御殿場高原 時の栖 の憩い ~美術館と本屋さん~
クリスマス~バレンタインデーを中心に、毎年、イルミネーションに力を入れてにぎわっている、御殿場の時の栖(すみか)に先日行ってきました。
今回の一番のお目当てだったのは、実はイルミネーションでも高原ビールのバイキングでもなく、そこにある前島秀章さんの彫刻の美術館です。(→ 時の栖美術館 へ) 館内に一歩入ると、さわやかな木の香りに包まれました。
前島さんの彫刻のほとんどは、クスノキの大木からできています。
長年かけて巨木に成長したクスノキは、芯がだんだん空洞化して弱り、ある日台風などに耐えきれず倒れます。
そういう風倒木が市場に出て彫刻家とめぐりあい、作品になるのだとか。
その彫刻を作るときのクスノキの削り屑が館内のかごにたっぷり盛られて、それが芳香を放っているのでした。
クスノキから採る樟脳よりもずっとやさしく、すがすがしい感じです。
この木の屑は、受付でお願いすると分けてもらうことができます。
普通に放置しておくと香りが飛んでしまうので、たぶん前島さんが作品を作るそばから削り屑は運び込まれ、交換されているのでしょう。
大作だけでなく、表情豊かな小さな作品がたくさん並べてあるのもまたおもしろいものです。
個人的には、あまり凝った命名のものは好きではないのですが、お地蔵さま、天邪鬼、観音様の像があると思うと、大国主命やお稲荷様やマリア様がいたりと、特定の宗教のものばかりではありません。
ころんとした三頭身くらいの子どもやお年寄りなどは、表情が豊かでかわいかったです。
小学生からの作品がきちんと保存されているのもすごいですが、小学校低学年で上手な木の工作や木彫りが出てくるのにもびっくりしました。
絵葉書やポストイットなどのミュージアムグッズも少々あります。
受付で言われた通り、次々とドアを開けて奥の展示室へと向かっていき、最後に木のトンネルをくぐって出た先は、何と本屋さんでした。
いや、本屋さんというべきなのか…
だってそこには、大きな木やたくさんの木彫作品だけではなく、あちこちにすわるソファがあり、喫茶室がついていて、お客さんは座って本に読みふけっていたり、子どもに本を読んでいたりするのですもの。
棚の上に出ている本は自由に読み聞かせしてくださってけっこうです、というような表示がありましたが、ええと、これは何の本でもOKなわけ?
(→ ブックス&カフェ へ)
それにしても、たくさんの本。
しかも、おもいきり趣味本ばかりが集めてある印象です。
普通の週刊誌やコミックス、ベストセラーの類は置いてありません。
そのかわり、クラフト系、手芸、郷土、園芸、食材、骨董、民芸、昭和レトロ、デザイン、絵本、児童書、音楽、郷土…こんな本があったのか、という目新しさいっぱい!
いつも近所になくてアマゾン頼みの文具の本(たとえば、文具王高畑正幸さんの『究極の文具カタログ』や、「ステーショナリーマガジン」のバックナンバーなど)もかたまっていろいろ置いてありました。
いつもと違うタイプの本を買い込み、平置きにしてあった給食の本も買おうかなと思っていたら、少し目を離した隙に誰かが持って行ってしまって残念でした。
本の状態があまりよくない場合は、買うときにこれでよいかとレジで確認があります。
さらに、木の模型コーナーもあり、『隠された十字架』以来、私の大好きな、法隆寺中門の木製モデルがあった!(法隆寺の五重塔もあった…九輪に鎌がついていればこっちも買ったかもしれない。ちょっと残念)
これは、ウッディジョーというレーザー加工のキットで、木製モデルですが初心者にも作りやすくなっているようです。(中門の製作時間は5時間程度だそうです)
ここには作業台もあり、買った模型を組み立てることも自由にできます。
そのためか、木工用ボンドをおまけに入れてくれました。
朝、模型を購入して、作業して、お腹がすいたらそこで食事もできて、と、混雑具合にもよるでしょうけどそんな一日を過ごすこともできそうな作りです。
実際には、個人が注目を浴びながら繊細な作業をするのは大変かもしれませんが、カミカラみたいな実演販売をするときにはとてもいいかもしれないと思いました。
イルミネーションは4時半頃、日が暮れてからの点灯ですが、その頃には道路も混雑します。
それぞれの好みにもよりますが、早く来て、ゆっくりこういうところで時間を過ごすのもいいかも。
手づくり工房でいろいろ食料品を買い込むのも楽しみです。
今回初めて買ったくるみあんぱんがおいしかった^^
木村屋のあんバターみたいにフランスパンの生地のあんぱんで、つぶしあんにくるみの粒が混じっています。
今回は、昼食をとるところからのスタートでした。
御殿場高原ビールレストランのグランテーブルの中も、イルミネーション風電飾でした。 時の栖のイルミネーションは白中心ですが、こちらは入口のピンク系のトンネルがかわいかったです。
メニューでは、「25分」のように書いてあるものが時間のかかるものらしく(混み具合にもよると思いますが)、そのほかの料理を頼んだので割と待たされずに出てきました。
クリスマスを意識してか、オルゴール音のクリスマスソングがかかっていました。
4時半頃、イルミネーションが点灯され、待っていた人たちから「おお~」と歓声が上がりました。
今年のイルミネーションは、トナカイとそりがた~くさん。
これは、写真を撮るのに奪い合いにならないためだと思われます。
トナカイの背がけっこう高いので、子どもが怖がるのではないかと思いましたが、案の定、「おりる~」と叫んでいる子どももいました。(大多数は大丈夫で喜んでポーズしていましたが)
大人は乗れないことになっていますが、トナカイの背が高いので、実際、自力で乗るのは難しそうです。
私がいた時間はまだ薄明かりが残っていましたが、暗くなるほどに光は一層美しく輝くようになりました。
明日はクリスマス・イブ。
きっと、たくさんの人でにぎわうことでしょう。
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント