昭和レトロ

「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その11 ケルボⅡの広告より

「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その10 三菱鉛筆の社史より の続きです。)

ザッツユーロビートさんが、ケルボ関係の新たな広告をブログ昭和の雑誌広告・懐かしモノに掲載してくださいました。(貴重な資料がさりげなく出ているブログなので見逃せません)
1981年、少年マガジンに掲載されたものだそうです。

以下、その広告の文章です。

消せるボールペン ケルボで当てよう! レコード券

お好きなレコードが買える レコードギフト券3,000円分を500名さまにプレゼント。4

応募方法

ケルボまたはケルボⅡのパッケージ裏面にあるペーパーメイトのダブルハートの部分を2cm四方以内に切り取って薄くはがし、応募ハガキまたは官製ハガキに貼って、住所、氏名、年齢、職業、性別、郵便番号をお下記のうえ、右記あて先までお送りください。

消せるボールペン  ペーパーメイト

ケルボ&ケルボⅡ
総発売元 三菱鉛筆株式会社  ジレット・ジャパンinc.(ペーパー メイトは、ザ・ジレットカンパニーの筆記具部門です。)

ペーパー メイト ケルボ 500円/米国製
ペーパー メイト ケルボⅡ 1,200円/米国製

この広告から、私がノンボテシリーズその8で書いた、「ペーパーメイト開発の消せるボールペン」の年表は、さらに修正できることになります。

修正版2 ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1980年 日本で「ケルボ」の愛称で「イレーサーメイト」が販売される。
     (ペーパーメイト製品として、三菱鉛筆?が販売)

1982年までに 1981年までに 「ケルボⅡ」 日本で販売。

1985年頃まで 「ケルボ」「ケルボⅡ」並行で日本の文具店で売られる。

1986年 「ケルボ(イレーサーメイト)」一般文具店から姿を消す。

2000年頃まで? ペーパーメイトの「イレーサーメイト」 輸入品店などで細々と売られ、その間に改良が進む。

2001年までに ペーパーメイトの「イレーサードットマックス」発売される。

また、ケルボだけでなくケルボⅡも「米国製」でペーパーメイトの製品であること、三菱鉛筆が「総発売元」であることもはっきりしました。
また、両者が並行で売られていたことも確かだとわかりました。

(このシリーズは、新しい事実がわかったときに追加記事を書きます。)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その1 きっかけ へ

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その8 ケルボの子孫 へ

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昔のコーリン鉛筆の雑誌広告

ザッツユーロビートさんのブログ昭和の雑誌広告に、時々文具の広告も紹介されています。
珍しいところでは、宇宙ペン(フィッシャー社のスペースペン 販売したのは日光ペン)の広告なんかもあります。(1969年のもの)

コーリン鉛筆に関係のあるものは次のようなもの。

コーリン鉛筆ピアス  1963年、週刊朝日に掲載されたものです。

コーリン鉛筆 コア  1975年、週刊少年マガジンに掲載されたものです。豪華な懸賞つき。

コーリン鉛筆(全般)  1961年、サンデー毎日に掲載されたものです。

コーリン鉛筆 電動鉛筆削り器 1975年、少年マガジンに掲載されたものです。

雑誌広告は、当時の世相を反映していますし、定価などの詳しい情報が残っていて、とても興味深いです。

雑誌で興味のある記事を切り取っておく人は多いと思いますが、広告はいらないものとして捨ててしまうことが多そう。
でも、ずっと後になるとそれが逆に貴重な情報になったりしますね。
雑誌こそ捨てるな、というのは情報活用でよく言われること。

そうは言っても、雑誌もかさばるのでなかなかとっておけないので、こういう記事をのせてくれているところは大変うれしいです。

~「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」より追加~

コーリン鉛筆 ハイピアス 1972年、少年マガジンに掲載されたものです。
懸賞のお知らせ広告で、ケンちゃんシリーズの宮脇康之君が出ています。  

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その10 三菱鉛筆の社史より

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その9 かつ消え、かつ結びて」の続きです。)

『時代を書きすすむ 三菱鉛筆100年』(三菱鉛筆株式会社 昭和61(1986)年) という、三菱鉛筆の社史を入手することができました。

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その年表の中に、以下のような記述がありました。

1979(昭和54年) 10月 ペーパーメイト「ケルボ」販売提携。
1980(昭和55年) 差別化商品相次いで発売   消せるボールペン「ケルボ」発売(2/15)
(『同書』 P.222 年表より 抜粋)

販売提携とは、ペーパーメイトの「イレーサーメイト」を日本で三菱鉛筆が「ケルボ」という名前で販売する契約ということだと思います。(ノウハウを得て国産化する場合は「国産化契約」というようです。例:スティック糊の「ウフ」 同書 P139)
記事「その8に挙げたケルボの広告がのった雑誌も1980年のもので、矛盾はありません。
これで、ケルボの発売時期や製造元は確定したと言ってよいでしょう。

「エアペン」(ノンボテ)に関する記述はどうでしょうか。
まず、意外なところにありました。

 特殊な筆記具としてはプリンターペンがある。加圧ボールペンとしてノンボテGL-100があるが、超高速のコンピュータで出力される数値データを図形やグラフに処理するプロッターの記録用加圧ボールペンとして、超高速、超連続筆記に耐える機構と特殊インクを開発し、加圧ボールペンを完成したのは57年12月である。筆記性能のほかに形状や寸法精度にも高度の機械的性能が必要であり、これまで市場をほぼ独占していたアメリカ製をおさえ、多くのプロッターメーカーに採用された。いまや、パーソナルプロッター用のスタンダード製品と呼ばれるようになり、その開発技術がボール径2種、色も12色を揃えた超高速プロッター用加圧ボールペンにつながり、世評を高めた。

『同書』 第三章躍進 3 横浜事業所の充実 ●研究・開発の成果 P162より

ノンボテが出てくるのは、「プロッター用加圧ボールペン」の説明のためにちょこっと顔を出す程度です。
シェアを奪い取る功績を挙げたプロッター用ボールペンの説明に比べると、とてもシンプルですが、ここで注目すべきは、「ノンボテ」=「GL-100」であることです。

記事「その3」で調査したように、「ノンボテ」は「エアペン」の愛称だったはずですが(エアペンの軸に「nonボテ」と印字してあった)、ここでは「GL-100」、つまり「スペースラブ」を指しているのです。
スペースラブにも「ノンボテ」という名称が印刷してあったかはわかりませんが(スペースラブと言う名前で認識されていました。画像では印字が読めませんでした)、少なくとも社内では加圧式ボールペン類が「ノンボテ」と呼ばれていた可能性があります。
正式名称「エアペン」「スペースラブ」を押しのけて、社史にさりげなく載ってしまった「ノンボテ」という名は、社内の人にも愛されていたのかもしれません。
また、このプロッター用加圧ボールペンの技術も、パワータンクに受け継がれているのかもしれず、興味は尽きません。

エアペン(ノンボテ)に関する記述は、以下の文章だけのようです。

1971(昭和46年) 創業85年記念行事として帝国ホテルに得意先を招待し新製品発表会を行う。(エアペン、ユニカラー、ユニプリント)

『同書』P220 年表より抜粋

日本初の加圧式であるとか、上向き筆記ができるとか、開発が大変だったとか、そういうことは何も書いてありません。「まっくろけのけ」の純黒や、水性ボールペンユニボールのようにヒットしなかったため、この製品は社史においてもほとんど語られていません。
エアペン発表の1971年 も、「その3」ステーショナリー タニィの調査と一致しました。)

でも、次の三菱鉛筆の社史には、これらの製品が文章として紹介されるかもしれないな、と思います。
なぜなら、加圧式ボールペンの開発努力は、21世紀に入ってから、ヒット商品パワータンクとして花開いたからです。
パワータンクの開発を語ろうと思えば、これらの先行商品は無視できない存在でしょう。
先人の意欲や失敗や努力という土台があってこそ、新しいものはその上に築かれるのです。
成功したものに目を向けるのは当然ですが、そこまでにあった努力を今回垣間見ただけでも、大変興味深いものでした。

社史の最後の方の見開きのカラーページに、当時の「現行商品」と思われる製品がずらっと並んでいました。
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その中に、「SPACELAB GL-100 宇宙でも使えるボールペン」と、金銀の「メタボ」が混じっていました。
解説もなく、それと知って探さなければ見つからないつつましい姿でした。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

1本の知らないボールペンから始まった楽しい調べものの旅、ここで一旦しめたいと思います。
また新たなことがわかりましたら、追記、訂正などをしていきたいと思います。
協力してくださったみなさま、読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
補足、訂正をしてくださる方は、随時歓迎です(^^) 
ご感想もいただけるととてもうれしいです(^^)
どうぞよろしくお願いいたします。

