伊東屋

これも時代? 伊東屋のセールのお知らせ

メルシーカードを作ってメール配信を希望したため、伊東屋からメールマガジンが来ていますが、今日のメールマガジンにこんなことが書いてありました。

〔2〕☆青葉台店セールのお知らせ☆


青葉台店にて、「スクエアーバーゲンセール」を開催致します!!

期間:6/25(木)~7/8(水)

伊東屋オリジナル商品、及び直輸入品を20%OFFにて販売致します。
おまとめ買いの大チャンスです☆
他にも「その場で出来るスピード印鑑」や風雅印(住所ゴム印)、
実印・銀行印なども20%OFFでご提供致します。
是非、この機会を逃すことなくご利用下さいませ。
(尚、一部対象外商品もございます。またセール品に関しましては、
メルシーポイント対象外とさせて頂きますので、予めご了承下さいませ。)

2004年発行の『ステイショナリー・ワンダーランド―伊東屋の文房具たち』には、以下のように書いてありました。

伊東屋は、商品のセールや値下げは一切しません。それは、お客様ひとりひとりにいつでも同じ価格で購入してもらおう、という創業当初からの考え方。しかし、メルシー券をもらうことで、二回目のお買い物が嬉しくなる。

伊東屋に何度も行きたくなる理由は、ここにもありました。

(同書P.15 「伊東屋の魅力その3 やっぱりうれしいメルシー券」より引用)

なお、創業当時、どう書かれていたかは、明治43年発行の『伊東屋営業品目録』を見てみましょう。(旧漢字は新漢字に改めました)

各地より御注文の御案内(注:通信販売のページ)

(1)販売品定価の儀は総て廉価を旨と致し居り駆引等一切仕らず候。

「定価販売なのは、すべて安く提供しているからで、値引きなどは一切いたしません」ということでしょうか。

私は、伊東屋はそういうものだと思っていました。
ここの文具はすべて定価販売。
そのかわり、一度の買い物でもメルシー券をもらって顧客気分になり、それを使えば割引もしてもらえるのがうれしかったです。

しかし、メルシー券を廃止し、定価販売の堅持も止め。
(伊東屋には年に数回しか行かないので、セールがいつから行われていたかも知らないのですけど。)

同じく、メールマガジンでは、6/25(木)~7/12(日)の間、「Wポイントキャンペーン」(通常商品の3%のメルシーポイントが6%に。対象店舗は「銀座本店、玉川店、青葉台店、丸の内店、東京ミッドタウン店、パピエリウム ギンザ店、ITO-YA-e」)も行われる旨が書いてありました。

私だって、もちろん安く買えればうれしいし、文具のワゴンセールはチェックするし、近所の文具店のポイントを集めるのを楽しみにしている小市民です。
老舗デパートだって、クリアランス大バーゲンはまったく普通の光景です。

でも、伊東屋はそうじゃなかったのに。
まだ本の発行2004年から5年たっていないのに、この変わりようは何なのでしょう。
そのうち、銀座本店でもセールにかかるものがあったり?
「伊東屋ならでは」を次々にそぎ落として行って、一体何が残るのか。

伊東屋よ、Quo Vadis !

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【このブログ内の関連記事】

→ 伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その1

明治43年発行の伊東屋の通販カタログの表紙や序文を画像入りで載せてあります。(後編もあり)

→ ステーショナリー タニィの秘密8 小さな店にできること

それまで「文具のデパート」「置いてないものはない」という感じだった伊東屋の、取り扱い品目の変化について書いています。 

その他、銀座伊東屋の関連記事(新旧とりまぜ)は、

→ カテゴリー 伊東屋 へ 

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『文房具の歴史』(野沢松男)の筆箱考察 ~続・明治の舶来木製筆箱の図版~

このブログの先の記事 明治の舶来木製筆箱の図版 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その3 と同じ図版が、書籍『文房具の歴史』(野沢松男 文研社)のP.262~263に掲載されています。

筆者は、筆入れについて「どうやら誕生は日本のようだが…」と推測しています。
理由として、

「奇妙なことに欧米の学童は筆入れというものを持っていない。」
「最近のアメリカでは香港製の筆入れが一部で出回っているというが、日本のように学童・学生の必需品としての存在になってはいない。」
「ヨーロッパの文具店には、鉛筆、カラーペン、ボールペンなどが、数本セットになって筆入れのようなケースに入って売られているが、箱だけを商品として扱っている例は、まず見かけない。」

などをあげ、机がなくては書きものができなかった欧米では、筆記具とインクは机に付随するものであり、筆記具を携帯するというのは、巻紙と筆文化だった日本の特性。
ゆえに、その文化も日本で発達したものだっただろうというのです。

Photo_3 日本の学校教育も、石筆と石盤からはじまり、広く鉛筆が使われるようになったのは、国産品が潤沢に出回るようになった大正からだろうという推測です。
筆と墨なら筆箱は使えないわけで、鉛筆が普通に使われるようになり、それを持ち歩くために筆箱が必要になり発達したというのですね。

ただ、この伊東屋の舶来製筆箱の資料が残っているために、筆者も欧米に筆箱がなかったとは言い切れないようです。
(この本には「子供への贈り物として人気があったという。」と書いてありますが、カタログには先の文章しかないので(贈り物としてもってこいだと伊東屋がプッシュしている)、別に伊東屋から取材したのかもしれません。何しろ高価ですから、大勢が買えたとは思えず…

私は欧米一般の事情はわかりませんが、ポーランドには筆箱があると思います。
それは、以前ここに書きましたポーランドの児童文学『ぼくはネンディ』(マリア・コブナツカ:作 内田莉莎子:訳 山脇百合子:絵)の中に、主人公である粘土の人形ネンディの家として、はっきり筆箱が出てくるからです。
(→『ぼくはネンディ』の内容については、記事愛したのは文具のせい?~『ぼくはネンディ』~をご覧ください。)

改めて読んでみたら、これも木製筆箱でした!

 ぼくは、ねんどでつくられたちっちゃなにんぎょうです。
 だから、ネンディって名まえなんです。
Jpg  ぼくはすてきなうちにすんでいます。しきりのある木のへやです。ぼくのとなりのへやにすんでるのは、おでぶで色の白いけしゴム。「ネズミ」って名前です。けしゴムのすぐそばには、ぴかぴかでとんがったペン先が四本。はんたいがわにすんでいるのが、ペンじくとえんぴつとナイフ。
 ぼくは、はじめ、ぼくらのうちが、なんて名前か知りませんでした。でも、もう知ってますよ。ふでばこっていうんです。 (同書 p12)

 けさ、ぼくらはみんなで、トーシャがふでばこをカバンに入れてくれるのを、まっていました。それなのに、トーシャはぜんぜんきません。つくえの上でまちつづけました。 (同書 p63)

中身が「ペン先 ペン軸 鉛筆(すずのキャップつき) 消しゴム ナイフ」であるなら、これは一般的な筆箱と思えますし、主人公のトーシャはこの筆箱を家でも学校でも使っていますので、持ち歩きもしているわけです。(インク壺も登場しますが、筆箱には入っていません。)
それが、このお話の中でとりたてて変なこととして書かれていないわけですから、これがポーランドの子供の日常であると考えられます。

Photo_2 解説では、この話の初出は1931年だそうで、「ネンディをねんどでつくった女の子トーシャを中心に、小学校一年生の学校や家庭での生活が、じつにいきいきとえがかれて」いると書いてあります。
1931年(昭和6年)には、少なくともこういう筆箱がポーランドには普通にあったと思われますし、作者が作品に自分の子供時代を反映しているなら、作者は1894年(明治27年)生まれですから、明治末あたりまでさかのぼることもできるかもしれません。
(ただし、前書きでは、7つの女の子の話をきっかけにこの話が生まれたと書いてあります。)

さらに、先の記事の追記にリンクしたブログドイツおもしろ生活の う~のすけさんは、木製筆箱をドイツの蚤の市でけっこう見かけるとおっしゃってますので、欧米諸国の中でも、筆箱文化があった国となかった国があるのではないかと私は思っています。

学校と家の両方に文具を置く経済的余裕があったかなかったか、あるいはものを必要以上に持たないのが美徳であったかどうか、愛着のあるものを常に使い続ける気持ちが強かったかどうか、学校の机がどのくらい収納ができたか … その地域のいろいろな事情で、筆箱は必要なかったり、必需品だったり、一定の形を保ったり、多様に発達したりするものかもしれないですね。

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【この後も筆箱事情を調査し続けています】

→ カテゴリー シリーズ:筆箱事情調査 へ

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明治の舶来木製筆箱の図版 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その3

Kero556さんのブログの一つ、コーリン鉛筆カタログ化計画 ANNEXの記事倉敷意匠計画室さんのペンケースで紹介されていた木製筆箱「ならのペンケース」は、2段になっていて、上のふたをずらすと、ストッパーの部分がはずれ、一段目がくるんと回転して下の段のものが取り出せる素敵な仕掛けになっています。
(ペンケースの商品画像は、ショップ Minette の商品紹介ページへ)

これと良く似た形の筆箱が、先にあげました明治43年(1910年)の『伊東屋営業品目録』の中に紹介されています。(→『伊東屋営業品目録』について詳しくは、記事「伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その1」をごらんください。)

Photo

図の上の筆箱がそうで、上の蓋がストッパーの役目をしているところも、上の段に筆記用具用の溝を切ってあるところも、下の段が平らになっているのも似ていて、きっと同じ起源の筆箱なのだろうと思います。
下図の筆箱は一段のみで、その分安価です。
説明がないので、書いてある絵がエナメルのような彩色なのか、彫刻なのか、あるいは単色の彩色なのかはわかりません。
けれど、写真でなく精密に描かれた図版はとても素敵でうっとりしました。

この筆箱は子ども向けのもののようです。
以下、カタログの紹介文です。(旧漢字は新漢字に改め句読点を補い、現代語訳をつけました。)

Jpg 教育石盤ト筆入

教育石盤ハ玩具部ヨリ発売シツゝ、筆入ハ当文房具部ノ特別輸入品ニシテ共ニ児童贈答用品トシテモツテコイトイフモノ。
【教育用の石版は(伊東屋の)玩具部から発売しているもので、筆入れは当店の文房具部の特別輸入品であって、ともに児童用の贈答品としてもってこいな品物です。】

何故に適当デアルカトイヘバ、一ハ智育トナリ、一ハ実用として永久使用セラルゝヲ以テナリ。
【なぜ贈り物として適当であるかというと、一つ(石盤)は智を育てるものであり、一つ(筆箱)は永久に使われるものだからです。】

故ニ、斯ル場合ハ、何ヲオイテモ其ノ何レカ、或ハ二種トモ御用命肝要ナリ。
【なので、このような(贈り物の)場合は、何を置いてもそのどちらか、あるいは両方ともご注文くださるのが大事です。】

そんなこと言われましても^^;

さて、この筆箱は現在ならどの程度の値段なのでしょうか。
当時と今では物の価値が変わっている場合もありますが、例として鉛筆をあげて比べてみましょう。

この伊東屋のカタログには高級品の鉛筆しか出ていないので、別の資料を使いました。
『続・値段の 明治大正昭和 風俗史』(週刊朝日 編 朝日新聞社)は、いろいろな品物の値段の変遷を集めてある本ですが、その中の「鉛筆」の値段を見てみます。

Photo_2 一番近い時代は明治40年で、このときの鉛筆の値段は2厘です。(同書 P65掲載 資料提供:日本鉛筆工業協同組合、三菱鉛筆)

鉛筆の種類は、学童・一般事務用の普及品の標準小売価格だそうですから、今なら三菱の9800番かトンボの8900番、1本40円程度≒2厘と考えてみると、1銭は200円くらいになります。

となると、くだんの品々の値段は、

・教育石盤(38銭) … 7600円 annoy

・二段式筆箱(35銭) … 7000円 annoy

・1段筆箱(23銭) … 4600円 annoy

…これが、「趣味の文房具」じゃなくて、「学童用文房具」なんですよ~coldsweats01
しかも「何ヲオイテモ其ノ何レカ、或ハ二種トモ御用命肝要って言いきってるあたり…凄い。凄すぎる。
実際は、15銭~50銭のものがあるので、舶来筆箱の値段は3000円~1万円っ!
もちろん、当時の舶来ものは今とは比べ物にならない貴重品で高価なのでしょうが、これからこのカタログの商品の値段を見るたびに、ギャ~! と叫んでしまいそうです 笑

※値段の換算については、資料によって変わると思いますので、あくまで参考ということで。
もっといい換算方法をご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてください。

【追記】

この形の筆箱(ドイツ製)の画像が出ているブログを見つけたので紹介します。

ブログふいんすの記事 筆箱(Pencil case)

ドイツの老舗文具メーカー「RYLA(リラ)」の製品だそうです。(現カタログにはないらしい)
溝の切り方は「舶来製筆箱」と多少違いますが、蓋をずらすと上の段が回転する仕組みは同じ。
12年前にドイツに行かれたご友人からのお土産だそうです。
100年くらい使えるんじゃないかと書かれているくらい丈夫そう^^(だったら高価でも元はとれるのかも)

ブログドイツおもしろ生活の記事 古い筆箱 ☆スライドするんです☆

蚤の市で買われた、同じく回転式で、蓋にcmとインチの目盛りがついているタイプの筆箱の画像が掲載されています。
ドイツではインチは使わないので、イギリス向きに作られたの製品かも、という推測をされています。
そちらの蚤の市ではよく見かけるけれど、「アールヌーボー調の絵が描いてあったりすると一気に値段も上がる」そうで…
ということは、伊東屋の図版のタイプは「絵が描いてある」ものではないかしら。

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【続きの記事】

 「『文房具の歴史』(野沢松男)の筆箱考察 ~続・明治の舶来木製筆箱の図版~」 へ

→ カテゴリー シリーズ:筆箱事情調査 へ

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伊東屋の一足早い「猫の日」 ~猫文具いろいろ~

先日、伊東屋に寄った折、見てきたのは地下だけだったのですが、ファンシーもののコーナーに猫グッズがいろいろありました。
自分が猫好きというのもありますが、2月14日のバレンタインものより先に、2月22日の猫の日コーナーも簡単に作れそうな品揃え。
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まず、ダイカット(型抜き)タイプの猫ふせん(ポストイット)。
台紙に貼ってある4種類のお菓子になっている猫は、サンエックスの猫キャラクター「にゃんにゃんにゃんこ」のにゃんこカフェの発想と同じようですが、もう少し猫がリアル。
猫の形がかわいいです。
Choochoo line sticky(tea set) 韓国製 輸入元 ㈱ジェンナー 1470円
このほかに、白雪姫や赤頭巾などの童話コスプレ猫シリーズと、もう1種類ありました。
他にもあったと思います。
(このシリーズは、韓国のデザイン文具・雑貨ショップ Sopumaul でたくさん販売されています。)

右側の個包装タイプ2種は、「ダイカットスティックメモ 貼ってはがせるメモ80枚入り」
前から見かけた気がしますが、上のが「チャトラ」、下のが「ネコ」(…)です。(他にもありました)
Greeting Life Inc. 税込525円
(HPに、会社で飼っている猫の写真入りブログここんとこのニャーも併設)

右上の猫の立体は、「フィギュアマグネット みけねこ」(中国製)税込788円。メーカー不明。
これは、中心に強力なネオジム磁石がついていて、メモなどをはさんで立てることができます。(これも以前から見かけていますが、猫ものが並んでいたので、つい)
04 02

こんなふうにすれば、「壁抜け男」ならぬ「壁抜け猫」を作るのも簡単♪

05

でも、ばらばらにして置いておくと、かなり猟奇 ^^;
磁石が強力なので、すぐにくっつきますけれど。(他に、あめしょ、ちゃとら、くろねこがあります。犬は くろいぬ ちゃいぬ があるようです。)

地下2階にはこのほかも、エコバッグなどの布製品の猫柄のものも目につきました。

地下1階スタンプコーナーには、「不思議の国のアリス」のスタンプセットが。
06 缶に、紙のシールが貼ってある容器で、中には大小5個のアリスのスタンプが入っています。
(ジョン・テニエルの挿絵をスタンプにしたものです。)

当然、猫好きとしては、チェシャ猫は外せません^^
それと、懐中時計の白ウサギもほしかったので、2セット買うことになりました。
02_2

買ったのは、3集と4集です。(1~4集があり)
チェシャ猫は3集に入っています。

他に、新しい音楽柄鉛筆や、何度も品切れだった、ミドリのD-クリップスのペンギン柄もようやく入荷していて、手に入ってうれしかったです。

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伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その2

今回は、前記事伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その1の後編です。

同じく、出典は1910年(明治43年)の『伊東屋営業品目録』で、前回の続きからです。
太字は原文、【  】内は現代語にしてみました。
・旧漢字は新漢字に改めました
・補った表記はカタカナにしてあります(例:奉存候 →存ジ奉リ候)(不 → ~ズ)
・句読点を補いました

伊東屋は時代の要求に従ひ、常に改良文房具の考案作成に苦心仕り居り、又、絶へず欧米諸国に於ける流行の粋を撰び、賞翫と実用とに適せるものを逸早く直輸入取揃へ居り申シ候。
【伊東屋は時代の要求に従い、常に改良された文房具の考案や作成にに苦心いたしており、また、たえず欧米諸国における流行の最高水準のものをえらび皆様に愛でられ実用に適したものをいちはやく直輸入し取り揃えております。】

及び、洋式帳簿は、紙質の善良、装丁の堅牢を期し、又、カードの立案及び容器の設計は、御満足に御用便致ス可ク候。
【及び、洋式帳簿は、紙質の良く、装丁の丈夫なものを期し、又、カードの立案およびカード容器の設計は、皆様がご満足にお使いになれるようにいたします。】

又、一般の活版石版印刷等を取扱ひ居リ候。
【又、一般の活版や石版の印刷等を取り扱っております。】

猶、地方顧客各位の為め、特に地方係を設け之有リ、各位の厚き御愛顧に依り、日に増し繁盛に相趣き候段、有リ難キ仕合セト奉リ候。
【なお、地方の顧客のため、特に地方係を設けてあり、皆様の厚いご愛顧により、日ごとに注文が増し繁盛にむかっておりますことは、ありがたき幸せと思っております。】

今後に於ける当伊東屋の営業振りは、慥に小売販売の範を示すべきものと自信仕り、励精以て御厚情に酬ひたてまつるべく候間、倍旧の御引立のほど願ヒ上ゲ奉リ候。 敬白
【今後における当店伊東屋の営業ぶりは、たしかに小売販売の模範を示すべきものと自信を持っており、業務に励み努力することによってみなさまのご厚情にお応えしておりますので、従来にも増して一層お引き立てくださいますようお願い申し上げます。敬白】

伊東屋

まだまだ洋式文具そのものが不足していた時代、伊東屋はその開拓者として、自ら時代に合ったオリジナル文具を考案し、あるいは、こういうものを作ってほしいという要望にこたえて製作をしていたのですね。
Photo_2 カード情報整理が既に行われようとしていたのも驚きです。
舶来ものも、美しく鑑賞に値するだけではなく、実用的な機能も持ったものを選ぶ。
そして、地方に住み、伊東屋に来店できない人のための通販に力を入れています。
(このあと、この時代の郵便制度を取り上げるつもりなのですが、明治43年には、今、私たちが利用している郵便関係のシステムは、すでにほとんど整備されているのです。驚くべき速さです。)

もちろん、伊東屋が扱っているものは、高価な洋式文房具です。
一般庶民が、伊東屋のカタログを手に文具を注文できたわけではなく、利用できたのは一部の名士や富裕層であったことでしょう。
それでも、この文面からは、お客を選別する気持ちが感じられないのです。

「新式文房具は、必ずあなたの仕事を能率を上げて利益を与えるものなのです。」
「一刻も早く、この新しいシステムを取り入れて、その効果を確かめていただきたい。」
「新しい時代を生きるあなたには、この新式文房具こそがふさわしい。」
それを選ぶお客の精神が革新的であるかないか、それだけを問うているように思えます。

伊東屋は自らを「小売販売の範を示すべきもの」と自信を持って言い切っています。
この時代の他の目録類を見たことがないのでわかりませんが、時代の勢いもあるとは言え、ほれぼれするような巻頭言だと思います。

※ この本については、これから気の向いた時に取り上げていきます。

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【関連記事】

→ 「明治の舶来木製筆箱の図版 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その3」 へ

→ 「 『文房具の歴史』(野沢松男)の筆箱考察 ~続・明治の舶来木製筆箱の図版~」 へ

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伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その1

文具店の老舗、銀座伊東屋の創業は、1904年(明治37年)です。(出典:ザ ステーショナリー―銀座・伊東屋100年物語 P.68)
1947年(明治40年)には、『伊東屋営業品目録』というカタログをすでに発行しています。

その改訂版、1910年(明治43年)の『伊東屋営業品目録』を入手しました。
01 02
カタログは「非売品」とあるので有料ではなかったようです。
最後の切り取られたページは注文用紙でしょうか。
このカタログを見て注文をされた方のものらしく、表紙裏には何をいくつ注文するという書き込みがあります。
表紙の文字と絵はモスグリーンのインク、営業精神などは青インク、商品説明は黒インクと、印刷業も営んでいた伊東屋の印刷見本にもなっているのでしょうか。
つやつやの紙に印刷された店舗の写真ページもあります。

この目録からは、当時の伊東屋のことだけでなく、その時代の空気を感じさせるものがたくさんあり、資料としても大変おもしろいものです。
精密に描かれたいろいろな文具の図版は素晴らしく、よく文房具の本にも紹介されています。

今回取り上げるのは、序文の「伊東屋営業精神」です。
候文で書かれた文章は現代語訳にはない力強さがあります。
太字は原文、【  】内は現代語にしてみました。
・旧漢字は新漢字に改めました
・補った表記はカタカナにしてあります(例:奉存候 →存ジ奉リ候)(不 → ~ズ)
・句読点を補いました

伊東屋営業精神

謹啓

益々御清栄、大慶ニ存ジ奉リ候。
【(皆様の)ますますの御清栄を 大変めでたいことと思っております。】

事務の整頓は、新式なる帳簿組織と進歩せる文房具の活用によって、始めて敏活なるを得べし。
【事務を整頓することは、新式の帳簿組織と進歩した文房具を活用することによって、初めてすばやく行えるようになるのです。】

文明の書斎と事務室には、文明の文房具を要すること、敢えて申し上ぐるまでも之無き義と存じ奉り候。
文明の時代の書斎と事務室には、文明の文房具を必要とすることは、あえて申し上げるまでもありません。】

然しながら、習慣の力は、往々この新式用具の使途を鈍らしめ、改善に躊躇致さす場合も之有リ候は、遺憾に堪ヘズ候。
【しかしながら、今までの習慣で、往々にしてこの新式用具を使うことが遅れ、改善することに躊躇する場合もあることは、とても残念に思います。】

将来、事務倍々多端を極め、各種の新経営を促す時代に於いては、到底旧来の大福帳的巻紙的のものにては、如何に敏活なる事務家とても能く完全を期すること不可能の義と存ジ奉リ候。
【将来、事務がこの上なくどんどん増えていき、いろいろな新しい経営の仕方を促す時代においては、到底、今までの大福帳や巻紙のような文房具を使っていたのでは、どんなに優秀な事務家でも完全な仕事ができると期待はできないと思います。】

されば、一刻も早く茲に意を注がれ、漸次改善の途につかれ候はば、始めて旧来の迂なりしを悟り、改善後の如何に利益の多大なるかを讃せらるる事と相成ルト申ス可ク候。
【なので、一刻も早くこの点にお心がけになり、少しずつ改善されていけば、初めて、旧来の方法がどんなに非能率的であったかを悟り、改善後の利益がいかに多大であるかと称賛されることになると申し上げることができます。】

改善の一日早きは、一日多くの利便を得る儀に他ならず候。
【改善を一日早くすることは、一日多くの利便を得ることに他なりません。】

(後半に続く)

この文章から感じられるのは、少し前のOA革命、コンピュータシステムの導入の時のような勢いです。
文明開化の時代、これから飛躍的に増えていく事務を、いかに能率的に処理していくか。そのためには、新式の文具により事務を改善していくことがどうしても必要なのだという熱い語り。
文房具がまず事務用品として重大な意味を持っているのがわかります。

次回は序文の後半です。

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《この部分に言及しているサイト》

店主敬白~銀座伊東屋 … 同じく明治43年の目録の文章をとりあげています。

伊東屋 文具物語 … 明治40年、43年の目録の文章をとりあげています。

【このシリーズの続きは】

→ 「伊東屋の営業精神 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その2
   巻頭言の後半を扱っています。

→ 「明治の舶来木製筆箱の図版 ~明治43年『伊東屋営業品目録』より~ その3
   この目録にのっていた木製筆箱と現代の筆箱の相似点を書いています。

→ 「『文房具の歴史』(野沢松男)の筆箱考察 ~続・明治の舶来木製筆箱の図版~
   筆箱が日本起源のものかという野沢氏の考察に、児童文学の内容をあげ、外国にも筆箱があったのではという異論を書いてみました。

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ステーショナリー タニィの秘密8 小さな店にできること

ステーショナリー タニィの秘密7 面倒見の良い店長さん の続きです)

先ごろ、銀座伊東屋本店の売り場や取り扱い商品が大きく変わりました。
それまで扱っていた商品のうち、帆船模型用品、清書用料紙、レタリング用品、エアブラシ用品、コミック用品、カッティングシート、アクリル板などの取り扱いがなくなりました。(詳しくは、銀座伊東屋HP「取り扱い終了商品のお知らせ」参照)

少し前まで、伊東屋のイメージは「文具のデパート」「置いていないものはない」でした。
実際、伊東屋の本を見ても、2004年発行のザ・ステーショナリー 銀座伊東屋百年物語』(ピエブックス) には、以下のような記述があります。

■その他の画材
銀座界隈から画材店が姿を消しても、伊東屋では長年販売してきた商品の取り扱いをやめることはほとんどありませんでした。発売当初は年末に1日100台以上販売した「プリントごっこ」も、今でも消耗品を揃えているところはあまりないでしょう。エアブラシの修理ももちろん承っています。今でも「ガリ版の原紙はないですか」というお客様がお見えになります。こちらも、販売いたしております。(同書 P53)

■求める人がいる限り
ボールペンのリフィールもそうですが、謄写版用の原紙もまだ扱っています。さすがに、謄写版本体はもうありませんが、お使いになっている方はまだいらっしゃるので。じつは、原紙を作っていたメーカーはなくなってしまって一時期絶版になっていたのですが、あまりにも問い合わせが多いので、商品開発の担当者が作れるところを探して、やっと作ってもらいました。ですので、伊東屋以外に販売しているところはないと思いますね。(同書 P107)

ここでは、売れ筋商品ではないものもむしろ積極的にそろえようとする伊東屋の姿勢が感じられ、またそこに誇りを感じている店員さんたちの姿がうかがえます。

しかし、それが変質したと私が感じたのは昨年の秋です。
時間があったので、久々に伊東屋の各フロアーをゆっくり見ていた時のこと。
あるフロアーで、お客さんが店員さんに「○○はありませんか?」と尋ねていた時、
「うちでは扱っていませんねえ」とだけ答えているのを聞いたのです。
それも、そのフロアーにいた、さほど長くない時間に、3度も。

確かに、お客さんたちが尋ねていたものは、どれもあまり売っていなさそうなものでした。
でも、私と同様、お客さんたちは「どこにも置いていないけど、文具のデパート伊東屋にならきっとあるのでは」という大きな期待を抱いてわざわざ出向いてきたのだと思います。
中には遠方の人もいたかもしれません。
そんな問いが立て続けに来たのも「伊東屋ならでは」とも言えると思います。
なのに、それを「扱っていません」だけで、扱っていそうなところを教えるでも代替品を紹介するでもこういう訳で扱えなくなったと説明するでもないのは、なんとすげない扱いであることか、と思いました。

でも、その後の伊東屋の商品取り扱いの変化を見ると、老舗の伊東屋でさえ、もはや文具の「デパート」としてでは経営していけないのではないかと感じました。
たくさんの品を並べた中からお客が選択するのではなく、お店が選んだ売れ筋やアンテナにひっかかりそうな商品、あるいは単価の高い高級品を並べたセレクトショップへと変身していかなくては、もはややっていけないのでは、と。
他の大きな文具専門店も、同じような事情を抱えているのではないでしょうか。

一方、価格で優位の量販店は、扱い商品が限られ、探すための知識がお客に要求されます。

ある量販店の文具コーナーで、お母さんがお子さんに話しかけながら文具を探していました。
「ドライヤーで温めると消えるボールペンがあるって」とボールペンのコーナーを見ていました。(確か、「テレビでやっていた」と言っていたと思います。)
ああ、これはフリクションボールだな、と思って、私もそこで黙って一緒に探してみたのですが、これがどこにあるのだか容易にわからない。
袋に入って下がっているボールペンはいっぱいあり、特に目立った表示がついておらず、フリクションボールのメーカーや特徴を知っている私でもなかなか見つからないのです。
結局、そこにはフリクションボールは置いていなかったのですが、その方は、商品名を覚えていなかったため、そこにあったのかなかったのかもたぶんわからないままその場を去っていきました。
店員さんがなかなか現れないのもまた量販店の特徴ですし、入荷もしていない「ドライヤーで消えるボールペン」そのものを知らないかもしれません。(本来、フリクションボールは「消せるボールペン」ですしね)

安価なことでは100円ショップも見逃せませんし、100円ショップ用の品だけでなくメーカー品もかなり見受けられますが、無理にコスト100円に抑えているために品質に問題のあるもの、100円ではそもそも作れないため店にないものも多くあります。

ネットショップは、指名買いするのには便利ですが、メーカー名や商品名がわからないものを探すのには苦労しますし、「こういう用途に使えるものが何かないか」といった曖昧な探し物には向きません。
まとめないと送料が発生するのも問題点です。

小さな文具店がそういうライバル店の中で生き残っていくためには、それらの店にはない(できない)特長を打ち出していく必要があるでしょう。

ステーショナリー タニィから感じたことは次のようなことです。

1 得意分野を充実させ、自分の店でできない部分は他店と連携する、すぐ取り寄せるなどの手段を持つ

2 その土地のお客さんに求められているものを売れ行きだけでなく会話や質問からつかんで対応する。

3 お客さんの手助けをするという姿勢で接する(説明書きなども)

4 商品知識、経験、アイディアで柔軟に対応し、そのための情報収集を常に行う

5 目先の損得でなく、長い目で見て愛される店になればいいとする

6 変化する楽しさと、変化しない基本の両方を持っている

7 「普通」の部分に詳しく、「普通」を大事にしている

8 自分が文具を愛している

豊富な品揃えができない分、専門性や人柄で、大手のできないところを細やかに埋めていく、そこに小さな店が生き残っていく道があるように思います。
「この店がなくては私たちが困る」と思える店になるのは簡単ではないと思いますが、ステーショナリー タニィはすでにそういう店の一つになっているように思いました。
素敵な店長さんと「専務」さんの「人の力」によって。

次回は、番外編「ウルトラな町」をお送りする予定です。
(というか、訪問から季節が変わってしまって本当にすみません 泣)

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→ ウルトラな街 祖師谷 ~ステーショナリー タニィのあるまち~ へ

→ 番外編 ステーショナリー タニィの「ノンボテ」記事 へ

 関連記事を カテゴリー シリーズ:ステーショナリー タニィ にまとめました。 

    

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銀座伊東屋のメルシー券廃止

ネットで調べ物をしていたら、銀座伊東屋のHPに、メルシーカードのご案内という見慣れないものがあり、そのページを開いてみたら、「メルシー券発行終了のお知らせ」が出ていました。
2009年1月31日をもって終了だそうです。

初めて伊東屋に行ったとき、こんな金券がもらえるとは知らなくて驚きました。
100円、50円、10円の券を混ぜてお釣りと一緒にさっと出してくれて、こちらがメルシー券を混ぜて支払っても、その会計が滞ることもなく鮮やかなものでした。
割引のない伊東屋での、それがサービスでした。

大きなものを先に買って、後からメルシー券で小物を買うようにしたのは、ハンディコピー機の「写楽」を母が買ったあたりからだったでしょうか。
それでも、現金で払った分はまたメルシー券が戻ってきて、最後に何枚か残ってしまうのです。
期限切れのないメルシー券は、次に行った時のためにと保存し、たまになくし、今は東京の店舗のポイントカードの入ったケースに一緒にしまわれています。

そうですか、なくなってしまうんですね。
「ひがみちゃんJam」というマンガの中に、主人公が財布か何かをなくして「○○も、○○も、伊東屋のメルシー券も みんな ない!」なんて台詞があって、おお~、この人も伊東屋で文具を買っているんだ、とうれしかったこともあります。
(そこしか覚えていないのもどうかと思いますが^^; 違っていたらすみません)
きっと、いつかメルシー券で大物を買おうと、使わずに貯めている人もいるんじゃないかと思います。
小さいけれど、もらうと幸せでした、メルシー券。

メルシーカードのポイントは、当初は5%ですが、来年2月からは3%になり、有効期限は24か月だそうです。

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その8 ケルボの子孫

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方」 の続きです)

ケルボは、ネットで断片的に名前が出てくるので、情報を拾ってまとめてみることにしました。

まず、ザットユーロビートさんのブログ「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」に、貴重な「ケルボ発売」の広告の画像が出ていました。
雑誌「明星」の1980年のもので、「米国製」「ペーパーメイト」「消せるボールペン ケルボ」とあります。
商品は台紙つきのパッケージで売られており、台紙にケルボの名称や説明があり、本体画像には軸に文字が写っていないので、本体はイレイサーメイトそのものの可能性が高いです。

ゴローも、消した。
ふつうの消しゴムで消せる唯一のボールペン、ケルボ

間違いだらけのラブレターなんて……。ケルボを知らなかったのね。ケルボなら、書くときはふつうのボールペンだけど、HBの鉛筆で書いたものと同じくらいカンタンに消せるの。試験でも、レポートでも、もちろんラブレターだって、もう間違いはふつうの消しゴムでOKよ。
ケルボは、アメリカの一流ブランド、ペーパー メイトが開発した、革命的なボールペン。特殊なインクを使っているので、間違えても消せるのです。ただし、一定の期間がすぎれば、インクは定着して消せなくなります。全国のデパート、有名文房具店等でお求めください。ペーパー メイト パワーポイント ボールペン シリーズも同時新発売。ケルボとは違うふつうのインクのボールペンで、360°上向きでもなめらかに書ける、独特の機構を持つ高品質の製品です。

価格 500円 / 軸色 黒 青 赤 / 替芯 350円 / 米国製

違う加圧式ボールペンがまた出ていますが、それは今回はおいておくことにします(汗)。

また、Yumiko Yamaguchi さんの 「日々の雑貨」 2002/04/19消せるボールペンの記事の中には、「Erasermax」「Eraser Mate」についての興味深い記述があります。
(D-ink は2001年に発売されたパイロットの「消せるゲルインキボールペンです。)

(前略 D-inkと)もう1種、愛用しているのが、PAPERMATEの「Erasermax」。「D-ink」のような色とりどりの華やかさはなくて、黒のボディでキャップの先に専用消しゴムがついています。一般の消しゴムでも消せます。専用の方がよく消えるような気がしますが。ただし消せるのは書いてすぐ、24時間立つと定着するそうです(実際には1日経っても消せました)。書き心地はこちらのほうがワタシは好き。インクが出過ぎず、長もちします。最初に買った時は黒1色しかなく、しばらくして、赤も売っていることに気付き、ついこのあいだ別の店で青も見つけました。こっちの赤はインクの色もマット系です。「D-ink」の赤は金赤(ブライト系)。ところで、もう1種類、2、3年前に、買ったのかもらったのか、抽き出しから出てきた消しゴム付きのボールペン、ほんとに消せるのにいまごろ気が付いた!のです。「うそやろ」と思って試していなかったのです。ジョークで消しゴムがついていると思ってた。だとするとずいぶん前に「消せるボールペン」があったということになりますよね。このボールペン、「Eraser Mate」って書いてあります。インクは「Erasermax」タイプで、消しゴムがそっくり、前身かもしれません。 (後略)

ここから、ペーパーメイトの消しゴムで消せるボールペンの変遷がわかります。
(この方はケルボをご存じなかったようで、20世紀には消せるボールペンがなかったとおっしゃっていますが、実はあったわけです。)
つまり、イレーサーメイト(日本名ケルボ)  イレーサードットマックス となるわけで、イレーサードットマックスは、ケルボの子孫、ということになります。

それが、日本でどう流通していたかは、掲示板のログからうかがい知ることができました。(過去ログのためうまくリンクが貼れません。元の全文は検索で探してください。)

「PILOTの「消しゴムで消せる」“D-ink”ってどうよ? 」(2001年~の過去ログ) より

27 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/17 22:47
消せるボールペンだったら
ソニプラに売ってある製品が優秀

29 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/18 02:11
>>27
もしよかったら商品名教えてください。
消せるボールペンってすごく便利なんだけど
買ったら色が薄くて失敗でした。
昔買った指で消せる蛍光ペンはあたりだったけど。

30 名前: 27 投稿日: 01/10/18 09:34
>>29
eraser.max MED って印字されています。
また別の箇所にPAPER♥MATEと印字してあります。
色は、赤・青・黒がありましたよ。

42 名前: 投稿日: 01/11/23 12:59
30>サンフォードジャパンから出ている定価200円の物です
D-inkより50円高いけどこちらのほうがいいみたい

44 名前: ななしさん 投稿日: 01/11/30 02:05
20年前に、消しゴムで消せるボールペン使ったこと有るよ。
普通のボールペンより、べとっとした感じのインクでしたが、全然流行らないまま
消えてました。

47 名前: おかいものさん 投稿日: 02/01/08 00:27
ソニプラのerasermax買ってみました。
D-inkとちがって
本物のボールペンみたい。
しかもちゃんと消える。感動しました。
ただ消しゴムがついていないと消せるペンって
だれも気付かないんじゃ?

8 名前: ななし 投稿日: 02/02/19 04:42
20年前の「ケルボ」と比べてどうですか?

2 名前: おかいものさん 投稿日: 02/04/12 21:50
>>58
ケルボ!そういやそんな名前だった…

2001~02年当時は、イレーサードットマックス輸入文房具として、ソニープラザなどのごく限られた場でのみ売られていて、「消しゴムで消せ時間がたつと定着する」という性質はそのままながら、使った人から高く評価される性能になっていることがうかがえます。

サンフォードジャパンは、ペーパーメイトを含む複数の海外文房具会社のグループのようで、ペーパーメイトの製品がここの製品として扱われていることもあるようです。(→詳しくは サンフォードジャパンのHP へ。会社組織は全然わからないのですみません。)

また、「ケルボゼブラの製品」という情報もネットではいくつか見つかりました。
しかし、別の本『文房具の研究 心ときめく世界の文房具』(中央公論社 別冊暮しの設計6 1981年)のケルボの紹介文でも、

ケルボ。消しゴムできえる三菱ボールペン。500円(伊東屋)

とあるので、複数の本がそうそう会社名を間違えることもないと思われ、三菱が扱ったものと考えてよいと思います。

また、『アメリカ文具図鑑』(梅沢庄亮 立風書房マンボウブックス 1982年)には、ケルボⅡが紹介されています。

ケルボⅡ(KB1200)
ふつうの消しゴムでも簡単に消せる特殊ボールペンのひとつ。ボディのプラスチック部を片手でもち、もう一方の手で金属部を右にひねると、ペン先と消しゴムが同時に出てくるのがおもしろい。
とかく書き換えが多い電話番号簿や住所録に、これを使うと、ひじょうに役立つ。ただし、時間の経過とともに描線が定着し、消えにくくなるのも確かである。また、容易に消せるため、公文書等には使うことができないから要注意。太さは、ミディアム・ポイント(1ミリ)、インクは黒。替え芯内部でインクに圧力がかかっているので、ペン先をどんな角度に向けても書けるのも特徴のひとつである(ペーパーメイト)。

ケルボのインクは24時間で定着が売りなのに、住所録にすすめるのはどうかと思ったりしますが、ここにもペーパーメイトの名前がありますので、ケルボⅡも国産ではなさそうだと見当がつきます。

今回の情報を加えて、前回の表を修正すると以下のようになります。

修正版 ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1980年 日本で「ケルボ」の愛称で「イレーサーメイト」が販売される。
     (ペーパーメイト製品として、三菱鉛筆?が販売)

1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。(※追記参照)

1985年頃まで 「ケルボ」「ケルボⅡ」並行で日本の文具店で売られる。

1986年 「ケルボ(イレーサーメイト)」一般文具店から姿を消す

2000年頃まで? ペーパーメイトの「イレーサーメイト」
                       輸入品店などで細々と売られ、その間に改良が進む。

2001年までに ペーパーメイトの「イレーサードットマックス」発売される

今後もまだ訂正、補足が出てくるとは思いますが、「ペーパーメイトは日本での評判にかかわらず、ずっと、消しゴムで消えるボールペンを作り、改良を重ねていた」ということがわかりました。

しかし、日本では「ケルボ」として売られなくなってから、しばらく「消しゴムで消せるボールペン」は一般文具店では見ることができず、限られた人が輸入品店などで見つけて愛用する品となったのです。

 
このため、2001年の「消せるゲルインキボールペン」D-ink が出たときには、ケルボのことを知らない人も多く、「消せるボールペン」はブームになり、また、問題もおこしたのでした。 (続く)

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その9 かつ消え、かつ結びて へ

※追記

広告資料が見つかったため、年表中の「1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。」は、「1981年までに」となることがわかりました。

詳しくは、
→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その11 ケルボⅡの広告より へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力」の続きです)

私のリンク先のモルBさんのブログモ印良品に、先日、書き直しができる油性ボールペンという記事が書かれました。

そのボールペンの名前は「イレーザー・ドット・マックス」
モルBさんの愛用品の一つとして紹介されていました。

実はこのペン、油性でありながら普通の消しゴムで消せるということの他に、時間がたつと今度は一転して消せなくなるという性能を持っています。

これって、昔の 消しゴムで消せるボールペンケルボそっくりの性質だなあと思って、コメントを書きました。(ついでにこのシリーズの予告も…)

その後、ノンボテの記事を書き始めて、記事「その3」の資料の本をいろいろ探しているときに、ケルボの会社名がペーパーメイトなのに気づきました。
あれ? ケルボって国産じゃなかったっけ? と別の本を見たら今度はケルボⅡの会社名が三菱になっています。

で、先のモルBさんのブログに戻ってみたら、そこには「ペーパーメイトのイレイザー・ドット・マックス」と確かに書いてあります。

どうも、ペーパーメイトが絡むところに「消しゴムで消せて、時間がたつと消せなくなるボールペン」があるようだなと思いました。

探してみると、1984年の『文房具図鑑』(ステレオサウンド)には、次のような記事がありました。

特許訴訟まで起こし業界ではもちろんのことニューヨーク・タイムズまでも取上げた消しゴムで消せるボールペンは、そもそもの発明者ペーパーメイト社によって着実にぼくたちの机の上に顔を出し始めている。
アメリカではボールペンのインクの色は何と言ってもブルーで、次にと言えばレッドということになるだろう。イレーサーメイトもついにレッドを発表した。スティックペン(鉛筆のような形のペン)タイプをイレーサーメイト2と呼んでいるが、それのレッドがやっと発売され始めた。書き味はブルーのものに比べると特長でもあるネバッコさが無いようである。

(P18 「市浦 潤氏のコレクションから」 より)

…やはり、消しゴムで消せるボールペンの元祖ペーパーメイトのようです。
ここに出てくるボールペンの名前は イレーサーメイト イレーサーメイト2 です。

同じ本に取り上げられている同じ性質のケルボペーパーメイトの品。
たぶん、日本向けに売り出すにあたり、愛称を「~ボ」族のケルボにしたのでしょう。
画像がはっきりしないので、軸に「ケルボ」と書いてあるかは不明です。
ひょっとしたら、「ケルボ」とはパッケージだけに印刷してあって、本体は「イレーサーメイト」だったのかもしれません。

その翌年1985年のケルボⅡ三菱の名がつくのは、推測ですが、三菱鉛筆が輸入代理店のような扱いをしたのではと思います。(独自開発をしたにしては、その系統の製品がないようなので。)

しかし、ケルボは話題になりましたが定番化せず、しばらく「消せるボールペン」は一般文具店から姿を消したようです。

1986年発行『文房具 知識と使いこなし』(市浦潤 新潮文庫)に、イレーサーメイトの説明がありますが(先の文章と同じ著者ですね)

「24時間以内なら、キャップに付いた消しゴムで消すことができる。*」

と、がついています。
*がついている商品はあまりないので、解説を見たら、

本書に掲載した商品は、*印を付したアンティーク、輸入品を除いて、原則として銀座伊東屋、池袋西武、札幌大丸藤井で入手することができます。

…ということは、イレーサーメイトは伊東屋でも買えない輸入品になっていたということ?
ケルボが買えたのなら、紹介が出ていてもよさそうですから。

【ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1984年までに  ペーパーメイトの「ケルボ」日本で販売はじまる

1985年 三菱から「ケルボⅡ」販売(輸入品?)

1986年 「イレーサーメイト」一般文具店から姿を消す

この通りだとしたら、ケルボが一般市場にあった時間はとても短いことになります。
追記: その8にて、修正年表をのせていますので比べてみてください。)

しかし、この「消しゴムで消えるボールペン(インク)」は、絶えてしまったわけではなかったのです。 (続く)

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→ ペーパーメイト(PAPER MATE) BRAND CONCEPT (社の沿革が簡単にまとまっています。)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫 へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その3 本棚を探してみたら…

「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その2 引き出しを探してみたら…」 の続きです)

昔は、文房具が紹介されているムックや雑誌を眺めて、地方の私は「いつかこれを買いに伊東屋と丸善に行くんだ~」と憧れていたものです。
Photo

『文房具の研究』(中央公論社 別冊暮しの設計)が行方不明なのは残念ですが、他の手持ちの本の中にノンボテや加圧式ボールペンが出ていないか調べてみました。
(ついでに、おもしろそうなものを拾ったら話があちこちにいってしまいました。すみません。)

A 『文房具図鑑』 (ステレオサウンド別冊 1984)
B 『文房具の魅力』(中央公論社 1985)
C 『モノ・マガジン 4月号』(KKワールドフォトプレス 1985)
D 『文房具大図鑑』(ワールドフォトプレス 1998)

結論から言うと、これらの本の中には、ノンボテは出てきませんでした。(残念)
ただ、いくつか気になる商品がとりあげられていました。

A 『文房具図鑑』の中にあったもの
スペースラブ(三菱鉛筆)…画像 上から3本目
「スペース」という語感が気になるけれど、プラスチックの真っ黒なボディは商品名さえ読めず(泣) 100円池袋店 としかデータがない。(後に、ステーショナリー タニィから、このボールペンも今回重要な位置をしめることを教えていただきました。)Photo_2

ケルボ(ペーパーメイト)…画像 上から2本目の黄色のもの
おお~ありました♪ 消しゴムで消せるボールペン。ミディアム1mm。500円(西武池袋店) ペーパーメイトのロゴは、クリップの金属部分に刻印してあります。←けっこう高い。Photo_3

・スペースペン(フィッシャー)…3種類紹介
☆真空でもペン先を上に向けた状態でも書けるボールペン。980円。(ソニープラザ) 画像 上から2本目の水色のもの☆宇宙空間で使えるように作られたボールペンだから、地球上の環境ならまずどんな所でも耐えうるヘビーデューティーさがうれしい。5000円と2500円(西武池袋店) 画像 上から3本目(5000円)と4本目(2500円)Photo_9

ラジボー(セーラー)…ボールペンについにラジオが付いてしまった! いつどこでもラジオ放送が楽しめちゃう。ラジオを聞きながらメモを取るなんてもうお手のもの。AM1バンドで、5000円。他にイヤホーンをグレードアップした6000円、8000円のものもある
Photo_5

…ええと(^^;)
「ケルボ」とか「ラジボー」とか、ボールペン製品は何でも「~ボ」とか「~ボー」が愛称なの?
(というか、ラジボーはすでにイロブンの領域ではないのか? と思うのですが、Cの『MONOマガジン』では、ラジボー3種類全部を写真つきで紹介している熱の入れようです。)

しかし「~ボ」族には、さらにその上をいくツワモノがいました。

それは、B 『文房具の魅力』、C『モノマガジン』に紹介されていた三菱のボールペン、
 「メタボ」 M・E・T・A・B・O
Photo_10 

…まだ、メタボリックシンドロームなどなかったころ、「メタボ」はボールペンだったんですね。(画像は「モノマガジン」のもの)
「メタリックインキの金と銀があり、紙だけではなく、革にも書ける/200円/伊東屋」
なかなか高級なイメージなのに、今となっては復活できないのでは。
プラチナスペースペンより相当安い! 私が見つけていたら買っていただろうに残念です。

さらに、セーラーからは「マルチボ」1000円 なるものも出ています。
「キャップを右に回して黒、左に回して赤の2色ボールペン。ラッカー仕上げの色違いが5種あり、すっきりしたデザインだ。」
(ついでに、セーラーからは「マルシャン」(右に回すとシャープペンシル 左に回すと黒ボールペン、「シャレーナ」(おそらく「おしゃれ~な」ではないかと…の華奢なボールペンも出ています。)

どうも、ボールペンが「~ボ」族なのは、メーカー問わずこの頃の流行だったようです。
その元祖は、現在も残るゼブラの「シャーボ」あたりでしょうか?(1977年発売)
(このあたり、全然詳しくないので、わかる方がいたら教えてください。)

