報道不信3 ~はやぶさ帰還に生中継なし~
先日、たまたま、夕飯時に、NHKのクローズアップ現代 傷だらけの帰還を見ました。
小惑星探査機はやぶさが、その旅路で数多くのアクシデントに見舞われ、行方不明になったり動かなくなったりの連続。
それを、待ち続けたり、設備を違うことに利用したり、つなぎあわせたりして、地球へと導くスタッフの能力と熱意。
この番組一本で、はやぶさのファンになり、無事の帰還を待つつもりになりました。
インターネットには、掲示板に語られる情報や思いも満載、動画サイトのまとめやアニメーションあり歌ありと、はやぶさへの思いにあふれていました。
満身創痍で地球に戻り、しかもカプセルを投下後、自分は大気圏に突入して燃え尽きてしまうはやぶさという設定に泣かされます。
それは、数々のマンガやアニメで描かれてきたいろいろな名場面と重なり、身の回りの物どれにも魂や神を宿らせてしまうこの国では、はやぶさに心や魂を感じてしまうのも無理からぬことです。
しかし、インターネットでの中継はいくつも告知されていましたが、テレビでは一切中継はありませんでした。
インターネットでは、解説の中継にはほとんどアクセスできず、管制室の中の映像と実況のスレッドを見ていました。
それでも、参加者が多すぎてアクセスができなくなったり、誰かがミラーサイトを作って移動するとそれもまた止まりそうになり、実況のスレッドは人が多すぎてはじき出されと、その時に何が起こっているのかを把握するのさえ一苦労でした。
ニコニコ動画は、有料会員でさえはじき出されてしまった人もいたようですから、普段のネット情報をはるかにこえる参加者がいたものと思われます。
はやぶさの帰還は歴史的快挙なのに、なぜ生放送しなかったのでしょうか。
昨年の7月、日本で見られた皆既日食の際、テレビが入っていた島は雨でした。
太陽の姿形がない中で、一層暗くなって気温が変わったような状態をレポートしていました。
天気は不運でしたが、日食が起こっているいる最中には、今この時間に皆既日食が起こっているという臨場感を与えます。
テレビで日食を知って、自分のところではどうだろうかと外に出た人もいるかもしれません。
運良く見られた地域の中継などを織り交ぜたり、談話を行ったりして番組を持たせていました。
内容は残念でしたが、初めから中継そのものがなくて、後のニュースで「今日、皆既日食がありました」だけの報告だったら、映像は良かった部分だけ無駄なく見られたかもしれませんが、なんとも味気なかったと思います。
皆既日食が見たかったのに、天気が雨で残念だったなあというきちんとした記憶は、ライブ映像の力で生まれたのだと思います。
はやぶさは計算通り落ちてこない可能性はありましたが、過去を振り返るニュース映像や、JAXA(宇宙航空研究開発機構)所有のデータやCGなど、待ち時間の間にそれらを振り返りながら今回の偉業を感じるとか、方法はいろいろありました。
NHKは、いくつもチャンネルを持っているんですから、一つくらいはやぶさ生中継に使ってほしかったなあと思います。
まして、後のニュースで使われた映像はとても美しく、はやぶさのカプセルが飛び、本体がばらばらになっていく状態がよくわかるものだったのに。
クローズアップ現代は作れるのに、なぜリアルタイム報道はできないのか疑問です。
オリンピックの女子フィギュアスケートの際にも、リアルタイムで放送できないほど深夜というわけでもないのに、フジテレビはそれを生中継せずにわざわざ翌日夜の放送にしていました。
それに飽き足らずにネットで他国の中継をライブで見ていた私は、翌日の編集内容に不信感を抱き、すっかり興ざめしてしまいました。
遠くの場所のことを知らせるのに時間がかかった時代ならいざ知らず、リアルタイムで世界の情報が届く時代に、生放送の映像の力が軽んじられているように思うのは気のせいでしょうか。
もしくは、編集が恣意的に行われすぎているのか。
昔、アポロ11号が月へ行きました。
月面着陸が行われる日、私の学校は、授業を1~2時間やった後、授業は打ち切りになりました。
「今日は家に帰ってテレビを見るように」と言われたのです。
当時、私の学校は教室にテレビがありませんでした。
この歴史的大事件を子どもがリアルタイムで見ることは、授業よりも大事だと学校は考えたのでしょう。
ちなみに、自分の小学校中学校合わせた期間中、台風だろうと大雪だろうと病気が流行しようと、学校が休校になったことも学級閉鎖になったことも一度もない地域です。
白黒の映像で月面に降りる宇宙飛行士を見たことはよく覚えています。
世界中の人が、同じ画面に見入ったことでしょう。
科学の素晴らしさを素直に信じて、自分が大人になる頃には、みんなが月へ旅行できるようになるのかと思っていました。
好きな教科は、(音楽は別格でしたが)ずっと理科でした。
「科学ってこんなこともできるんだ、すごい」と子どもに思わせるのが、理科好きな子どもを作るのには一番いいと思うのですが。
大人にも子どもにも夢を与えてくれないテレビのありように、今回も不満が募りました。
いえ、「クローズアップ現代」がなかったら、私だって知らなかったことなんですけどね…はやぶさを知らなかった自分を責めたい。
☆私事ですが☆
6月12日に、このブログのアクセスが40万を超えました。
最近、たまに記事が出るかと思うと看板に関係なかったりしますが(汗)、これからもよろしくお願いいたします。
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コメント
こんにちは
アクセス40万オーバーおめでとうございます(  ̄▽ ̄ )
投稿: 松本麗香 | 2010年6月20日 (日) 14時13分
麗香さん
いつもありがとうございます。
麗香さんのところは、既にアクセス70万超えですね。
黒猫せぶちゃんの表情が素敵です。
投稿: けふこ | 2010年6月27日 (日) 20時42分