→ このシリーズを「その1」から読んでくださる方は こちら へ

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 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その9 かつ消え、かつ結びて

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫」 の続きです。)

消せるボールペン ケルボ への最初の不満は、「普通のボールペンの書き味ではない(ねばねばする ぼそぼそする など)」「思ったよりきれいに消えない」であったように思います。

その後、「書類を改竄するのに使用された」などの問題点が出てきました。

ボールペンにもいろいろな種類がありますが、通常「消せない」ことを前提に使用するものです。
個人的な使用なら「消せる」ことは便利な性質ですが、書き直されては困る文書に使われてしまったら、問題が起こるのは当然のことです。

ケルボが日本で比較的早く姿を消したのは、そのあたりも原因であったかもしれません。

その後、20年ほどたってから、パイロットから、消しゴムで消せるゲルインキボールペン G-inkが発売されます。
このときは、ケルボのことをすでに知らない人も多く、かなりブームになったようですが、「消さなくても消えてしまう時がある」などの欠点があり、インクを改良して e-GEL が発売されていますが、やはり、「悪用される」などの問題点が出ました。

消せるボールペンは、生まれては消え、消えては生まれを繰り返す商品のように思います。

消せるボールペンがあったら便利だ → 【開発・販売】 → 普通のボールペンの使い心地ではない → (買わなくなる) → 悪用する者も出てくる → 【販売終了】 → (市場になくなる) → ボールペンで書いたものは消せなくて不自由だ → (最初に戻る)

ボールペンに限らず、道具は開発者の意図しなかった使われ方をするものです。
すべての人が良識ある人というわけではありません。
悪意を持って使用する人が出てくれば、便利な道具であっても使用中止やむなしということもあります。

現在は、摩擦熱で消せるボールペン フリクションボールがヒットしていますが、この命運はどうなるでしょうか。
消せるボールペンが悪用されにくいためには、芯が抜けないような使いきりタイプで替え芯は作らない、見た目ですぐに区別のつくような特化した外見などが必要だと思いますが、そのような配慮はないようです。
ケルボとその子孫はまだ「時間がたつと消せなくなる」という性質があり、これが存続できた理由になっていると思いますが、きれいに消せるフリクションボールは大丈夫でしょうか。

すべての人に良識を求めるのではなく、悪意で使おうとしてもできない工夫をすることが、これからの製品に必要な視点だと思います。
お札をコピーしようとすると真っ黒に印刷されたり止まったりするコピー機、はがすと「開封済」の文字が残るテープなども、悪用や悪意の対策のために生まれたものだと思います。
もちろん、それをかいくぐって悪用する人はいるでしょうが、簡単にはできないという対策があるだけで、問題の発生は減ります。

消せるボールペンたちが問題ある商品として再び消えるのか、それとも便利な文具として発展していけるのかは、これからの対策にかかってくるように思います。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

さて、ケルボの子孫 イレーサー・ドット・マックスはどのくらい性能がよくなったのか、私も使ってみたいと思いました。

近所ではペーパーメイトの製品を扱っている店がないので、ネットショップで調べてみましたが、なぜかどこも品薄状態、特に黒字はほぼ品切れといっていいありさまでした。
けっこう使用者の評判がいい商品なのに変だなと思ったら、ペーパーメイトのネット商品カタログにこんな記述がありました。

ペーパーメイトリプレイマックス

感性を大切にするブランド ペーパーメイトから書き直し自由自在のボールペンが登場します。時間が経てばインクが定着するので、数年後の自分へ、家族へ、友人へ伝えたい“心からの言葉を”コミュニケーションしていくボールペンです。

そして、イレーザー・ドット・マックスは出てこない。
どうも、イレーザー・ドット・マックスは生産中止になり、このリプレイマックスが後継者になるようですね。
今度は、色も「ブラック、レッド、パープル、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルー、ターコイズ」の8色展開になりますが、イレーザー・ドット・マックスを愛用していた人たちはどちらが気に入るでしょうか。
(モルBさんの愛用品が廃番! の悲劇はまた繰り返されたのでした。)