B 『文房具の魅力』の中にあったその他のもの

ケルボⅡ(三菱鉛筆)…あれ? メーカー名が変わっています。先のケルボは「ペーパーメイト」だったのに。
解説は、「ボールペンなのに普通の字消しで消える不思議もの。しかし、一定の時間がたてば、インクが定着して消えにくくなる。/1200円 伊東屋」です。
Photo_7  画像右端がケルボⅡ 左から2本目がメタボ

D 『文房具大図鑑』の中にあったもの

スペースペン(フィッシャー)…「進化するスペースペン」という見出しで、400CM(500円) CR-TP(1万円) 400TP(6000円)の3種類。「未来的デザインが魅力」と解説。Photo_8

画像右から、500円、1万円、6千円のスペースペン

楽ボ/楽ノック(三菱鉛筆)…「~ボ」族。「疲れないボールペン」として紹介。100円。(現在もあります)

この本は先の3種の本よりかなり新しいのですが、加圧式ボールペンパワータンクすでに発売されている時期なのですが、定番商品化しているのか取り上げられていません。(訂正:パワータンクの発売は2001年なので、1998年発行のこの本に載るのは無理)
スペースペンがデザインを変えつつ、不動の地位を保っているのは、さすが元祖の貫禄を感じます。

本にはたくさんの文具が紹介されていましたが、今はなくなってしまった商品がたくさんありました。
今、こんなのあったらほしいなというものが当時出ていてすでに廃番になっていたり、一時もてはやされていたものが全く姿を見せなくなっていたり。
新しく生まれた文具が定番となるためには、厳しく困難な競争を勝ち抜かなくてはならないのですね。

みゃ~さんからのコメントの情報では、ノンボテは、

記憶では…

ボディは白の鉛筆型の六角形断面で、先端部が真鍮色の固定、メーカーは三菱かパイロットだったと思います…。
只、名前負けでボテは有ったような…

ああ、記録が見つからなくても、使っていた人の記憶はこんなにあるのですねえ。

ノンボテはきっと寿命の短い商品だったのだろうと思いましたが、もっと前の雑誌や広告が見つかれば出ていそうな気がしました。

そのうち資料を探そうと思っていたところへ、思いがけないところから回答をいただきました。
私のブログからのリンクをお願いにいった文具店ステーショナリー タニィです。(続く)

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→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その4 ステーショナリー タニィによる調査 へ

 関連記事は、 カテゴリー シリーズ:ノンボテ&ケルボ へ 

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けふこの本棚から発掘されたアンアンって…

昔の資料を探していて、部屋を引っかきまわしていたら、本棚の一番下の段に古い雑誌のアンアンが入っていました。
私、アンアンなんか買った覚えはないけどなあ。今は金子功さんのファンだから、昔のアンアンは資料としてほしいくらいだけど、昔は本当に無縁のジャンルの雑誌だったので。

ひっぱり出してみたら、「an・an 1983年12月16日 №409号」
Anan1_2          「ガラクタ雑貨特集」「かわいい! それどこで見つけたの。」
ああ、なるほど。雑貨特集だから買ったのね、とよく表紙を見たら、そこに「伊東屋 丸善」という文字が!
Anan2_3

さすがに、これでいいのかと思いました。
「たまにはおしゃれでもしてみましょ」でアンアンを買ったわけではなく、ここでまで「伊東屋 丸善」なのかい! 確かに、初めて東京でのお買い物へ行ったときにも、目的地は伊東屋と丸善と神保町だったけどさあ。
「雀百まで わしゃ九十九まで」「アンアンアン とっても大好き 文房具♪」 とか、錯乱して笑うしかない。

Anan3 Anan4          

伊東屋の記事は、目次の後の巻頭見開きで、「丸善と伊東屋 雑貨文化の源流は文房具にあり」で、わざとカラーでなくセピア色の写真で、「いいもの」の文房具が紹介されている。金属や木や紙などのナチュラルな素材のものが多め。(その後の記事ではカラー紹介あり。封蝋とか、スイトールとか。どっちもたぶん私は伊東屋で購入しました)

あとは、西部ハビタと東急ハンズ、100円の王様クレヨン、浅草、浅草橋、神保町、アンチック腕時計探し、ガラクタコレクター…、ああ、今見ても、好きかもしれない^^;

その他の記事は、田中康夫の「今週の眼」エッセイ、松任谷由美の「ボイジャー」の予約受付中、バービーデザイン大賞作品募集中、原田知世の出ている広告「パイロット 水性ボールペン・ローリート」(1000円~15000円)など。

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レター関係 「音楽」その2

レター関係 「音楽」その1 の続きです。今回は、音楽柄のシールやカードなども混じっています。

Photo 「EEP-487-744」 (日本ホールマーク) 〔2000年以降 近所の文具店A〕便箋12枚472円

持ち歩いていたものなのでヨレています。楽譜は白、鍵盤は白と薄紫のエンボス加工がされていて、中の色は青~青紫のグラデーション。大変私の好きな色あいです。罫線はなし。封筒も持っています。

Photo_2 左から
「EEE-522-780」(日本ホールマーク)〔2007年11月 銀座伊東屋〕 封筒4枚 315円 裏表をのせています。

「SL-88」 (FRONTIA) 〔2007年秋 シモジマ〕 180円(上代)

「SL-81」 (FRONTIA) 〔2007年秋 シモジマ〕 180円(上代)

この封筒ならチケットなど入れるのにいいかなと思って買いました。でも、楽譜はすごく嘘で、ヘ音記号の向きが間違っていました。メモ帳も持っていますが、便箋はちょっと色が重い気がして買わなかった。
フロンティア社は音楽柄は特設ジャンルを作っています。青い小花で作ったト音記号は、他に一筆箋なども持っているお気に入りです。

Photo_3 「Hajime no OtO」 (Scope)〔2000年以降? 近所の文具店B〕 便箋2柄20枚399円 封筒5枚315円

不思議と和紙風のデザインなのは、紙の質と飛んでいる四角模様のせいかもしれません。便箋は、表紙のホルン柄のものと鍵盤柄のものがあります。これも罫線はありません。薄い印刷ですが、文字に紛れるようなものではありません。ずいぶん前に買った気がしますが、まだ売っています^^;

Photo_4 「月の砂漠」 (藤城清治事務所) 〔? 藤城清治影絵美術館?〕 便箋10枚 封筒5枚セット ?円

藤城清治さんは子どもの頃から大好きなので、「藤城清治」で分類してもいいのですが、今回の山にはあまり入っていなかったので、童謡として「音楽」に分類してみました。切手の「わたしの愛唱歌」シリーズを、自分が「音楽」に分類しているようなもの。実際は、ポストカードの方がたくさんあります。
昔、藤城清治さんとか、安野光雅さんとか、永田萌さんとかのレター関係やカレンダーをたくさん出している会社がありましたね。Nから始まる会社だったと思います。(探せばいくつか残っているはず)

Photo_6 「一筆箋 YOKOHAMA」 (AKAI・KUTSU YOKOHAMA?)〔2000年頃?
横浜のみやげもの屋〕 ?円

どこにも音符も楽器もありませんが、これはやっぱり「赤い靴」の童謡ですから、勝手に音楽に分類します。中の柄は赤い靴のワンポイントで、シンプルですがかわいいです。横浜オリジナルグッズには、「赤い靴」の楽譜と歌詞のついているクラフトテープもあります。(→既出 「音楽柄テープをさがしてみた」へ) 

Photo_7 左から
「花の旋律」 (NB) FAX用 (?年 近所の文具店A)40枚2柄 300円

「バースデー」(Ahm import Cards)楽器柄グリーティングカード (2007年頃 近所の文具店B) 336円

「メッセージカード カラフル」 (エルオー) インクジェットプリンター用名刺サイズカード 40枚 (?年 店?) ?円

FAX用紙は古紙100%です。花柄にちょっと音符がまじり、セピアと渋いピンクの2色刷り。
バースデーカードは、楽器の形がエンボス加工になっていて細かな金の箔押しがしてあります。このシリーズは凝ったものが多くて、筆記具びっしりのカードもあります^^
メッセージカードは、まわりを五線で囲んでカラフルなパステルカラーの音符が散らばっている柄です。プライスカードにも使えるタイプ。記憶にございませんカードで、いつどこで買ったのだかわかりません。

今回の山に混じっていた音楽柄関係はこの程度ですが、今日、2階で探し物をしていたら、また出てきて…
 (;-_-) =3 フゥ  あまり考えないことにしよう。

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銀座伊東屋の音楽グッズは地下1階から

検索で「鍵盤折りリボンバッグ」でうちのブログにおいでになった方がいましたが、たぶんその製品と思われるものが、銀座伊東屋本店の地下1階にありました。
( → 銀座伊東屋のHPへ)

地下1階は、キャラクター文具、ラッピング用品などが売っているコーナーですが、その一角に、音楽グッズコーナーができていて、ここにも何度か登場しているミュージック・フォ・リビングなどの製品が並んでいました。

具体的には、鉛筆などの筆記具、型抜きなどのメモ、クリップ、ト音記号柄や楽譜柄や鍵盤柄のポーチ、バッグ、クリヤーファイルなど。

鍵盤柄バッグは以前からよく見ていましたが、今回初めて見たのが、黒地の横長のレッスンバッグの下のほうに鍵盤柄が縫い付けてあるのですが、白い鍵盤が一つ一つ分かれた布でできているように見えたものがありました。
鍵盤に触ってみたら、それは一枚の布を折りたたんだひだで、折り山のところが鍵盤の分かれ目になっているのです。(生地はプリーツ加工してあるやや透ける化繊タイプだったかな?)
よく考えたなあと思いました。(メーカー名は見てこなかったのですが、ミュージック・フォ・リビングのとは別のタイプだと思います。ミュージック・フォ…はフェルトの鍵盤で、これも売っていました。)

そのほかにも、、「のだめ」の影響か、バッグ類は、楽譜柄やト音記号柄などいろいろあり音楽柄好きにはうれしい状況になっています。

伊東屋の別の階ですが、2階のレターセットのコーナーには、G.C.INC.や フロンティア などの音楽柄便箋、封筒、などがありますので、音楽グッズ好きな方はこちらも合わせてごらんになるといいと思います。
今回、G.C.の素敵な「ソネ クレール」というのがありまして、白地に薄い罫線の入った便箋を銀のゆるやかな五線で囲み、そこにわずかに盛り上がった銀の音符やト音記号が散らばっているもので、その上品なファンシーにくらくらときました。

