年越しの夜の笠地蔵
大晦日のお話と言えば笠地蔵ですね。
日本の昔話の中でも、一番美しい話ではないかと思います。
いくつもの変形がありますが、
・貧乏な(老)夫婦が、お正月の支度をすることができない
・すげ笠(かせ玉、苧枷玉など)を作って、町へ売りに行く
・しかし、笠(かせ玉など)はまったく売れない(ので、かせ玉と他者の笠を交換する)
・気を落として帰る道、雪に埋もれたお地蔵さまを見つける
・笠を順番にかぶせていくと、ひとつ足りない
・自分の被っていた笠(手ぬぐい)を取ってお地蔵さまにかぶせて帰る
・夫婦で良いことをしたと喜んで眠る
・夜中、地蔵さまが、お正月のもちなどを運んできてくださり、夫婦は幸せなお正月を迎える
大体、こんな筋になっているかと思います。
(かせ玉は、麻の糸だと思っていたのですが、まんが日本昔話では、頭に飾るとあるので、調べてみたいところです。)
貧しい人が、その状態以下になって戻ってくるのに、それを喜びあえるという豊かなやさしい心が胸を打ちます。
ウィキペディアでは、「あらすじ」に、地蔵さまが7体とあるのですが、六道輪廻から人を救ってくれるという六地蔵の方が代表としてはふさわしいと思うのですけれど。
画像は、母が軽石を彫って作ったものです。
笠は、ラフィアかとうもろこしの皮で作っています。
これは、岩崎京子さんの「かさこじぞう」のような、おじいさんが手ぬぐいをかぶせたバージョンです。
今年はいつにもまして厳しい年の瀬ですね。
心優しい人たちの元に、少しでもよいお正月が来ますように。
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