に両面陳列用の棚が壁のようになっていて(上はあいている)、細い通路が左右と奥にあるような細長い構造です。

入ったあたりで、店長さんらしき方に声を掛けられてご挨拶しましたが、私だとわかってもらえなかったようなので(どうも、文章とイメージが違ったらしいです^^;)、初めて行った文具店、いつも通り、まずは一周、探検することにしました。

ご贈答品などに使いそうな高級文具は見当たりません(←実はあった)。
レジ台の上にあるボールペンやデスクペン類がドクターグリップなどのやや高価なものだったくらいで、店内のほとんどが普段使う文具です。
紙ものは少なめ、筆記具は多めという印象を受けました。
事務用品の用紙類やキャラクターものが精選されているのかもしれません。

両面陳列棚の片面は、ボールペン、マーカー類、鉛筆、シャープペンシルなどで占められていたように思います。(反対側が、のり、はさみ、、カッター 消しゴムなど)
細い筆記具でその棚が埋まっているのだから、種類も大変豊富で、しかも目につくのは国産メーカーのものばかり。
多色展開のものは、バラ売り、替え芯の横に、かわいいケース入りのセットもと、大きな什器は使っていませんが目をひきます。
こんなに筆記用具に種類があったのか、と改めて思いました。

タニィのホームページの文具辞典にも出ているいろいろな学習帳は、「国語 ○マス○行」などの表示のほか、「○○小学校○年生」などの手書きの表示も付け加わっていました。
気がつくと、店内にはそういう表示があちこちに見られます。
100枚入りの角封筒のところには、「10枚入りは外にあります」。
のし袋のところには「御霊前」は四十九日前、「御仏前」は四十九日後、袋による金額の目安なども。
貼ってはがせるスティック糊にも注意書きがついているし、ボールペンの棚にも「500円以上の商品はレジ台の上です」と書いてあるし。
探す人の立場を考えた親切な情報です。

話題になった、フリクションラインケシポンモノゼロクルトガハイテックCコレトPetit1 などもそろっていて、新製品を試してみたい人の心もつかみます。

かと思えば、吸取紙肥後守(後述)、ボトルインクなどの昔からの文具、マンガ万年筆やつけペンなどの漫画用品、ジャンボサイズとまではいかないけど大きめのレーダーの消しゴム(1000円タイプ?)、エイチ・エスのブック&カードホルダー(これは私が初めて伊東屋or丸善で買った商品の一つ、透明で丈夫なブックカバーです)のいろいろなサイズ、トンボのアクアピットのボールペン型強力タイプ、マーカーもはさめるソニックのスーパーコンパスなど、よく見るごとに、あれ? というものが出てきて、手に持った品物が増える…
通路にあって、まだビニールを開けていなかった秋物のレター関係も出してもらったりして。

これらに、ウルトラマン商店街限定オリジナルの根付を加えて、いったんレジへ持っていく際、ようやく、店長さんと「専務」さんにご挨拶をすることができました。

ごゆっくり落ち着いてしまった私の前で、ステーショナリー タニィは、この後次々と「華麗なる日常」を展開してくれたのでした。

(続く)

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→ 「ステーショナリー タニィの秘密2 会話と推理」 へ続く

→ カテゴリー シリーズ:ステーショナリー タニィ に関連記事をまとめました。

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単色おりがみっていっぱいあるのね その5

同色だけが入った単色おりがみはたくさん同じものを作りたいときに便利ですが、今回は和紙のものを見つけました。

手すき一色民芸和紙(「一色」は「ひといろ」と読みます。)
15cm角(150mm×150mm) 同色10枚入り 210円(私の購入価格)

発売元は、京の象(かたち) という会社です。
20色あるそうですが、私の買ってきたものには色名が書いてありません。

京の象HPには、現在この和紙の単色おりがみは掲載されていないので、まだ新しい製品なのかもしれません。
でも、同HPでネット販売をしているので、近くのお店になかったら問い合わせは可能です。
今まで、和紙の折り紙で同色がたくさん入っているタイプはありましたが、単色タイプは見かけなかったので、これはうれしい商品です。

この会社からはほかにも、

一色折り紙 15cm角 20枚入り (黒 白 茶 紫 藤 青 うす水 桃 緑 黄緑 黄 橙 赤)

一色折り紙 15cm角 14枚入り(金 銀)

一色折り紙 15cm角 10枚入り(カラーホイルの紫 桃 緑 青 赤)

単色折り紙 15cm角 100枚入り

単色折り紙 15cm角 100枚入り 

一色千羽鶴 7.5cm角 100枚入り(桃 緑 黄緑 黄 橙 赤 黒 白 茶 紫 藤 青 水)

一色千羽鶴 7.5cm角 50枚入り(銀 金)

など、普通の単色おりがみもいろいろ出ています。

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【このブログで紹介した単色折り紙の記事】

→ 単色おりがみって いっぱいあるのね その1 (トーヨー、クラサワ、アイアイカラー、中村紙工、ダイヨ、プリントカラー、オキナの製品)

→ 単色おりがみって いっぱいあるのね その2 (トーヨー製品の追加)

→ 単色おりがみって いっぱいあるのね その3 (ぺんてる)

→ 単色おりがみって いっぱいあるのね その4  (協和紙工)