他のものを探していて、たまたまフロンティア社をネットで見たら、ここって直接通販もしてくれる会社なんですね。
ファンシー物を作っている会社では、キャラクター以外のファンシー物は、何を出しているのかどこにも資料がない、なんてことがままあるのですが、ここは花柄(私の好きな橋本不二子さんのものを出してる会社です♪)はもとより、「音符柄」というカテゴリーまであるのがうれしい。花でできたト音記号がかわいくて、私も持っています。

なお、同じく2階だったと思いますが、金属に八分音符が盛り上がったペーパーウェイトとか、ストラップなどのギフト小物とかにも音楽ものはよく見かけたので、(今回は見逃しましたが、木製のト音記号や音符のペーパーウェイトも常備してあると思います。木の色が何色かありどれも素敵)、音楽グッズを探すときは、銀座ヤマハとともに伊東屋も必見です。

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→その他の音楽柄、音楽グッズの記事は カテゴリー 音楽グッズ

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もっと小さくならないかな… ~消えいろPiT つめ替えタイプ~

31日に、カネコイサオ&ワンダフルワールド最終日に出向いてお江戸に泊まったので、1日は久々にゆっくり、銀座伊東屋の上から下まで参詣してきました。
いろいろおもしろいものがあったので(お布施もけっこうな額に)、ぼちぼちと書いていきたいと思います。
(しかし、それ以前のネタがまだ消化できていない。どうしよう 汗)

スティックのりの内、私が現在買っているのはトンボ鉛筆の 消えいろピット のみです。
前にも書きましたが、糊をつけたところの青の発色が美しく、糊のつき具合がよくわかり、しわにならないので、糊の出番は薄い紙を貼り付けることが多い私には必需品です。(逆に、ボンド系接着剤は常備していますが、あまり出番がありません。)

これに詰め替えタイプが出たというのですが、近所ではまだ売っていないので(←そんなのばっかり)、1日に伊東屋で買ってきました。この商品(PT-NCR 本体、PR-NCR つめ替え)は、「伊東屋レッドクリップ選定商品2008」にも出ています。
私の一番使う口紅サイズのものにはまだ詰め替えタイプはなくて、これは中型のサイズになります。

まだ使用していないんですけれど、使用感以前に、この「詰め替え用」がどうもひっかかります。

なんでこんなにかさばっているの?

詰め替え用の長さは、本体より確かに短いですが、ふたは、本体より直径も長さもあるんです。ふただけ「大」のをつけたような印象。
もちろん、入っている糊は1回分のみ。
空いたリフィルケースは、そのままごみになるしかないですよね。しかも本体に負けずにかさばる。
重さをはかってみたら、本体は40g、詰め替え用は30g。
中の糊は20gだそうですから、プラスチックは10g節約されているわけですが、あんまり節約になっていない気がします。
今、家に中型サイズのピットがないからわからないけど、本体も中型サイズより長い気がするし。

そのあたりは、トンボ鉛筆さんもわかっているようで、同社のHPでは、3本目からの経済効果の方を先に挙げていて、

「つめ替え 消えいろピット」の経済効果は次の通りです。同製品は3本目から約3%の経費効果が現れ、5本目で7%お得、10本目で約10%お得、30本目で約13%お得になります。継続して使用するにしたがって経済効果を高めます。」

「つめ替え 消えいろピット」の省資源効果は次の通りです。同製品は3本目から約%(←約5% だと思います)の省資源効果が現れ、5本目で約15%、10本目で約20%、30本目で4分の1の容器を節減できます。継続して使用するにしたがって省資源効果を高めます。 」

う~ん。
個人でピットのりを30本消費するのは大変なことですが、それでも、経済効果はともかく、あの容器のプラスチックは4分の1しか節減できないのか、って考えてしまいます。
2本目からでは、まだ従来のほうが省資源になっているわけだし。
(もちろん、何も考えずにばんばん消費するよりは少しでも減る方がいいわけですが。)

容器がこうなっている理由は、

スティックのりは、石けんに似た状態ののりを円柱に成型し、紙にこすりつけて塗布し、のりが乾燥して紙同士を貼り付けるというものです。この製品の性質から容器は、密閉性とのりを変形させない一定の強度が求められます。つめ替え式の容器も同様の条件を満たさねばならず省資源効果は前記の通りになりました。

わかっているけど、現状ではこれが限界というところでしょうか。

でも、鉛筆や消しゴムのように丸ごと減っていくものでなく、替える部分があるものは省スペースが原則だと思います。
万年筆のスペアインクでも、ボールペンのリフィルでも、シャープペンシルの芯でも、ホッチキスの針でも、本体と同じ体積分なら、数倍~の量を入れられますもの。

以前からある、消えいろピットほそみ のリフィルは小さいため、詰め替えた方が省資源、という感じがしたので、これで終わらず、また新たなリフィルを開発していただきたいです。

糊の詰め替え用で私がおどろいたのは、ぺんてるのイー・グルーです。

アラビックヤマトの詰め替え用はよく目にしますから、あんな感じに本体並みの容器に入っているんだと思ったら、シャンプーの詰め替えのような袋状の入れ物に入っていた。しかも、シャンプーの詰め替えの袋なら、使いかけでも直立するくらいの強度はありますが、こちらはもう、たれぱんだのようにすぐにだら~んとしまして(^^;) 
しかも、本体の容器にはさわやかなブルーの色づけがしてあるのに、この袋は無色透明で、糊も無色透明。まったく愛想なしの状態です。
でも、別に糊を詰め替えるのには不自由しなかったし、使い終わればその容器は捨ててしまうんだから、余計な色やプラスチックを使うことはないわけで。
もちろん、値段もすごく安上がりです。(同じ量の糊なら本体を買う半額よりかなり安い)

水のりとスティックのりではもちろん事情が違いますが、私の要望は「1本分の詰め替え容器に2本分の中身」です。それを作ってもらえたらうれしいなあ。
職場の引き出し、狭いんだもの。
(結局、机に鍵がついて、パソコンが来てしまったので、袖の引き出しの中段の品をよけてパソコンを入れる羽目になり、ますます引き出しがいっぱいになっているのです。 → この件は、けふこの職場の文具の引き出しの危機の続きです。

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→ 消えいろピット補充の顛末は、詰め替え失敗のリスク大~消えいろピットつめ替えタイプ~

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貸してもらって買う文具

職場の引き出しと机上に文具を相当たくわえている私は、人に文具を借りるという場面はめったにありません。
それだけに、たまに人のものを借りると、おお、これは! とびっくりすることもあり、そういう文具は自分のお気に入りとして所有することになります。

主なものは、自分が苦手とするタイプの筆記具です。
好きな文具は、あれこれ買ってきて使い比べたりしますが、嫌いなものは、とりあえずあるものを使っておこう、とあまり新規開拓をしないからです。

【ぺんてる ハイブリッドボールペン】
まだ水性ボールペンが少なかった頃、人に借りて、あまりの滑らかさにびっくりした製品。
筆圧がないので、ボールペンは嫌いな筆記具で、あれこれ使い比べることもないため気づかなかった。その人も、軽くなめらかに書けるというので愛用していました。
現在もこれの赤は定番で愛用。(仕事で細字が増えたため、黒はハイブリッドテクニカが主流になってます。)

【ぺんてる グラフギアシャープペンシル 0.7mm】
シャープペンシルも嫌いな私はなかなか好きなタイプがなく、ゼブラのラバー軸の100円シャープを定番にしていますが、この製図用シャープペンシルのグラフギアは、人に借りて、やはり書きやすさにびっくりした製品です。
持ち主こだわりの品で、芯が0.7mmで、Bや2Bの濃い目のものを入れてあるためだそうで、その人も複数本使っていて、文具店以外にもホームセンターでも安く手に入ると教えてもらいました。
ぺんてる・グラフギア1000は、芯カバー?がさらに収納できる設計ですが、やや複雑な構造のせいか、ウェストポーチにさしてがんがん使うと壊れてしまい、グラフギア500のほうがシンプルなだけに壊れにくいようです。こういう携帯する場面ではゼブラのほうがよく、グラフギアは机の中に入れ、机上で落ち着いて使うのに向いていると思います。(もともと製図用なんだから当たり前かも)

【パイロット ドクターグリップ ボールペン】
お店か病院か忘れましたが、受付においてあって、持っていて気持ちのいいやわらかさと、なのにしっかり線がかけるので気に入った製品。(どこまでも、筆圧の弱さがつきまとう私)
ただ、ドクターグリップはいろいろな素材のパーツからできているせいか、バッグのポケットにそのままほうりこんでおくと、持ち運んでいるうちにバラバラになってしまうことが何度もあり、これも、机上文具にするか、携帯時にはペンケースに入れるなどしたほうがよいのかも。(そもそもバッグのポケットに直接放り込むのが乱暴なんですけどね。)

先にあげた、「伊東屋レッドクリップ選定商品2008」の中には、こんな紹介文がありました。
こだわり筆記具の「カランダッシュ849コレクションボールペン」の後半部分です。(前半部は快適な使い心地の機能について説明しています。これも製品の良さがよく伝わる文章です。)

この商品は、お客様に褒められる一本でもあります。伊東屋の社員が所持している率が高いため、店頭でサインをいただくときなどにお使いいただくとその場で購入してくださるケースがよくあります

その場面が目に浮かぶようではありませんか。
店員からボールペンを借りて、その使い心地の良さに驚く客。
さすがは伊東屋、店員も並の筆記具は使っていないなあという尊敬。
返しがたく、勧められもしないのに、「これどこの製品なの?」と聞いてしまう。
ほしいというお客にそれが常備してあるコーナーへ案内し、自分の使用感をまじえて自信を持って説明する店員。
数ある筆記具の中で、それを選んだ店員の見識に感心し、客は満足してそれを購入していく。
店員は、自分のお気に入りが客に評価されたことを誇りに思い、いっそうその品に愛着を持つ。…

