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 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その9 かつ消え、かつ結びて

『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫 の続きです。)

消せるボールペン ケルボ への最初の不満は、「普通のボールペンの書き味ではない(ねばねばする ぼそぼそする など)」「思ったよりきれいに消えない」であったように思います。

その後、「書類を改竄するのに使用された」などの問題点が出てきました。

ボールペンにもいろいろな種類がありますが、通常「消せない」ことを前提に使用するものです。
個人的な使用なら「消せる」ことは便利な性質ですが、書き直されては困る文書に使われてしまったら、問題が起こるのは当然のことです。

ケルボが日本で比較的早く姿を消したのは、そのあたりも原因であったかもしれません。

その後、20年ほどたってから、パイロットから、消しゴムで消せるゲルインキボールペン G-inkが発売されます。
このときは、ケルボのことをすでに知らない人も多く、かなりブームになったようですが、「消さなくても消えてしまう時がある」などの欠点があり、インクを改良して e-GEL が発売されていますが、やはり、「悪用される」などの問題点が出ました。

消せるボールペンは、生まれては消え、消えては生まれを繰り返す商品のように思います。

消せるボールペンがあったら便利だ → 【開発・販売】 → 普通のボールペンの使い心地ではない → (買わなくなる) → 悪用する者も出てくる → 【販売終了】 → (市場になくなる) → ボールペンで書いたものは消せなくて不自由だ → (最初に戻る)

ボールペンに限らず、道具は開発者の意図しなかった使われ方をするものです。
すべての人が良識ある人というわけではありません。
悪意を持って使用する人が出てくれば、便利な道具であっても使用中止やむなしということもあります。

現在は、摩擦熱で消せるボールペン フリクションボールがヒットしていますが、この命運はどうなるでしょうか。
消せるボールペンが悪用されにくいためには、芯が抜けないような使いきりタイプで替え芯は作らない、見た目ですぐに区別のつくような特化した外見などが必要だと思いますが、そのような配慮はないようです。
ケルボとその子孫はまだ「時間がたつと消せなくなる」という性質があり、これが存続できた理由になっていると思いますが、きれいに消せるフリクションボールは大丈夫でしょうか。

すべての人に良識を求めるのではなく、悪意で使おうとしてもできない工夫をすることが、これからの製品に必要な視点だと思います。
お札をコピーしようとすると真っ黒に印刷されたり止まったりするコピー機、はがすと「開封済」の文字が残るテープなども、悪用や悪意の対策のために生まれたものだと思います。
もちろん、それをかいくぐって悪用する人はいるでしょうが、簡単にはできないという対策があるだけで、問題の発生は減ります。

消せるボールペンたちが問題ある商品として再び消えるのか、それとも便利な文具として発展していけるのかは、これからの対策にかかってくるように思います。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、ケルボの子孫 イレーサー・ドット・マックスはどのくらい性能がよくなったのか、私も使ってみたいと思いました。

近所ではペーパーメイトの製品を扱っている店がないので、ネットショップで調べてみましたが、なぜかどこも品薄状態、特に黒字はほぼ品切れといっていいありさまでした。
けっこう使用者の評判がいい商品なのに変だなと思ったら、ペーパーメイトのネット商品カタログにこんな記述がありました。

ペーパーメイトリプレイマックス

感性を大切にするブランド ペーパーメイトから書き直し自由自在のボールペンが登場します。時間が経てばインクが定着するので、数年後の自分へ、家族へ、友人へ伝えたい“心からの言葉を”コミュニケーションしていくボールペンです。

そして、イレーザー・ドット・マックスは出てこない。
どうも、イレーザー・ドット・マックスは生産中止になり、このリプレイマックスが後継者になるようですね。
今度は、色も「ブラック、レッド、パープル、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルー、ターコイズ」の8色展開になりますが、イレーザー・ドット・マックスを愛用していた人たちはどちらが気に入るでしょうか。
(モルBさんの愛用品が廃番! の悲劇はまた繰り返されたのでした。)