これ以降の単色おりがみの記事は、

→ カテゴリー 折り紙(紙そのもの)単色・同色 へ

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けふこの予告編

先日、21世紀歌舞伎組の「新・水滸伝」を観に行った折、ステーショナリー・タニィを訪問してきました。
昔の加圧式ボールペン「ノンボテ」の調査に、鮮やかな回答をくださった文具店ステーショナリー・タニィの店長さんと「専務」さん、その実態は!?
当日、私の目の前で繰り広げられた、たくさんの小事件をレポートします(何回続きになるか未定です)。

浅草橋にも行きましたので、お気に入りスポットのその後なども書きたいと思います。
(残念ながら、金魚ひもは見つかりませんでした。紐の問屋さん5軒くらいとビーズのパーツのお店なんかでも聞いたんですけど。紐の問屋さんで、1軒だけ「オパールヤーン」という商品名をご存じでした。)

書きたいことがたくさんあって、なかなかまとまらないのですが、ぼちぼち書いていこうと思います。

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栗の折り方

時々「栗の折り方」でここに見える人がいるので、簡単な栗の折り紙を考えてみました。

「つる」の途中から、「かご(いれもの)」を作るつもりで、最後だけ折り方を変えます。

【栗の折り方】

1 つるの基本形を折る
Photo

つるの基本は、四角からでも三角からでもできますのでお好みで。

2 「かご(いれもの)」を途中まで折る。

つるの基本の、紙が開く側がとがるように両側を折り、それぞれの三角を開いてつぶし、さらに裏側に折り込みます。
このまま上部を折って開けば「かご」になりますが、栗は開かずに上下をひっくり返します。
Photo_2

3 ひっくり返した先端の白い部分を巻き込むようにして折りあげ、富士山型の先を茶色の紙の折り目にひっかけて折り込みます。

4 4面同じようにすると栗らしくなります。

008_2

私は掲示用に和紙のおりがみを使いましたが、これは両面が茶色なので、茶色と白っぽい色を2枚重ねて折りました。
折り目がかさばって開くときは、のりやホッチキスで開かないようにとめます。

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朝顔の葉の折り方

おりがみで、朝顔の花の折り方は、簡単なものなら伝統折りのアジサイの花を折って、まわりを切るなり折るなりして丸くすればできます。(→伝統的あじさいの折り方はこちらへ)
カードなど、平面的なものに使う時は、このほうがむいていそうです。

でも、最近の創作おりがみでは、かなり写実的で立体的なものが多いです。
二つ折りだけでなく三つ折りなどを使い、さらにそれを折り重ねたり広げたり折り直したりと、今、私はどこの部分を作っているんだろうというくらい。
でも、折りあがったときのうれしさはひとしおです。

せっかくできたので飾ろうと思ったときに、ネックになるのが葉です。
朝顔の葉っぱの折り方が出ている本もあるのですが、葉っぱのほうが枚数が多いので、もっと簡単で葉っぱに見える折り方はないものか、と考えたのがこれ。

                               Photo                      

 【 かんたんな朝顔の葉の折り方】

1 裏向きに置いて、十字に谷に折る。

2 折りすじに合わせて、下の小さな正方形2つを三角に折り合わす。

3 中央の縦の折りすじに合わせて、両側から谷折りにする。

4 青線の位置に、ななめに折りすじを入れる。

5 上の紙を開いて、「にそうぶね」を作る時のように屋根型に開く。

6 きちんと折り重ねたら、葉全体を折る。たて中心の折りすじを谷折り、上部の赤い線を山折りにする。

7 できあがり。

これは半立体になっていますが、つぶせばそのまま平面になります。
半立体を保ちたい場合は、上中央の部分の紙を重ねてちょっと糊をつけるか、裏からホッチキスでとめるかすると安定します。

とても簡単ですが、花を真面目に折ってあれば、それらしく見えます。
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花は、真ん中を白くしたかったら、ハーモニーおりがみ がぴったりで、斑入りにしたい場合は水彩おりがみ水玉などが向いています。
(→ ハーモニーおりがみの記事へ)
(→ 水彩おりがみ水玉 の記事へ)

つるは、リサイクル古紙などをしばる白の紙ひもを使いました。

【朝顔のつるの作り方】

1 紙ひもを適当な長さに切って外側をポスカのきみどり(私はエメラルドグリーンだと思っている)で色づけする。

2 紙ひもの先端を少しほどいて、そこから小さな葉が生えてるような形にひもの紙をちぎり(ひもを全部ちぎってしまわないように注意)、その葉を出して残りのひもをよりなおす。

3 葉っぱやつるの白すぎる部分をまたポスカで塗る。

4 ひもを指などに巻いて巻きぐせをつけてから、自分の好きな配置で透明テープなどで壁にとめる。

つるをしっかり巻きたい人は手芸用の針金などがいいと思いますが、紙ひもは適度にだらんとするのでなかなかいいと思います。
ポスカの色あいもぴったりですが、もちろん、大量のつるが必要な場合は、ポスカではなく絵の具系をおすすめします。

【写真の朝顔の折り方が出ている本】

・青と水色の縞と、水玉の斑入りの朝顔

素敵な実用折り紙―暮らし、はなやかに。 (実用BEST BOOKS)
もっと凝った葉の折り方も出ています。創作タイプの季節の折り紙のほか、折り手紙、ギフトケース、ぽち袋なども。この本のアジサイは1個ずつ花を折るタイプですが、見本通り、TANTタント12カラーペーパー 青系(トーヨー)で折ると素敵です。