最後に、今までの記事の補足です。 (次回終了予定)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

☆追記☆ ペーパーメイト リプレイマックスの情報

クボタ文具店のHPの記事消せるボールペン(国内の同様製品とは大きな違いがあります)に、リプレイマックスの使用感や、イレーザードットマックスとの違いなどが詳しく説明されています。
以前からイレーザードットマックスを愛していたお店らしく、これらは「逸品文房具」に分類され、大変力の入った推薦文になっています。
イレーザードットマックスを消しゴムで実際に消し、何日目にはこうなっているという写真一覧を見ると、消しにくくなる様子が一目でわかります。
遠からず、これがリプレイマックスの消し具合の写真と入れ替わると思われ、更新が楽しみです。
リアル店舗もあり、通販もしてもらえます。

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その8 ケルボの子孫

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方」 の続きです)

ケルボは、ネットで断片的に名前が出てくるので、情報を拾ってまとめてみることにしました。

まず、ザットユーロビートさんのブログ「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」に、貴重な「ケルボ発売」の広告の画像が出ていました。
雑誌「明星」の1980年のもので、「米国製」「ペーパーメイト」「消せるボールペン ケルボ」とあります。
商品は台紙つきのパッケージで売られており、台紙にケルボの名称や説明があり、本体画像には軸に文字が写っていないので、本体はイレイサーメイトそのものの可能性が高いです。

ゴローも、消した。
ふつうの消しゴムで消せる唯一のボールペン、ケルボ

間違いだらけのラブレターなんて……。ケルボを知らなかったのね。ケルボなら、書くときはふつうのボールペンだけど、HBの鉛筆で書いたものと同じくらいカンタンに消せるの。試験でも、レポートでも、もちろんラブレターだって、もう間違いはふつうの消しゴムでOKよ。
ケルボは、アメリカの一流ブランド、ペーパー メイトが開発した、革命的なボールペン。特殊なインクを使っているので、間違えても消せるのです。ただし、一定の期間がすぎれば、インクは定着して消せなくなります。全国のデパート、有名文房具店等でお求めください。ペーパー メイト パワーポイント ボールペン シリーズも同時新発売。ケルボとは違うふつうのインクのボールペンで、360°上向きでもなめらかに書ける、独特の機構を持つ高品質の製品です。

価格 500円 / 軸色 黒 青 赤 / 替芯 350円 / 米国製

違う加圧式ボールペンがまた出ていますが、それは今回はおいておくことにします(汗)。

また、Yumiko Yamaguchi さんの 「日々の雑貨」 2002/04/19消せるボールペンの記事の中には、「Erasermax」「Eraser Mate」についての興味深い記述があります。
(D-ink は2001年に発売されたパイロットの「消せるゲルインキボールペンです。)

(前略 D-inkと)もう1種、愛用しているのが、PAPERMATEの「Erasermax」。「D-ink」のような色とりどりの華やかさはなくて、黒のボディでキャップの先に専用消しゴムがついています。一般の消しゴムでも消せます。専用の方がよく消えるような気がしますが。ただし消せるのは書いてすぐ、24時間立つと定着するそうです(実際には1日経っても消せました)。書き心地はこちらのほうがワタシは好き。インクが出過ぎず、長もちします。最初に買った時は黒1色しかなく、しばらくして、赤も売っていることに気付き、ついこのあいだ別の店で青も見つけました。こっちの赤はインクの色もマット系です。「D-ink」の赤は金赤(ブライト系)。ところで、もう1種類、2、3年前に、買ったのかもらったのか、抽き出しから出てきた消しゴム付きのボールペン、ほんとに消せるのにいまごろ気が付いた!のです。「うそやろ」と思って試していなかったのです。ジョークで消しゴムがついていると思ってた。だとするとずいぶん前に「消せるボールペン」があったということになりますよね。このボールペン、「Eraser Mate」って書いてあります。インクは「Erasermax」タイプで、消しゴムがそっくり、前身かもしれません。 (後略)

ここから、ペーパーメイトの消しゴムで消せるボールペンの変遷がわかります。
(この方はケルボをご存じなかったようで、20世紀には消せるボールペンがなかったとおっしゃっていますが、実はあったわけです。)
つまり、イレーサーメイト(日本名ケルボ)  イレーサードットマックス となるわけで、イレーサードットマックスは、ケルボの子孫、ということになります。

それが、日本でどう流通していたかは、掲示板のログからうかがい知ることができました。(過去ログのためうまくリンクが貼れません。元の全文は検索で探してください。)

