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学年誌で育った世代 ~「学習」「科学」の休刊に寄せて~

ニフティニュースによれば、学年誌「学習」「科学」が休刊になるそうです。

学研の「科学」「学習」が休刊へ

2009年12月3日(木)16時51分配信 共同通信

 学研ホールディングスは3日、学習雑誌の草分け的存在で学年別小学生向けの「科学」と「学習」を09年度末までに休刊することを発表した。「科学」(月刊)は来年2月発売の3月号で、「学習」(季刊)は今月発売の冬号で休刊。同社は休刊の理由について、出版不況に加え「少子化という社会構造の変化や子供たちの価値観が多様化したことで、学年別雑誌が時代のニーズに合わなくなった」としている。

これより前に、小学館の学年誌「小学五年生」「小学六年生」も休刊が決まっています。
(→ 詳しくは、ウィキニュース小学館、学年別雑誌「小学五年生」「小学六年生」を休刊へ)
私はどれも読んでいました。
今、それらを読んでいるわけではないけれど、自分が読んで育った雑誌がなくなってしまうのはさびしいことです。
当時は、「学習」「科学」は学校で配られていて、毎月、持って帰るのが楽しみでした。

右とじの「学習」と左とじの「科学」では、たぶん多くの人と同じく、印象深いのは「科学」のほう。
「学習」は、読み物特集号が読みでがあっておもしろかったことくらいしか覚えていません。
世は科学の時代、人類は月に降り、将来は宇宙旅行ができるようになるかしら、と夢が描ける時代に、「科学」の雑誌はぴったりだったのです。

魅力的なのは何と言ってもそのふろくでした。
学研のマークが型押しされた数々のプラスチック容器は、持っているだけで満足できるものでした。
ファスナーつきの小袋に貴重品めいて入っている試薬は、なくなるのが惜しくてなかなか使えませんでした。
色水を作るための小さなすり鉢や寒天を溶かして入れるケースなどは、他の実験道具と一緒に、高校生くらいまで使っていました。(今もさがせばそれらと一緒に収納されているかも)
指紋検出セットで、細かいでんぷんの粉などがセットになっているものは、ついに使えないまま終わったと思います。

現在は、日常の道具のしくみも見えにくくなり、できた製品を使いこなすだけで終わりがちですが、稚拙でも、自分の手で何かを組み立てて動かしたり変化させたりすることは、やってみれば楽しいことです。
「学年」という枠が邪魔でも、「科学」を作ってきた会社の蓄積を毎月子どもに伝える場がなくなってしまうのは残念です。
もっと老舗の「子供の科学」のように、「科学」を生かして学年枠を超えた新しい雑誌ができたらいいのにと思います。

個人的に「科学」の読み物ですごかったと思うのは、『花岡青洲の妻』とか、『芙蓉の人』などを、マンガ化してのせていたことです。
大人の世界では話題作であったでしょうが、小学生の私はそんな本があることも知りませんでした。
でも、その中の「江戸時代に、全身麻酔で手術をしたお医者さんがいて、その実験のために奥さんは目が見えなくなった」とか、「冬の富士山頂で、夫婦で気象観測を命がけで行った人がいた」など、子どもに理解できる部分だけをとりあげ、感動的なドラマとして伝えてくれたのはすごいと思います。
それらはきちんと記憶に残り、やがて、それらの作品を読んだときの驚き。
「科学」は、これを小学生にも伝えようとしてくれたんだ、と感激しました。
当時の学習漫画には、そういう気概がありました。
(例えば、最初の歴史学習漫画は集英社の「日本の歴史」ですが、高校の資料集で初めて出典を知ったような資料をふんだんに使って構成をしていました。)
科学にのったマンガの作品は、単行本にはならなかったのでは?
その時期、その学年だけが読めたぜいたくだったのかもしれません。

科学の進歩の結果、生まれた時から電子おもちゃがあるのが当たり前の現代の子どもたち。
科学ってすごいんだ、と無邪気に目を見張っていた昔の子供の方が幸せだったような気がするのはおかしなものです。

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コメント

こんばんは 

科学と学習といえば、コミカルシンガーソングライターの
嘉門達夫氏が科学と学習の歌を作っていましたね(^‐^)

小学生の科学と学習にかける想いと悲哀が歌われていますww

この曲はライブで聞いた事ので、もしかすると
CD化されていないかもしれません
 

投稿: 松本麗香 | 2009年12月 3日 (木) 23時31分

麗香さん こんばんは
その歌は、どこかで聞いた気がするんですが、あいにく覚えていません。
メロディを全く覚えていないので、昭和レトロ系の何かの本で読んだのかもしれません。

でも、私の時代は、学研のおばちゃん ではなく、学習と科学は学校で販売していました。
体育館などで販売していた、というケースもあったようですが、私は学級で先生から配ってもらっていたと思います。
集金袋があって、読み物特集号などは、希望した子だけの販売だった記憶があります。
…これで年齢がわかりそうな^^;

投稿: けふこ | 2009年12月21日 (月) 03時15分

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