・中心に星型の入った青と、紫の朝顔

贈る・飾る・楽しむ 実用折り紙 四季を彩る素敵な小物
季節の花のほか、パッケージやギフトボックス、ユニット折り紙、テーブル上の箸置きなど多種。花は最後にワイヤーを使って組み立てるものが多い。

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その10 三菱鉛筆の社史より

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その9 かつ消え、かつ結びて」の続きです。)

『時代を書きすすむ 三菱鉛筆100年』(三菱鉛筆株式会社 昭和61(1986)年) という、三菱鉛筆の社史を入手することができました。

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その年表の中に、以下のような記述がありました。

1979(昭和54年) 10月 ペーパーメイト「ケルボ」販売提携。
1980(昭和55年) 差別化商品相次いで発売   消せるボールペン「ケルボ」発売(2/15)
(『同書』 P.222 年表より 抜粋)

販売提携とは、ペーパーメイトの「イレーサーメイト」を日本で三菱鉛筆が「ケルボ」という名前で販売する契約ということだと思います。(ノウハウを得て国産化する場合は「国産化契約」というようです。例:スティック糊の「ウフ」 同書 P139)
記事「その8に挙げたケルボの広告がのった雑誌も1980年のもので、矛盾はありません。
これで、ケルボの発売時期や製造元は確定したと言ってよいでしょう。

「エアペン」(ノンボテ)に関する記述はどうでしょうか。
まず、意外なところにありました。

 特殊な筆記具としてはプリンターペンがある。加圧ボールペンとしてノンボテGL-100があるが、超高速のコンピュータで出力される数値データを図形やグラフに処理するプロッターの記録用加圧ボールペンとして、超高速、超連続筆記に耐える機構と特殊インクを開発し、加圧ボールペンを完成したのは57年12月である。筆記性能のほかに形状や寸法精度にも高度の機械的性能が必要であり、これまで市場をほぼ独占していたアメリカ製をおさえ、多くのプロッターメーカーに採用された。いまや、パーソナルプロッター用のスタンダード製品と呼ばれるようになり、その開発技術がボール径2種、色も12色を揃えた超高速プロッター用加圧ボールペンにつながり、世評を高めた。

『同書』 第三章躍進 3 横浜事業所の充実 ●研究・開発の成果 P162より

ノンボテが出てくるのは、「プロッター用加圧ボールペン」の説明のためにちょこっと顔を出す程度です。
シェアを奪い取る功績を挙げたプロッター用ボールペンの説明に比べると、とてもシンプルですが、ここで注目すべきは、「ノンボテ」=「GL-100」であることです。

記事「その3」で調査したように、「ノンボテ」は「エアペン」の愛称だったはずですが(エアペンの軸に「nonボテ」と印字してあった)、ここでは「GL-100」、つまり「スペースラブ」を指しているのです。
スペースラブにも「ノンボテ」という名称が印刷してあったかはわかりませんが(スペースラブと言う名前で認識されていました。画像では印字が読めませんでした)、少なくとも社内では加圧式ボールペン類が「ノンボテ」と呼ばれていた可能性があります。
正式名称「エアペン」「スペースラブ」を押しのけて、社史にさりげなく載ってしまった「ノンボテ」という名は、社内の人にも愛されていたのかもしれません。
また、このプロッター用加圧ボールペンの技術も、パワータンクに受け継がれているのかもしれず、興味は尽きません。

エアペン(ノンボテ)に関する記述は、以下の文章だけのようです。

1971(昭和46年) 創業85年記念行事として帝国ホテルに得意先を招待し新製品発表会を行う。(エアペン、ユニカラー、ユニプリント)

『同書』P220 年表より抜粋

日本初の加圧式であるとか、上向き筆記ができるとか、開発が大変だったとか、そういうことは何も書いてありません。「まっくろけのけ」の純黒や、水性ボールペンユニボールのようにヒットしなかったため、この製品は社史においてもほとんど語られていません。
エアペン発表の1971年 も、「その3」ステーショナリー タニィの調査と一致しました。)

でも、次の三菱鉛筆の社史には、これらの製品が文章として紹介されるかもしれないな、と思います。
なぜなら、加圧式ボールペンの開発努力は、21世紀に入ってから、ヒット商品パワータンクとして花開いたからです。
パワータンクの開発を語ろうと思えば、これらの先行商品は無視できない存在でしょう。
先人の意欲や失敗や努力という土台があってこそ、新しいものはその上に築かれるのです。
成功したものに目を向けるのは当然ですが、そこまでにあった努力を今回垣間見ただけでも、大変興味深いものでした。

社史の最後の方の見開きのカラーページに、当時の「現行商品」と思われる製品がずらっと並んでいました。
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その中に、「SPACELAB GL-100 宇宙でも使えるボールペン」と、金銀の「メタボ」が混じっていました。
解説もなく、それと知って探さなければ見つからないつつましい姿でした。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

1本の知らないボールペンから始まった楽しい調べものの旅、ここで一旦しめたいと思います。
また新たなことがわかりましたら、追記、訂正などをしていきたいと思います。
協力してくださったみなさま、読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
補足、訂正をしてくださる方は、随時歓迎です(^^) 
ご感想もいただけるととてもうれしいです(^^)
どうぞよろしくお願いいたします。

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→ このシリーズを「その1」から読んでくださる方は こちら へ

実はまだ続いてしまいました 続きは

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その11 ケルボⅡの広告より へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その9 かつ消え、かつ結びて

