クロネコヤマトは偉大 …ゆうパック遅配騒動に思う
七月早々、ゆうパックが届かない、遅れて届いた生鮮食料品が傷んでいる、荷物がたまって積み上げられたために箱が壊れるなどの騒動になっています。
7月1日に、ゆうぱっくがペリカン便を吸収し、取り扱いが増えたことと、システムが併存したための混乱が原因のようです。
以下の記事は、YOMIURI ONLINEのものです。
お中元シーズンなのに…ゆうパック遅配26万個
日本郵政グループの郵便事業会社の鍋倉真一社長は4日、記者会見し、同社の宅配便事業「ゆうパック」で今月1日以降、約26万個の荷物の配送が遅れたと発表した。
郵便事業会社と日本通運の共同出資会社が手掛けていた「ペリカン便」を統合し、1日から配送業務を一体化したところ、取り扱い個数が一気に増え、機械が停止するなどのトラブルが発生し、配送トラックが遅れたことが原因だ。
鍋倉社長によると、2日早朝に、新東京支店(東京都江東区)など最大で8都府県計10拠点で荷物が集中する事態が起きた。この結果、東京、大阪、愛知を中心に1日あたり平均約6万6000個、全荷物の約7%が指定の配達日時よりも半日から2日遅れ、遅配は完全に解消されていない。4日午後の時点でも大阪、愛知、千葉の3府県3拠点で混乱が続いており、完全に期日指定通りに配送できるようになるのは、今週前半の見込みという。中元シーズンの遅配で、同社には1日平均約1000件の苦情が入っており、生ものなど損害が生じた荷物については賠償に応じるとしている。
百貨店などは、ほかの宅配便業者へ乗り換える動きが出ている。大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングや、東武百貨店は、期日指定配達の一部をゆうパックから他の業者に切り替えて対応している。イトーヨーカ堂は3日から、各店舗に対して、ゆうパック扱いのお中元を購入した顧客に配達に遅れが出ていることを説明するように連絡した。
(2010年7月4日21時03分 読売新聞)
遅れたことで、生き物やなまものがどうなるか、仕事や予定がどうなるか、相手の心証はどうなるかなど、不安や怒りが書き込まれていました。
わざわざ別料金を払わなくては、夏みかんはみずみずしいまま都会の松井さんまでは届かなかったのでした。
森村桂さんの『私の逢った神様たち』では、傷みやすくて東京では売っていない杏を何とか手に入れたいと長野駅の駅長さんにお願いするエピソードがあり、好意で大急ぎで送ってくれたぴかぴかの杏は鉄道便でした。
産地の離れた新鮮な果物は、特別な手間をかけてやっと手に入るものだったのです。
追随するのは簡単でも、開拓するのはいかに大変だったでしょうか。
そして、ゆうパックは順調に取り扱いを増やしたはず…ですが、08年度のシェアは、
ヤマト宅急便 38.7%
佐川飛脚宅配便 33.4%
日通ペリカン便 10.3%、
ゆうパック 8.7%
(数字は朝日新聞 2010年7月4日 朝刊)
しかも赤字が深刻だったとは。(料金が安すぎたから? なら無理に力を入れなくてもよかったのに)
このペリカン便とゆうパックを統合して、ヤマト・佐川を追撃する予定だったようですが、システムの準備も統合の時期も大変良くなかったようで…
追撃どころか、お中元の大手業者の信用と取引を一気になくしそうです。
人手不足で他の郵便業務にも支障が出たりしないのかと心配になります。
荷物を送ってしまった、送るように頼んでしまった人たちのいらだちはいかばかりでしょうか。
もう、私たちの生活に、個人扱いの小荷物便はなくてはならないものになっているのです。
出すのも受け取るのも簡単な宅急便ですが、そこまでの細かなシステム作りがいかに大事かを考えさせられる事件でした。
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