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静岡市限定? レトロな「じゆうがちょう」

静岡市の学校前文具店の1軒で見つけたノートです。
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横長のB5ノート、中は白紙(ごく薄い画用紙)の無地帳で、名前は「じゆうがちょう」です。
この表紙の絵や字は、どう見ても最近のものではありません。
でも、このノートは、ほこりをかぶっている下の方から発掘したわけではなく、一番上に普通にきれいな状態で出ていました。

その近くにあった学校用ノートで、ジャポニカ学習帳などとは違う見慣れないものに「計画帳」がありましたが、これは裏にメーカー名(文運堂)がきちんとありました。
この「じゆうがちょう」と、横長の「えにっき」「にっき」のノートには、メーカー名も品番も値段も何も書いてありません。(「えにっき」も「にっき」も中は「 月 日 曜日 天気」以外は薄いグレーの方眼のマス目です。)
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反射的に思い浮かべたのが、自分の地域限定ノートの「しゃぼん玉帳」です。
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これは、現在も学校の中でのみ売られている自由帳で、大きさはB5の縦型で、中身は画用紙ではなく無地の上質紙ですが、私が子どもの頃からデザインが変わっていません。
同じような事情なら、この「じゆうがちょう」も、リニューアルしないまま使い続けているということが考えられます。
お店では、今でも学校で使っているということくらいしかわかりませんでした。

「じゆうがちょう」の裏表紙の「子供の絵について」の文章は、子どもらしい絵についていろいろ述べています。
子どもに対してではなく、教師や保護者に向けた注意書きです。
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☆ 子供の絵について ☆

 あなたは子供が絵を描いている時や、描きあげた絵を見たときに、どんな事をいいますか。あなたが不用意に言った言葉や、上手にするために教えようと思っていった言葉が、かえって子供の絵を、ちぢませたり、下手にしたり、絵をきらいにしている事が多いのです。ではどんな言葉がいけないのでしょうか。次にあげる様な事は子供の絵には禁物です。
  でたらめな線や円ばかりかいている子供に、この子はまだ何も形で描けないから、紙やクレヨンを与えてもムダになると考えて、もっと形が描けるように要求することは、大切な、なぐりがきの時期に悪い影響を与えます。
  マルを描いてお母さん、横にボウを引いて汽車だという子供の絵は大人が見ると何の意味もない様であり、つまらないものの様ですが、子供には一つ一つに意味があります。この時期に大人が人物や乗物、家、花などの形を教える事は考へものです?
  形もだんだん出来て来て、一つ一つのものが何んであるかという事もわかる様になるが、バスよりも人物が大きく描かれたり、家よりも、花を大きく描く事は、子供の絵における一つの特徴です。それにもかかわらず「こんな大きな人はバスには乗れないよ」とか「家よりも大きな花はないよ」と小言をいったり、あらひろいをする事は禁物です。せっかく描き出したものもやめてしまいます。
 以上、ほんの一つ二つの例をのべて見ましたが、心なき大人の無意味な指導は慎まなければなりません。子供の絵を、むやみに批判したり、早く上手にしようと思って形を教える事は、有害です。そのために絵を描く興味を失ってしまうことがあります。子供の感情が絵に表現されるという事をお忘れなく。

この文章の雰囲気は文章が書かれた時代の「革新」であって、仮名遣いも(たぶん新かなづかいに直したと思われますが)旧かなが混じっていたりと、最新でも戦後か、どうかすると大正デモクラシーあたりのイメージもあります。

日本美術教育の歴史的変遷によれば、自由画教育運動は大正8年~で、昭和初期にはこの流れは批判されて下火になるようです。
名前が「自由帳」でなく「自由画帳」であるのも、「自由画教育」を踏まえているのかもしれません。
この文章も、自由画運動を提唱された方の言葉を引用しているか、それを踏まえて書かれたもののように思われます。

このノートが古いままのデザインであるなら、子供の頃使ったという方もいらっしゃるかと思います。
このノートについて何かご存じのことや思い出があれば教えていただけるとうれしいです。
おそらく、静岡市内か、その近隣の限定品だと予想していますが、いかがでしょうか。

【このブログの関連記事】

今回、比較で出てきた「しゃぼん玉帳」の関連記事。その地域の学校内でしか販売されていないノートについて書いています。

→ 地域限定ノート 

→ 地域限定ノート(2)

→ 地域限定ノート(3) 

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コメント

こんにちは。
いつも興味がわくブログ楽しみにしてます。
このじゆうがちょう素敵ですねー
アメリカにいる姪っ子ちゃんに送ってあげたいのですが、静岡のどこの学校前かなんて教えてもらうことはできますか?

投稿: ねこ | 2011年11月27日 (日) 09時16分

ねこさん こんにちは
コメントをありがとうございます。
じゆうがちょうを気に入ってくださってうれしいです。
このじゆうがちょうを売っていたのは、千代田小学校前の川口文房具店です。
Googleマップで地図、住所、電話番号が出ます。
学校前文具店は土日休みのところも多いので、定休日や在庫を問い合わせてからの方が確実です。
値段は110円か120円だったと思います。
無事手に入るよう願っています。

投稿: けふこ | 2011年11月27日 (日) 11時48分

ありがとうございます。
定休日確認して行ってみます!

楽しみ♪

投稿: ねこ | 2011年11月27日 (日) 23時09分

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