『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫 の続きです。)

消せるボールペン ケルボ への最初の不満は、「普通のボールペンの書き味ではない(ねばねばする ぼそぼそする など)」「思ったよりきれいに消えない」であったように思います。

その後、「書類を改竄するのに使用された」などの問題点が出てきました。

ボールペンにもいろいろな種類がありますが、通常「消せない」ことを前提に使用するものです。
個人的な使用なら「消せる」ことは便利な性質ですが、書き直されては困る文書に使われてしまったら、問題が起こるのは当然のことです。

ケルボが日本で比較的早く姿を消したのは、そのあたりも原因であったかもしれません。

その後、20年ほどたってから、パイロットから、消しゴムで消せるゲルインキボールペン G-inkが発売されます。
このときは、ケルボのことをすでに知らない人も多く、かなりブームになったようですが、「消さなくても消えてしまう時がある」などの欠点があり、インクを改良して e-GEL が発売されていますが、やはり、「悪用される」などの問題点が出ました。

消せるボールペンは、生まれては消え、消えては生まれを繰り返す商品のように思います。

消せるボールペンがあったら便利だ → 【開発・販売】 → 普通のボールペンの使い心地ではない → (買わなくなる) → 悪用する者も出てくる → 【販売終了】 → (市場になくなる) → ボールペンで書いたものは消せなくて不自由だ → (最初に戻る)

ボールペンに限らず、道具は開発者の意図しなかった使われ方をするものです。
すべての人が良識ある人というわけではありません。
悪意を持って使用する人が出てくれば、便利な道具であっても使用中止やむなしということもあります。

現在は、摩擦熱で消せるボールペン フリクションボールがヒットしていますが、この命運はどうなるでしょうか。
消せるボールペンが悪用されにくいためには、芯が抜けないような使いきりタイプで替え芯は作らない、見た目ですぐに区別のつくような特化した外見などが必要だと思いますが、そのような配慮はないようです。
ケルボとその子孫はまだ「時間がたつと消せなくなる」という性質があり、これが存続できた理由になっていると思いますが、きれいに消せるフリクションボールは大丈夫でしょうか。

すべての人に良識を求めるのではなく、悪意で使おうとしてもできない工夫をすることが、これからの製品に必要な視点だと思います。
お札をコピーしようとすると真っ黒に印刷されたり止まったりするコピー機、はがすと「開封済」の文字が残るテープなども、悪用や悪意の対策のために生まれたものだと思います。
もちろん、それをかいくぐって悪用する人はいるでしょうが、簡単にはできないという対策があるだけで、問題の発生は減ります。

消せるボールペンたちが問題ある商品として再び消えるのか、それとも便利な文具として発展していけるのかは、これからの対策にかかってくるように思います。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、ケルボの子孫 イレーサー・ドット・マックスはどのくらい性能がよくなったのか、私も使ってみたいと思いました。

近所ではペーパーメイトの製品を扱っている店がないので、ネットショップで調べてみましたが、なぜかどこも品薄状態、特に黒字はほぼ品切れといっていいありさまでした。
けっこう使用者の評判がいい商品なのに変だなと思ったら、ペーパーメイトのネット商品カタログにこんな記述がありました。

ペーパーメイトリプレイマックス

感性を大切にするブランド ペーパーメイトから書き直し自由自在のボールペンが登場します。時間が経てばインクが定着するので、数年後の自分へ、家族へ、友人へ伝えたい“心からの言葉を”コミュニケーションしていくボールペンです。

そして、イレーザー・ドット・マックスは出てこない。
どうも、イレーザー・ドット・マックスは生産中止になり、このリプレイマックスが後継者になるようですね。
今度は、色も「ブラック、レッド、パープル、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルー、ターコイズ」の8色展開になりますが、イレーザー・ドット・マックスを愛用していた人たちはどちらが気に入るでしょうか。
(モルBさんの愛用品が廃番! の悲劇はまた繰り返されたのでした。)

最後に、今までの記事の補足です。 (続く) 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

☆追記☆ ペーパーメイト リプレイマックスの情報

クボタ文具店のHPの記事消せるボールペン(国内の同様製品とは大きな違いがあります)に、リプレイマックスの使用感や、イレーザードットマックスとの違いなどが詳しく説明されています。
以前からイレーザードットマックスを愛していたお店らしく、これらは「逸品文房具」に分類され、大変力の入った推薦文になっています。
イレーザードットマックスを消しゴムで実際に消し、何日目にはこうなっているという写真一覧を見ると、消しにくくなる様子が一目でわかります。
遠からず、これがリプレイマックスの消し具合の写真と入れ替わると思われ、更新が楽しみです。
リアル店舗もあり、通販もしてもらえます。

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その10 三菱鉛筆の社史より へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その8 ケルボの子孫

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方」 の続きです)

ケルボは、ネットで断片的に名前が出てくるので、情報を拾ってまとめてみることにしました。

まず、ザットユーロビートさんのブログ「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」に、貴重な「ケルボ発売」の広告の画像が出ていました。
雑誌「明星」の1980年のもので、「米国製」「ペーパーメイト」「消せるボールペン ケルボ」とあります。
商品は台紙つきのパッケージで売られており、台紙にケルボの名称や説明があり、本体画像には軸に文字が写っていないので、本体はイレイサーメイトそのものの可能性が高いです。