最後に、今までの記事の補足です。 (続く) 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

☆追記☆ ペーパーメイト リプレイマックスの情報

クボタ文具店のHPの記事消せるボールペン(国内の同様製品とは大きな違いがあります)に、リプレイマックスの使用感や、イレーザードットマックスとの違いなどが詳しく説明されています。
以前からイレーザードットマックスを愛していたお店らしく、これらは「逸品文房具」に分類され、大変力の入った推薦文になっています。
イレーザードットマックスを消しゴムで実際に消し、何日目にはこうなっているという写真一覧を見ると、消しにくくなる様子が一目でわかります。
遠からず、これがリプレイマックスの消し具合の写真と入れ替わると思われ、更新が楽しみです。
リアル店舗もあり、通販もしてもらえます。

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 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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コメント

な、な、なんですと~( ̄Д ̄;) ガーン

またもや廃番品になってしまうとは・・・(笑)
うちの近所の文房具屋には普通に売っているんですけど
言われてみれば僕の買った本数分だけ減っていた気もします。
廃番だから補充されていないんですね(笑)

ちなみにうちの近隣では2~3店の店でまだ扱っているので
しばらくは大丈夫そうです^^

この大河連載、かなり詳しく調べられていてかなり読み応えがあります^^
次回が楽しみですっ!

投稿: モルB | 2008年8月 9日 (土) 16時02分

モルBさん
今回はご愁傷様です。(今回「も」かしら)
ボールペンは劣化するものですけど、お気に入りなら少しストックしておいたほうがいいかも、です。
でも、発展的な製造中止ですから、この機能の製品がなくならないのがまだしもですね。
でもでも、近所でそういうものが調達できるモルBさんがうらやましいです。(私なんかテジグもお取り寄せなんです~)

次回終了です♪ (…な、長かった。さくさくと1週間くらいで片付けたかったんですが、そこまで能力と体力がなかった。)
今晩アップします。
かなり調べて書いているつもりなんですけど、新資料が出ると、きゃ~! と書き直したりする羽目に。
でも、いつもは調べた結果を書くことが多いので、たまには途中経過を見ていただくのもいいかなって。
あちこち寄り道をしていますが、そこからまた収穫があったりするんですよね。

投稿: けふこ | 2008年8月10日 (日) 13時52分

はじめまして。


 こちらのサイトを勝手に「ventus ~風のごとく~」からリンクを張ったtobirisuと申します。
「ケルボ」の話がメチャクチャ懐かしくて……つい。
 本来なら事前に許可を求めるべきでしたっけ。ポリポリ。
 当方は都内某所に棲息していますが、最近区内に元気な文房具さんを発見し、冷めていた文房具熱が再燃しそうです。
 
 こんなことをしてしまうウツケ者ですが、お見知りおきのほどよろしくお願いします。

投稿: tobirisu | 2008年11月18日 (火) 19時06分

tobirisuさん 初めまして
「ventus ~風のごとく~」のコメント欄からのリンクとコメントをありがとうございます。
たまたまアクセス解析を見ていた折、tobirisuさんがここの記事を紹介してリンクを貼ってくださったことがわかり、とてもうれしかったです。
ここのリンクは許可制ではありませんし、適切な目的でリンクを貼ってくださるのは大歓迎です。
ありがとうございます。

「鉄道ファンなら『鉄分が濃い』」と言われるようなブログに…なれればいいのですが(汗)、しばしば看板を無視した話が出ています。
ただ、ノンボテとケルボの話はどうしても書きたかったことなので、読んでいただけてうれしいです。
また、(ケルボに限らずですが)ご記憶のことや思い出話などおありでしたら、どうぞ教えてください。
いろいろな方からのお話や資料で、記事の訂正、補足などをしていきたいと思います。
あ、その「元気な文房具さん」のお話もぜひ^^
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: けふこ | 2008年11月18日 (火) 23時31分

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2007年彗星のごとく登場したのが、「パイロット フリクションボール」。 文具店、百貨店の文具売場はおろか、ごく普通のスーパーの文具売場にさえ「消せるボールペン・フリクションボール」のコーナーがあるほどの人気。 ... [続きを読む]

受信: 2008年11月11日 (火) 12時22分

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