「PILOTの「消しゴムで消せる」“D-ink”ってどうよ? 」(2001年~の過去ログ) より

27 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/17 22:47
消せるボールペンだったら
ソニプラに売ってある製品が優秀

29 名前: おかいものさん 投稿日: 01/10/18 02:11
>>27
もしよかったら商品名教えてください。
消せるボールペンってすごく便利なんだけど
買ったら色が薄くて失敗でした。
昔買った指で消せる蛍光ペンはあたりだったけど。

30 名前: 27 投稿日: 01/10/18 09:34
>>29
eraser.max MED って印字されています。
また別の箇所にPAPER♥MATEと印字してあります。
色は、赤・青・黒がありましたよ。

42 名前: 投稿日: 01/11/23 12:59
30>サンフォードジャパンから出ている定価200円の物です
D-inkより50円高いけどこちらのほうがいいみたい

44 名前: ななしさん 投稿日: 01/11/30 02:05
20年前に、消しゴムで消せるボールペン使ったこと有るよ。
普通のボールペンより、べとっとした感じのインクでしたが、全然流行らないまま
消えてました。

47 名前: おかいものさん 投稿日: 02/01/08 00:27
ソニプラのerasermax買ってみました。
D-inkとちがって
本物のボールペンみたい。
しかもちゃんと消える。感動しました。
ただ消しゴムがついていないと消せるペンって
だれも気付かないんじゃ?

8 名前: ななし 投稿日: 02/02/19 04:42
20年前の「ケルボ」と比べてどうですか?

2 名前: おかいものさん 投稿日: 02/04/12 21:50
>>58
ケルボ!そういやそんな名前だった…

2001~02年当時は、イレーサードットマックス輸入文房具として、ソニープラザなどのごく限られた場でのみ売られていて、「消しゴムで消せ時間がたつと定着する」という性質はそのままながら、使った人から高く評価される性能になっていることがうかがえます。

サンフォードジャパンは、ペーパーメイトを含む複数の海外文房具会社のグループのようで、ペーパーメイトの製品がここの製品として扱われていることもあるようです。(→詳しくは サンフォードジャパンのHP へ。会社組織は全然わからないのですみません。)

また、「ケルボゼブラの製品」という情報もネットではいくつか見つかりました。
しかし、別の本『文房具の研究 心ときめく世界の文房具』(中央公論社 別冊暮しの設計6 1981年)のケルボの紹介文でも、

ケルボ。消しゴムできえる三菱ボールペン。500円(伊東屋)

とあるので、複数の本がそうそう会社名を間違えることもないと思われ、三菱が扱ったものと考えてよいと思います。

また、『アメリカ文具図鑑』(梅沢庄亮 立風書房マンボウブックス 1982年)には、ケルボⅡが紹介されています。

ケルボⅡ(KB1200)
ふつうの消しゴムでも簡単に消せる特殊ボールペンのひとつ。ボディのプラスチック部を片手でもち、もう一方の手で金属部を右にひねると、ペン先と消しゴムが同時に出てくるのがおもしろい。
とかく書き換えが多い電話番号簿や住所録に、これを使うと、ひじょうに役立つ。ただし、時間の経過とともに描線が定着し、消えにくくなるのも確かである。また、容易に消せるため、公文書等には使うことができないから要注意。太さは、ミディアム・ポイント(1ミリ)、インクは黒。替え芯内部でインクに圧力がかかっているので、ペン先をどんな角度に向けても書けるのも特徴のひとつである(ペーパーメイト)。

ケルボのインクは24時間で定着が売りなのに、住所録にすすめるのはどうかと思ったりしますが、ここにもペーパーメイトの名前がありますので、ケルボⅡも国産ではなさそうだと見当がつきます。

今回の情報を加えて、前回の表を修正すると以下のようになります。

修正版 ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1980年 日本で「ケルボ」の愛称で「イレーサーメイト」が販売される。
     (ペーパーメイト製品として、三菱鉛筆?が販売)

1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。(※追記参照)

1985年頃まで 「ケルボ」「ケルボⅡ」並行で日本の文具店で売られる。

1986年 「ケルボ(イレーサーメイト)」一般文具店から姿を消す

2000年頃まで? ペーパーメイトの「イレーサーメイト」
                       輸入品店などで細々と売られ、その間に改良が進む。

2001年までに ペーパーメイトの「イレーサードットマックス」発売される

今後もまだ訂正、補足が出てくるとは思いますが、「ペーパーメイトは日本での評判にかかわらず、ずっと、消しゴムで消えるボールペンを作り、改良を重ねていた」ということがわかりました。