ゴローも、消した。
ふつうの消しゴムで消せる唯一のボールペン、ケルボ

間違いだらけのラブレターなんて……。ケルボを知らなかったのね。ケルボなら、書くときはふつうのボールペンだけど、HBの鉛筆で書いたものと同じくらいカンタンに消せるの。試験でも、レポートでも、もちろんラブレターだって、もう間違いはふつうの消しゴムでOKよ。
ケルボは、アメリカの一流ブランド、ペーパー メイトが開発した、革命的なボールペン。特殊なインクを使っているので、間違えても消せるのです。ただし、一定の期間がすぎれば、インクは定着して消せなくなります。全国のデパート、有名文房具店等でお求めください。ペーパー メイト パワーポイント ボールペン シリーズも同時新発売。ケルボとは違うふつうのインクのボールペンで、360°上向きでもなめらかに書ける、独特の機構を持つ高品質の製品です。

価格 500円 / 軸色 黒 青 赤 / 替芯 350円 / 米国製

違う加圧式ボールペンがまた出ていますが、それは今回はおいておくことにします(汗)。

また、Yumiko Yamaguchi さんの 「日々の雑貨」 2002/04/19消せるボールペンの記事の中には、「Erasermax」「Eraser Mate」についての興味深い記述があります。
(D-ink は2001年に発売されたパイロットの「消せるゲルインキボールペンです。)

(前略 D-inkと)もう1種、愛用しているのが、PAPERMATEの「Erasermax」。「D-ink」のような色とりどりの華やかさはなくて、黒のボディでキャップの先に専用消しゴムがついています。一般の消しゴムでも消せます。専用の方がよく消えるような気がしますが。ただし消せるのは書いてすぐ、24時間立つと定着するそうです(実際には1日経っても消せました)。書き心地はこちらのほうがワタシは好き。インクが出過ぎず、長もちします。最初に買った時は黒1色しかなく、しばらくして、赤も売っていることに気付き、ついこのあいだ別の店で青も見つけました。こっちの赤はインクの色もマット系です。「D-ink」の赤は金赤(ブライト系)。ところで、もう1種類、2、3年前に、買ったのかもらったのか、抽き出しから出てきた消しゴム付きのボールペン、ほんとに消せるのにいまごろ気が付いた!のです。「うそやろ」と思って試していなかったのです。ジョークで消しゴムがついていると思ってた。だとするとずいぶん前に「消せるボールペン」があったということになりますよね。このボールペン、「Eraser Mate」って書いてあります。インクは「Erasermax」タイプで、消しゴムがそっくり、前身かもしれません。 (後略)

ここから、ペーパーメイトの消しゴムで消せるボールペンの変遷がわかります。
(この方はケルボをご存じなかったようで、20世紀には消せるボールペンがなかったとおっしゃっていますが、実はあったわけです。)
つまり、イレーサーメイト(日本名ケルボ)  イレーサードットマックス となるわけで、イレーサードットマックスは、ケルボの子孫、ということになります。

それが、日本でどう流通していたかは、掲示板のログからうかがい知ることができました。(過去ログのためうまくリンクが貼れません。元の全文は検索で探してください。)

「PILOTの「消しゴムで消せる」“D-ink”ってどうよ? 」(2001年~の過去ログ) より

27 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/17 22:47
消せるボールペンだったら
ソニプラに売ってある製品が優秀

29 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/18 02:11
>>27
もしよかったら商品名教えてください。
消せるボールペンってすごく便利なんだけど
買ったら色が薄くて失敗でした。
昔買った指で消せる蛍光ペンはあたりだったけど。

30 名前: 27 投稿日: 01/10/18 09:34
>>29
eraser.max MED って印字されています。
また別の箇所にPAPER♥MATEと印字してあります。
色は、赤・青・黒がありましたよ。

42 名前: 投稿日: 01/11/23 12:59
30>サンフォードジャパンから出ている定価200円の物です
D-inkより50円高いけどこちらのほうがいいみたい

44 名前: ななしさん 投稿日: 01/11/30 02:05
20年前に、消しゴムで消せるボールペン使ったこと有るよ。
普通のボールペンより、べとっとした感じのインクでしたが、全然流行らないまま
消えてました。

47 名前: おかいものさん 投稿日: 02/01/08 00:27
ソニプラのerasermax買ってみました。
D-inkとちがって
本物のボールペンみたい。
しかもちゃんと消える。感動しました。
ただ消しゴムがついていないと消せるペンって
だれも気付かないんじゃ?

8 名前: ななし 投稿日: 02/02/19 04:42
20年前の「ケルボ」と比べてどうですか?

2 名前: おかいものさん 投稿日: 02/04/12 21:50
>>58
ケルボ!そういやそんな名前だった…

2001~02年当時は、イレーサードットマックス輸入文房具として、ソニープラザなどのごく限られた場でのみ売られていて、「消しゴムで消せ時間がたつと定着する」という性質はそのままながら、使った人から高く評価される性能になっていることがうかがえます。

サンフォードジャパンは、ペーパーメイトを含む複数の海外文房具会社のグループのようで、ペーパーメイトの製品がここの製品として扱われていることもあるようです。(→詳しくは サンフォードジャパンのHP へ。会社組織は全然わからないのですみません。)

また、「ケルボゼブラの製品」という情報もネットではいくつか見つかりました。
しかし、別の本『文房具の研究 心ときめく世界の文房具』(中央公論社 別冊暮しの設計6 1981年)のケルボの紹介文でも、