普通のボールペンよりは高いです(2625円)。 しかし、愛蔵でなく愛用したいと思わせる品質と価格のバランスのとれたものだから、伊東屋の社員さんも大勢使っているのでしょう。

これこそ、私の求める「選定」です。
自分も愛用している良いものを、広く多くの人にも知ってほしいという思い。
それを選んだ社員さんの文具への愛がベースに感じられます。
このボールペンは私もぜひ手に入れたいと思いました。

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伊東屋レッドクリップ選定商品2008への不満

文具王、高畑正幸さんのブログで、文具好きの聖地伊東屋で「RED CLIP SELECTION」(レッドクリップ選定商品2008)カタログが発売されたという記事を読んだので、4日にお江戸に行ったついでに、伊東屋へ巡礼して購入してきました。

商品写真がとてもきれいなのとその割に安価なことはいいと思いますが、その選定基準には少々不満があります。

私は、文具は自分にとっての使いやすさを重視しているので、単なる好みの違いとか、私の基準が世間とは違うというのはあると思います。

でも、自分が及第点をつけなかった、ハイテックC(硬くて目詰まりしやすい)、アラビックヤマト(ボタ漏れする、乾いて出ないなどのトラブルがけっこうある)、ホルダー消しゴムモノワン(期待して買ったのに消しゴムが硬めで普通のMONOのようにさっと消えない)、Vスーパーカラー(普通に文字を書くのにはチップが硬すぎてかすれる)あたりが選定商品に入っていると、なぜこれが数ある文具の中から選ばれたのかな? と思います。
ロングセラーやベストセラー、新製品だからという理由だけで入っているわけではないと思うけれど、他にもっと使いやすいのがあるのになあという不満。

こうやって書いてみると、私は かたい ものが嫌いのようです。筆圧が弱いので、字もなでるように書き、消しゴムもそっと消す。筆圧をぎゅっとかけて書く人には先もつぶれずちょうどいい硬さのものが、私には字を書くのに無駄な力がいるとみなされています。パイロットの製品は、割と硬めな書き心地で、他のマーカーも字がいつもうまく書けずにいるので、Vスーパーカラーの新しいインクの良さ(たとえばペットボトルにもきれいに書けるのりのよさ)より、字を書くマーカーとしての使いにくさを先に感じてしまうのです。
(かたくてもOKなのは、ぺんてるのハイパレイザーくらいです。これは砂消しゴムなのでかたくないと困る。これは選定されていてお気に入りです。)
きっと、多くの人に支持されているから登場しているのだと思いますけれど。

自分が聖地の教典と違う嗜好だとわかって、異端になったようで悲しいのかも。
中学生のときに、文房具のいろいろな雑誌や本でその商品が紹介されていた伊東屋のものは、ぴったり自分の嗜好に合うものだったという過去があるだけに。

たとえば、DUXの真鍮の鉛筆削り器、プラスチックの正方形に近いレターオープナー、ドイツのカラーゼムクリップ、ぶらさげタイプの金属を黒く塗ってあるレタースケール…みんな近所では手に入らず、紹介の写真や文章を読んで、憧れて伊東屋へ行って手にいれて、そのままずっとお気に入り。
ちょっとしゃれていて、でも機能をしっかり備えた小物文具たちに、はずれたと思ったことはなかったのに。

それと、これが選定されていることに、とてもひっかかりを感じています。

グラフフォンファーバーカステル パーフェクトペンシル スターリングシルバー
値段  57,750円。

これ、鉛筆です。
カタログにはきちんと説明がないのでわかりませんが、伊東屋のサイトで見ると鉛筆は3本ついているようです。(でも、胸ポケットにさすタイプなので、普通の鉛筆より短い)
正確には、高いのは鉛筆よりも、シャープナーつきのキャップみたいですが。
このタイプの替え鉛筆は5本で6000円のようです。1本1200円(それでも十分高いが)。
で、その他の部分が5万円以上するわけです。
鉛筆を胸ポケットにさして携帯するための機構が完全に備わっているということのようです。

でも、鉛筆って、万年筆と違って消耗品なわけで、基本的にメモや下書きを書くもの。
消せるのでサインや公文書には使えない。
それ1本で筆記がまかなえるような万能選手ではありません。
それに、57,750円も払って持ち歩きたいと思うのは、こだわりも極まったりというところです。
個人的に趣味を極めるのはかまわないと思うし、そういうこだわりの品を置いている伊東屋をアピールしてもいいと思いますけど、
このカタログは「選定商品」じゃないんですか?

「銀座・伊東屋がお客さまに使っていただきたいと考える
 たくさんの文房具の中から、特に自信を持っておすすめできるものを厳選し」

と、カタログに選定理由が書いてあります。
鉛筆では、伊東屋のイートン鉛筆、ファーバーカステル9000番鉛筆、ステッドラーマルス ルモグラフ製図用高級鉛筆、三菱鉛筆ハイユニ、トンボ鉛筆モノ100 がラインナップされています。
これらが「選定」されるのは納得しますが、世間一般が、5万円の鉛筆の価値を認められるかは大いに疑問です。
こういうものは、「伊東屋こだわりの逸品文具50選」とかで、別に紹介すべきものではないんでしょうか?

なのに、商品説明には、

「特に30代以上の男性の注目度が高く、大切な方へのプレゼントとしても人気の商品です」

…伊東屋って、庶民は相手にしていないところなのね~ って、いきなり突き放される感じです。
「価値がおわかりにならない方は対象外」みたいに。

パーフェクトペンシルの中ではこれはもっとも高いタイプで、もっと安いものもあるし(安いといっても通常よりは相当高いけど)、他の鉛筆を差し込んで使えるタイプもあるようです。(5万円タイプは鉛筆の硬さがBしかないので、他の硬さを使いたい人にはパーフェクトじゃないと思うし)

なのに、店頭で、「このタイプが大切な方へのプレゼントにおすすめですよ」と言われたら嫌だな、と思う。
「やっぱりスターリングシルバーじゃないとね」なんて人ともつきあいたくないと思う。
もらっても困る。使えない。

だって、私は5万円のフェリシモカラーミュージアム500色色鉛筆(当然ながら鉛筆は500本あります)が買えなかったくらいの庶民なんですもの。(買えたのは、後に英語バージョンが期間限定で半額で頒布されたからです。)

うまくいえないけど、
多くの文具はいとしい消耗品。
いくら良いものでも、大勢の人が納得する値段の目安は、やはりあると思います。
そこは無視しないで「選定」してほしいと思います。
(パーフェクトペンシル愛好者の方に喧嘩を売っているつもりではないので、お気に障ったらすみません)

↓パーフェクトペンシルをテストした方のテスト結果が出ています。
「パーフェクトペンシル」の謎を解け

↓選定についての関連記事はこちら
貸してもらって買う文具

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忙中笑あり ~おしごとスタンプ~

とにかく仕事は忙しいし、机の引き出しにスペースはないし、の職場ですが、
その少ないスペースからリストラされずに残っているのがこれ。

Photo_20 

メインは、谷本ゴム印店の「おしごとスタンプ」です。
(サイズ違いのものは、別の商品です)

初めて買ったのは、銀座伊東屋か東急ハンズだったと思います。
その後、浅草橋のシモジマギフトラップ館で、大幅に安く買えるのを発見し、そちらで。
(文具関係の問屋さんですから、200円台で買えました。)
現在は、ギフトラップ館で見かけないので、同じ浅草橋のハンコ屋さんで買っています。
(ここも安いし、おもしろいお店なので、いつかまた別項で)
…しかし、相変わらず、地元で買えないハンコだったりして。
(ネット通販もあります)

見ればわかるとおり、職場で使いそうな文言が並んでいますが、
小人さんの顔がついているのが特徴。
「大至急」が、ほのぼのとカメに乗っていたりと、押しつけがましさがないのが好き。

よく使うのは、「回覧」「よろしくお願いします」とかのオーソドックスなものですが、
時代劇バージョンの「いつもすまないねえ」「控」「一件落着」などは、あんまり出番がなくても入れています。

年度末のお願いをたくさん書いたプリントの上に、「未処理」のハンコを押して、「お、おわらない」と書き加えて配ったら、
あれがよかった、とわざわざ言いに来てくれた人がいました。
忙しく殺気立ってるときだから、ちょっとの笑いもほしかったりするもので。

これを入れてあるケースが、100円ショップのお気に入り第2弾「何入れ用ケース」、
スタンプ台もお気に入りのペーパーエースです。(今は新会社になってますが)

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真鍮の重み~DUX携帯鉛筆削り器

最初に存在を知ったのは、もう20年以上昔。
文具特集をしていたムックに紹介されていたと思います。
で、憧れて、伊東屋へ行ったときに購入しました。

いろいろな人が書いていることですが、普通の携帯鉛筆削り器とは格が違います。

まず重い。小さいのに真鍮の固まりですから、持ったときの存在感が大きい。
渋い光が、質実剛健、さすがドイツね、という感じです。

最近では廉価な製品にもついていますが、芯の削り具合を3段階に調節できるねじがついています。
このねじも、しっかりねじで留めつけられていますから、丈夫で、
少々乱暴に扱っても外れたりしません。

そして、肝心の削り具合が、どこの鉛筆削りとも違う。
ここの削りくずは、ばらばらの「くず」にはなりません。
まるで、よく切れるかつおぶし削り器やかんなに当てたときのように、
薄い木が連続して刃の間からするすると出てきます。
りんごの皮を長くむくときのような快感^^
で、新しい鉛筆をおろしたときにも、意外と早く書ける状態になるのも素晴らしい。

切れなくなったら、刃だけ交換できます。
革ケースに入って存在感ありありだから、まずなくすこともない、長持ち文具です。

でも、初代は、なくしたんです。
筆箱ごと。
お気に入りを選んだこだわりの中身の筆箱でしたからショックでした。

一番ショックだったのは、そのときになくした、初代鉛筆削り器Lサイズが、
その後製造中止になってしまったことです。
長い刃が入れられたから、普通の鉛筆削り器で削ったのと同じくらい削った部分が長くて、
そこがなお、お気に入りだったのですが。
替え刃だけが残って、悲しかったなあ。

現在は、2代目、その一つ下のサイズを使っています。

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