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プリントゴッコ初期の評判 その1 ~消耗品販売終了を惜しんで~

理想科学工業のプリントゴッコの消耗品の販売が、ついに、2012年12月末で終了するそうです。
以下は、ITmediaニュースの記事です。

「プリントゴッコ」、完全に終了 消耗品販売も打ち切りへ

既に本体の販売は終了している「プリントゴッコ」。消耗品販売も2012年いっぱいで終了する。
2011年09月20日 17時27分 更新

 理想科学工業は9月20日、「プリントゴッコ」事業を2012年12月末で終了すると発表した。3年前に本体のメーカー販売を終了しており、消耗品の販売のみを続けていたが、需要減が一層進み、消耗品の継続生産が難しく、事業継続が困難と判断した。

 プリントゴッコは1977年に発売。年賀状プリントなどに活躍してきたが、PCとインクジェットプリンタの普及に押され、08年6月に本体の販売を終了していた。その後もランプやインク、マスターなどの関連消耗品販売とサポートを継続してきたが、完全に終了する。

本体の生産中止もさびしい限りでしたが、とても残念です。
こればかりは、需要と供給の問題なので、メーカーに無理を言うこともできません。

とはいえ、プリントゴッコが画期的な商品だったということを、過去の資料から振り返ってみたいと思います。
プリントゴッコが生まれたのは1977年、ブームになったのはもう少し後のようです。

今回は、『文房具の研究』 別冊暮しの設計NO.6 中央公論社 S.56(1981).3.10 の記事をとりあげます。

記事の最初の惹句が、「1875年、エディソンが謄写版(ミメオグラフ)を発明。1世紀ぶりのセンセーショナルな発展が『プリントゴッコ』だった。RISOGRAPH(リソグラフ)は『印刷』というものを私たちの身近にもひきつける、あたらしい高性能マシーンだ」 と、その誕生をたたえています。

1、エジソンの発明した謄写版は、やがて、タイプライターの活字で原紙に穴が開けられるようになり、アルファベットなどを使う表音文字圏ではタイプライターで原紙を作れるようになった。

2、日本では漢字+かなで文字数が非常に多いため、ヤスリと鉄筆によるガリ版が主流となり広まったものの、各家庭に一台というほどではなく、コストはかかってもゼロックスのようなコピー・マシーンが謄写版の領域を侵そうとしていた。

3、インクメーカーだった理想科学工業は、エマルジョンインクを開発し、インクの売り上げをさらにのばすため、「タイプでなく、熱線を使って、もっと早く、秒単位で製版すれば、それだけインクの消費もふえる」のでは? と考えた。

4、フィルムと紙を貼り合わせ、感熱原紙を発明した。

熱線に感じやすいフィルムを紙と貼り合わせることを考え、市販のフィルムを使って実験がはじまった。羽山さん(注:当時の社長)は文房具店でルーペをひとつ買った。どうするか、というと、いたずら少年がよくやるように、晴れた日に、ルーペで太陽光線をあつめて、次から次へともやしてみたのだ、という。
実験結果は、「ポリ塩化ビニリデン」がよさそうだということになり、このフィルムを「サランラップ」の名で製造販売している旭ダウ社に共同開発を申し入れた。
それからあとは……? 日本じゅうの文房具店で人気の「プリントゴッコ」がすべてを語ってくれる。
ストロボの普及で頭をかかえていたフラッシュ・バルブのメーカーが息をふきかえしたともいわれる。

同書P136~137より

5、プリントゴッコは取り扱いのやさしさから、いまや世界各国に普及し始めた。それも、小・中学生が自分で買って使うケースが多い。(←これにはちょっと疑問です…)

記事の最後は、プリントゴッコと同じ原理で製版・高速印刷をするリソグラフ(当時は、製版機と印刷機は別々だった)に言及し、これからのオフィスには、PPC複写機とリソグラフの2本立てにするのが合理的だろうとコストなどについても述べています。

プリントゴッコの製版システムがそれまでになく画期的であり、しかも誰にでもできる易しさであることがヒットの原因であることがわかります。
個人的には「インクを売るため」に開発されたということや、ヒットのおかげで「フラッシュ・バルブメーカーが息を吹き返した」というのが意外で、記憶に残っていた部分でした。

私の職場では、コピー機とリソグラフを両方使用しています。
コスト面から、10枚を超えるもの(機種により多少前後)はリソグラフを使うようになっています。
現在のリソグラフは、製版・印刷が一台ででき、原稿もカーボンで書いてある必要はなく、あっという間に刷り上がり、インクで手も汚れない、仕事にはなくてはならない機械になっています。

次回は、商品についてシビアな評価を下すこともある、「暮しの手帖」の記事を取り上げます。

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→ プリントゴッコ初期の評判 その2 ~消耗品販売終了を惜しんで~  … この記事の続きです。

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