ケルボ。消しゴムできえる三菱ボールペン。500円(伊東屋)

とあるので、複数の本がそうそう会社名を間違えることもないと思われ、三菱が扱ったものと考えてよいと思います。

また、『アメリカ文具図鑑』(梅沢庄亮 立風書房マンボウブックス 1982年)には、ケルボⅡが紹介されています。

ケルボⅡ(KB1200)
ふつうの消しゴムでも簡単に消せる特殊ボールペンのひとつ。ボディのプラスチック部を片手でもち、もう一方の手で金属部を右にひねると、ペン先と消しゴムが同時に出てくるのがおもしろい。
とかく書き換えが多い電話番号簿や住所録に、これを使うと、ひじょうに役立つ。ただし、時間の経過とともに描線が定着し、消えにくくなるのも確かである。また、容易に消せるため、公文書等には使うことができないから要注意。太さは、ミディアム・ポイント(1ミリ)、インクは黒。替え芯内部でインクに圧力がかかっているので、ペン先をどんな角度に向けても書けるのも特徴のひとつである(ペーパーメイト)。

ケルボのインクは24時間で定着が売りなのに、住所録にすすめるのはどうかと思ったりしますが、ここにもペーパーメイトの名前がありますので、ケルボⅡも国産ではなさそうだと見当がつきます。

今回の情報を加えて、前回の表を修正すると以下のようになります。

修正版 ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1980年 日本で「ケルボ」の愛称で「イレーサーメイト」が販売される。
     (ペーパーメイト製品として、三菱鉛筆?が販売)

1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。(※追記参照)

1985年頃まで 「ケルボ」「ケルボⅡ」並行で日本の文具店で売られる。

1986年 「ケルボ(イレーサーメイト)」一般文具店から姿を消す

2000年頃まで? ペーパーメイトの「イレーサーメイト」
                       輸入品店などで細々と売られ、その間に改良が進む。

2001年までに ペーパーメイトの「イレーサードットマックス」発売される

今後もまだ訂正、補足が出てくるとは思いますが、「ペーパーメイトは日本での評判にかかわらず、ずっと、消しゴムで消えるボールペンを作り、改良を重ねていた」ということがわかりました。

しかし、日本では「ケルボ」として売られなくなってから、しばらく「消しゴムで消せるボールペン」は一般文具店では見ることができず、限られた人が輸入品店などで見つけて愛用する品となったのです。

 
このため、2001年の「消せるゲルインキボールペン」D-ink が出たときには、ケルボのことを知らない人も多く、「消せるボールペン」はブームになり、また、問題もおこしたのでした。 (続く)

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その9 かつ消え、かつ結びて へ

※追記

広告資料が見つかったため、年表中の「1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。」は、「1981年までに」となることがわかりました。

詳しくは、
→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その11 ケルボⅡの広告より へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力」の続きです)

私のリンク先のモルBさんのブログモ印良品に、先日、書き直しができる油性ボールペンという記事が書かれました。

そのボールペンの名前は「イレーザー・ドット・マックス」
モルBさんの愛用品の一つとして紹介されていました。

実はこのペン、油性でありながら普通の消しゴムで消せるということの他に、時間がたつと今度は一転して消せなくなるという性能を持っています。

これって、昔の 消しゴムで消せるボールペンケルボそっくりの性質だなあと思って、コメントを書きました。(ついでにこのシリーズの予告も…)

その後、ノンボテの記事を書き始めて、記事「その3」の資料の本をいろいろ探しているときに、ケルボの会社名がペーパーメイトなのに気づきました。
あれ? ケルボって国産じゃなかったっけ? と別の本を見たら今度はケルボⅡの会社名が三菱になっています。

で、先のモルBさんのブログに戻ってみたら、そこには「ペーパーメイトのイレイザー・ドット・マックス」と確かに書いてあります。

どうも、ペーパーメイトが絡むところに「消しゴムで消せて、時間がたつと消せなくなるボールペン」があるようだなと思いました。

探してみると、1984年の『文房具図鑑』(ステレオサウンド)には、次のような記事がありました。

特許訴訟まで起こし業界ではもちろんのことニューヨーク・タイムズまでも取上げた消しゴムで消せるボールペンは、そもそもの発明者ペーパーメイト社によって着実にぼくたちの机の上に顔を出し始めている。
アメリカではボールペンのインクの色は何と言ってもブルーで、次にと言えばレッドということになるだろう。イレーサーメイトもついにレッドを発表した。スティックペン(鉛筆のような形のペン)タイプをイレーサーメイト2と呼んでいるが、それのレッドがやっと発売され始めた。書き味はブルーのものに比べると特長でもあるネバッコさが無いようである。

(P18 「市浦 潤氏のコレクションから」 より)

…やはり、消しゴムで消せるボールペンの元祖ペーパーメイトのようです。
ここに出てくるボールペンの名前は イレーサーメイト イレーサーメイト2 です。

同じ本に取り上げられている同じ性質のケルボペーパーメイトの品。
たぶん、日本向けに売り出すにあたり、愛称を「~ボ」族のケルボにしたのでしょう。
画像がはっきりしないので、軸に「ケルボ」と書いてあるかは不明です。
ひょっとしたら、「ケルボ」とはパッケージだけに印刷してあって、本体は「イレーサーメイト」だったのかもしれません。

