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「500色の色えんぴつ」考 紙ケースの構造(3) ~フェリシモ500色色鉛筆のあれこれ その11~

(この記事は「500色の色えんぴつ」考 紙ケースの構造(2) ~フェリシモ500色色鉛筆のあれこれ その10~ の続きです)

前回の調査では、国産・準国産の色鉛筆の紙ケースが、鉛筆が転がりにくい構造になっていることがわかりました。
では、外国産の紙箱入り色鉛筆はどうなっているでしょうか?

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外国製で紙箱入りで手持ちのものは、2種しかありません。
LYRA社の「Super FERBY METALLIC」と、STAEDTLER社の「LUNA」(どちらもドイツ製)の紙ケースを調べてみました。

【リラ LYRA Super FERBY METALIC 12色】

Lyla1

メタリックな色ばかりを集めた極太軸で三角軸の色鉛筆です。
箱の外側に、少し切れ込みが入っていて、鉛筆の形状がわかるようになっています。
これは、外箱のみで引き出しがありません

Lyra2
トランプの紙箱のように、上部を開けて、箱を斜めにして鉛筆の先を出してつまみ出す、という感じでしょうか?
引っ張り出す「舌」みたいな部分がついていますが、蓋がだんだん傷んできそうです。
箱に色の順番は印刷してありますが、中に仕切りがないので使っている最中に鉛筆の順はどんどん変わり(というか、一々しまうのは面倒だから出しておくと思う)、最後にまとめて並べなおすことになると思います。
箱を立てても鉛筆は移動しません(かなり太いせいもある)が、ぶつかりあうので傷はつきます。

【ステッドラー STAEDTLER LUNA ルナ 24色】

Luna1

ステッドラー水彩色鉛筆の中でもっとも安価なもの。
外箱と中引き出しのタイプで、仕切りは一切ありません
画像の色鉛筆は使用しているものなので、順番はばらばらになっています。
色の順番も書いていないので、元通りにするのは無理(笑)
自分の好みで並び変えてしまえ、といっそ割りきれる色鉛筆です。

鉛筆は使っている最中は移動しますが、収納の時はそんなに転がりません(後述)。

このように、ドイツ2社の色鉛筆は、あまり紙箱に気をつかっていないようです。
同じステッドラー製品でも缶入り色鉛筆のケースには鉛筆の溝があるので、紙箱はそういうものという割り切りでしょうか。
日本製品は、鉛筆そのものの品質だけでなく、商品をデザインするときに、鉛筆が転がらないパッケージなどは基本として押さえられているのではないかと思いました。
傷がついていると嫌がる日本の消費者の見た目重視もありかもしれません。
どちらが正しいということではなく、それぞれの文化や慣習に基づいたものだと思います。

にもかかわらず、このステッドラー24色の箱は、フェリシモ25色が入った箱にくらべて色鉛筆が転がりにくいのです。
色数も同じくらい、どちらも仕切りなしの紙箱なのに、箱を立てても、そんなにばらばらにはならないようです。
Luna2

なぜかなあと思ったら、ステッドラーのものは引き出しの横端を鉛筆にかぶさるように折り曲げてあるのでした。(画像 上の赤箱がステッドラー、下の白箱がフェリシモ)
この壁が、外箱にしまうときに鉛筆のサイドを押さえて、転がりにくくなっているのです。
フェリシモのほうは底と垂直に紙を折っただけなので、楽に開いてしまうようです。

フェリシモ500色の色えんぴつ復刻版の紙箱デザインを誰がしたのかはわかりませんが、おそらく日本の鉛筆メーカーだったらこうはしなかったことでしょう。
まして、グラデーションの順番を楽しむのも大きい商品なのに、色鉛筆が動かない工夫が十分されなかったのは残念です。

フェリシモの箱は、鉛筆の先端部に仕切りをつけています。
国産の各社は、仕切りを中央に近い部分につけています。
鉛筆の中央を押さえたのと、端を押さえたのでは、どちらが鉛筆の振れ幅が広くなるか、ちょっとためしてみればわかることではないでしょうか。
先端を保護することと、鉛筆が動かない仕切りとは別物なのです。

さらに、フェリシモは「色鉛筆」の特性を忘れています。
それは「色鉛筆は削れば短くなる」ということ。
少しでも削った鉛筆は、フェリシモの作った溝からさらに外れやすくなり、使い続ければ半分を待たずに届かなくなります。
あまりに短くなることは想定しなくてもいいと思いますが、そういう意味でも、仕切りが真ん中にあるというのは理にかなっています。
色鉛筆を使うことより飾ることを想定した商品開発だということがわかります。

初代のケースを透明にしたいと言ったのはフェリシモかもしれませんが、その内部のデザインは三菱鉛筆がしていると思います。
そこには、鉛筆が動きにくい工夫がきちんと施されているからです。
その細やかさに、フェリシモは気づいていたでしょうか?

これもまた「この紙箱はそういうわけで仮のものだから、色鉛筆ラックを買ってね~♪」という戦略なのかもしれませんが(^^;)

フェリシモからは、色鉛筆を飾るための新型ラックがいろいろ提案されていましたが、壁も机の上もいっぱいだとどれも「使えない」と思います。
「色鉛筆を差し込める『ついたて』」みたいなものがあれば、壁を空けなくてもすむし、目隠しや間仕切りに使えていいのですが。(それでもけっこうかさばりそうですけれど)

【参考サイト】

フェリシモ 色えんぴつで楽しもう 収納ラック一覧

壁一面を彩るオーロラの会、500色のパレードCOLOR WAVEの会、500色の音色を奏でるオーケストラの会、テーブルを飾る500色のフラワーベースの会、の4種類の500色の色えんぴつ用ラックの紹介が出ています。

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コメント

箱、弱いですよね~。鉛筆がころがったり重なったり。

箱の板紙が薄いせいもあると思います。中が入った状態で箱をひねるとゆがませることできます(^-^;
家の中の箱色々と比べたらケロッグのシリアル箱と同じ薄さでした。あれも店にある状態でシリアルが下に集まって下膨れになってますよね。

上にプラ板成型で鉛筆の形の仕切りがあるのは、ユーザーのためではなく、工場で鉛筆箱詰めする人・検品の人の為の本数確認ガイド兼向きのガイドではないかと推察しています。

自作で仕切りを作ろうと思ってたので、他のメーカーさんの箱写真が参考になりました。ありがとうございます。

投稿: はいばら榊(絵) | 2009年7月 2日 (木) 01時13分

はいばら榊(絵)さん こんばんは
コメントをありがとうございます。

色鉛筆の箱のボール紙の厚さをケロッグ箱と比べる人は、あまりいないと思います^^
そういうユニークなところが好きです。
きっとボール紙にも「135kgの上質紙」みたいに規格があるのだと思います。

フェリシモのものに限らず、仕切りは箱詰めする人のためのものでもあるでしょうね。
(知り合いで、色鉛筆の箱詰めの内職をしたことがあると言っていた人がいました。)
だから、先端にガイドがあるのは悪いことではないのですが、仕切りの役割は他にもあるんだなあと今回初めて思いました。
並べて比べてみるまで、仕切りがどうなっているかなんて考えたことがなかったですから。

はいばら榊(絵)さんは仕切りもお作りになろうと?
すごいですね☆

投稿: けふこ | 2009年7月 2日 (木) 21時56分

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