その翌年1985年のケルボⅡ三菱の名がつくのは、推測ですが、三菱鉛筆が輸入代理店のような扱いをしたのではと思います。(独自開発をしたにしては、その系統の製品がないようなので。)

しかし、ケルボは話題になりましたが定番化せず、しばらく「消せるボールペン」は一般文具店から姿を消したようです。

1986年発行『文房具 知識と使いこなし』(市浦潤 新潮文庫)に、イレーサーメイトの説明がありますが(先の文章と同じ著者ですね)

「24時間以内なら、キャップに付いた消しゴムで消すことができる。*」

と、がついています。
*がついている商品はあまりないので、解説を見たら、

本書に掲載した商品は、*印を付したアンティーク、輸入品を除いて、原則として銀座伊東屋、池袋西武、札幌大丸藤井で入手することができます。

…ということは、イレーサーメイトは伊東屋でも買えない輸入品になっていたということ?
ケルボが買えたのなら、紹介が出ていてもよさそうですから。

【ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1984年までに  ペーパーメイトの「ケルボ」日本で販売はじまる

1985年 三菱から「ケルボⅡ」販売(輸入品?)

1986年 「イレーサーメイト」一般文具店から姿を消す

この通りだとしたら、ケルボが一般市場にあった時間はとても短いことになります。
追記: その8にて、修正年表をのせていますので比べてみてください。)

しかし、この「消しゴムで消えるボールペン(インク)」は、絶えてしまったわけではなかったのです。 (続く)

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→ ペーパーメイト(PAPER MATE) BRAND CONCEPT (社の沿革が簡単にまとまっています。)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫 へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その5 プロの記憶とレファレンス」の続きです)

現在、三菱鉛筆の加圧式ボールペンとして定評のあるパワータンクは、いろいろな方面から評価され、指名買い、定番買いの対象になっています。
パワータンクの発売年は2001年。21世紀生まれです。

しかし、今回、この製品が突然2001年に出現したわけではないことがよくわかりました。

【三菱鉛筆の加圧式ボールペンの変遷】(今回わかった範囲)

1971年 エアペン(NONボテ)使い捨てタイプ 60円

1974年 エアペン(NONボテ)ステンレスチップタイプ 150円

 (この後、使い捨てでないタイプも売られた模様)

1982年 スペースラブ 書き捨てタイプ 100円(以後10年以上売られる)

1985年までに  メタボ(金銀インク) 書き捨てタイプ 200円

2001年 パワータンク 

2002年 パワータンクスタンダード(プラスチックリフィル) 200円

スペースラブが10年以上売られていることから、おそらく、パワータンクスペースラブの後継として開発されたのだと思います。

一貫しているのは、「高級品ではなく普及価格帯の商品」であることです。
フィッシャー社のスペースペンは、私が調べた範囲でもその頃は安くても千円前後、むしろ、軸のデザインや素材で高級化し、輸入品であったにせよ、簡単に手の出ない価格帯になっていました。

千円で売っているものと同じような機能のものを100円やそこらで作る…ある意味無謀ともいえるプロジェクトです。
誰がどういう号令をかけ、開発に励んだのでしょうか。
でも、この商品群を見る限りでは、三菱鉛筆はあくまでその路線で加圧式ボールペンを開発し続けたようです。

フィッシャー社のスペースペンの芯は金属ですが、三菱鉛筆はエアペンの時から、プラスチック軸、またはプラスチック芯で作っています。
おそらく、加圧には金属のほうが向いているのでしょうが、普及価格にするならプラスチックでなくてはならなかったでしょう。
しかし、問題点も多々あったはずです。
(注: 最初のパワータンクは金属軸リフィルのものであったようで、これは現在も1本1000円、替え芯300円のタイプとして存在しています。プラスチックのものも加圧は変わらず3気圧です。プラスチックリフィルのものは、翌年2002年10月に発売されています。(→三菱鉛筆の「商品情報」へ)

エアペン(ノンボテ)の最初のカタログ紹介には、

新しい第三の筆記具と言っても決して言い過ぎではありません。

とありました。

でも、実際は、名前に反してボテが出ていたわけです。
1970年代は、いろいろな商品が開発途上で、「これで○○はもうOK」の夢の機械のような広告でものが次々発売され、「暮しの手帖」にテストされては「この愚劣な商品」「買うべきではない」とこっぴどく叱られていた時代ですから、誇大広告というのもちょっと気の毒な気がします。

従来品よりかなり良くても、「ノンボテという名前なのにボテが出る」と、消費者は満足しなかったのでしょう。
廉価な普段使いのものであっても、世に出てしまえば、「この値段で出しているのだから納得」とはなかなか思ってもらえません。
でも、三菱鉛筆は、加圧式をあきらめず、その路線で改良を続けたのでしょう。

後発の「スペースラブ」はかなり改良されたようで、「どんな上向き筆記も可能」に加え、「光学文字読取装置に最適」の新開発インクが使用されています。

この商品に思い入れのあった方もいるようで、文房具屋さんドットコムみんなの声コエこえ お気に入りの筆記具編の平成12年12月のアンケート結果には、

◆浮気もせずに使っていたが、製造中止に
 三菱ボールペンスペースラブ。浮気もせず、ずっと使い続けてきたのに、製造中止となりました。メーカーに問い合わせても無いし、あちこちの店に売れ残ってないかも確認しましたが、残念ながらありません。愛知県・パート・女・47歳

という、製造中止を惜しむ声もありました。
この翌年にパワータンクが登場するので、スペースラブは製造中止になったわけですね。この方はパワータンクに満足されたでしょうか?

パワータンクは現在、アウトドアの作業、濡れる場所、寒冷地などの条件の悪いところでも書けるボールペンとして広く使われるようになりました。
コンビニの文具棚の商品の中に、少々高くてもパワータンクが置いてあるのは、性能を愛して買っていく人たちがいるからでしょう。
個人であちこちに置いておくこともでき、いろいろな人がその便利さを味わえる状態になっています。

でも、それは、三菱鉛筆が「日常使える文具」としての開発努力をしてくれたからです。

文房具の中には、持っているだけで満足できるような、手のかかった高級品もたくさんあります。
でも、それだけが文房具のすべてではありません。
むしろ、普通の人が普段に使う文具が世の中には一番流通していて、それが高性能でストレスなく使えることが大事ではないでしょうか。
そこに力を注いでくれた三菱鉛筆は素晴らしい、と、今回とても思いました。

さて、ノンボテと並行して調べていたケルボはどうなったでしょうか? (続く)

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方 へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その5 プロの記憶とレファレンス

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その4 ステーショナリー タニィによる調査」の続きです)

ステーショナリー タニィの店長さんである谷泉さんは、学生時代に「はなや文具店」というお店でアルバイトをしていたそうです。
アルバイトといえども、お休みは週一のみ。それゆえ、担当商品が決められていて、谷泉さんの担当は熨斗袋と筆記具で、その商品の品出しを毎日していらしたそうです。

私が「ノンボテ」の質問をしたときに、ご自分がアルバイトに入った頃には見かけなかった商品だからと、はなや文具店の「専務」をしていらした方に聞いたら(「専務」と「 」がついているのは当時のものだからです)、「三菱の商品だ」というお返事で、そこから三菱のお客様相談室に問い合わせてくださったのでした。

そのときも、受け付けの女性は初め「ノンボテという商品はありませんが、エアペンという品名のものはありました」だったのが、エアペンの商品画像を見て初めてそこに「NONボテ」という名前が印刷してあることに気づいた、ということです。

このことから「ノンボテ」にたどりつくまでには、いくつかの条件があることがわかります。

1 およその商品発売時期がわかる

谷泉さんは、自分がバイトをしていた時期には三菱の加圧式ボールペン「スペースラブ」を売ったという記憶をお持ちでした。
「ノンボテ」はその時期になかったものだから、それ以前のものだろうと見当がついています。

2 知っていそうな人がわかる

谷泉さんは、それなら「専務」さんがご存じだろうと考えて質問します。
「専務」さんは、この道40年近くの生き字引のような方だそうです。

3 会社名がわかる

「専務」さんは、「加圧式ボールペン ノンボテ」だけで、「三菱の製品」だとおわかりでした。

4 適切な質問を製造会社にできる

会社に聞けばわかるのが当たり前だと思われそうですが、「お客様相談室」に聞けば必ず望んだ回答がくるわけではないことを私は知っています。

何でもそうですが、「回答」は、相手の知りたいレベルに合わせてなされるものです。
小学生に専門用語を駆使する回答はしませんし、専門用語で質問してくる人に通りいっぺんの回答もできません。

私はある文具会社に質問をして、一応、納得のいく回答を得ました。
しかし、カタログの写真に説明と矛盾するものがあり、これはどういうことなのかと重ねて質問をしたら、担当の方から電話がかかってきて、こういう理由であるから、と、もっと詳しい説明を聞くことができました。
質問する側に予備知識があるのとないのとでは、得られる回答が全然変わってきます。

私が三菱鉛筆に質問をした場合、ノンボテの発売時期や会社名があいまいであるために、「エアペンの愛称」までたどりつかなかったのではないかと思います。
「お探しの商品は、残念ながら当社の商品には見当たりませんでした。」となった可能性もあります。

まして、この場合、担当者は初め、ノンボテが見つからなかったのです。
おそらく、その人が入社前の古い商品名に精通することなど無理な要求です。
しかし、そこに「この時期、貴社から確かに出ていた製品です」というはっきりした情報があればこそ、「ノンボテ」までたどりつくことができたのだろうと思います。

ステーショナリータニィの店長さんと「専務」さんは、ご自分たちが扱っていた文具のことをよく覚えておいででした。
次から次へと新製品が出る中、消えていったものも、その性能や評判も。
そこには、扱う商品をよく知り、記憶し、誠実に向き合うプロの姿がありました。

「専務」さんは、「文具店は、商品だけでなく、(文具の)知識を売る」というのが口癖で、アルバイトにも、見本市、展示会にはできるだけ参加できるようにして下さったそうです。
(余談ですが、コピー資料を送ってくださった封筒の文字にはびっくりしました。筆文字です~^^ 自分の住所や名前が別物のように美しく思えました。)
ステーショナリータニィにも毎日顔を出していらっしゃるようです。

今回、「ノンボテ」を調べることで、文具を愛するプロの人たちがいるお店に出会えたことは、私にとって大きな喜びでした。
ステーショナリー タニィの店長さん、「専務」さん、私のはずみのような質問に、たくさんのお時間を割いて、こんなに詳しく回答してくださってどうもありがとうございました。

それから、三菱鉛筆の地道な努力を知ることができたことも今回の収穫です。 (続く)

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力 へ

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