しかし、日本では「ケルボ」として売られなくなってから、しばらく「消しゴムで消せるボールペン」は一般文具店では見ることができず、限られた人が輸入品店などで見つけて愛用する品となったのです。

 
このため、2001年の「消せるゲルインキボールペン」D-ink が出たときには、ケルボのことを知らない人も多く、「消せるボールペン」はブームになり、また、問題もおこしたのでした。 (続く)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その9 かつ消え、かつ結びて へ

※追記

広告資料が見つかったため、年表中の「1982年までに  「ケルボⅡ」 日本で販売。」は、「1981年までに」となることがわかりました。

詳しくは、
→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら…その11 ケルボⅡの広告より へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力」の続きです)

私のリンク先のモルBさんのブログモ印良品に、先日、書き直しができる油性ボールペンという記事が書かれました。

そのボールペンの名前は「イレーザー・ドット・マックス」
モルBさんの愛用品の一つとして紹介されていました。

実はこのペン、油性でありながら普通の消しゴムで消せるということの他に、時間がたつと今度は一転して消せなくなるという性能を持っています。

これって、昔の 消しゴムで消せるボールペンケルボそっくりの性質だなあと思って、コメントを書きました。(ついでにこのシリーズの予告も…)

その後、ノンボテの記事を書き始めて、記事「その3」の資料の本をいろいろ探しているときに、ケルボの会社名がペーパーメイトなのに気づきました。
あれ? ケルボって国産じゃなかったっけ? と別の本を見たら今度はケルボⅡの会社名が三菱になっています。

で、先のモルBさんのブログに戻ってみたら、そこには「ペーパーメイトのイレイザー・ドット・マックス」と確かに書いてあります。

どうも、ペーパーメイトが絡むところに「消しゴムで消せて、時間がたつと消せなくなるボールペン」があるようだなと思いました。

探してみると、1984年の『文房具図鑑』(ステレオサウンド)には、次のような記事がありました。

特許訴訟まで起こし業界ではもちろんのことニューヨーク・タイムズまでも取上げた消しゴムで消せるボールペンは、そもそもの発明者ペーパーメイト社によって着実にぼくたちの机の上に顔を出し始めている。
アメリカではボールペンのインクの色は何と言ってもブルーで、次にと言えばレッドということになるだろう。イレーサーメイトもついにレッドを発表した。スティックペン(鉛筆のような形のペン)タイプをイレーサーメイト2と呼んでいるが、それのレッドがやっと発売され始めた。書き味はブルーのものに比べると特長でもあるネバッコさが無いようである。

(P18 「市浦 潤氏のコレクションから」 より)

…やはり、消しゴムで消せるボールペンの元祖ペーパーメイトのようです。
ここに出てくるボールペンの名前は イレーサーメイト イレーサーメイト2 です。

同じ本に取り上げられている同じ性質のケルボペーパーメイトの品。
たぶん、日本向けに売り出すにあたり、愛称を「~ボ」族のケルボにしたのでしょう。
画像がはっきりしないので、軸に「ケルボ」と書いてあるかは不明です。
ひょっとしたら、「ケルボ」とはパッケージだけに印刷してあって、本体は「イレーサーメイト」だったのかもしれません。

その翌年1985年のケルボⅡ三菱の名がつくのは、推測ですが、三菱鉛筆が輸入代理店のような扱いをしたのではと思います。(独自開発をしたにしては、その系統の製品がないようなので。)

しかし、ケルボは話題になりましたが定番化せず、しばらく「消せるボールペン」は一般文具店から姿を消したようです。

1986年発行『文房具 知識と使いこなし』(市浦潤 新潮文庫)に、イレーサーメイトの説明がありますが(先の文章と同じ著者ですね)

「24時間以内なら、キャップに付いた消しゴムで消すことができる。*」

と、がついています。
*がついている商品はあまりないので、解説を見たら、

本書に掲載した商品は、*印を付したアンティーク、輸入品を除いて、原則として銀座伊東屋、池袋西武、札幌大丸藤井で入手することができます。

…ということは、イレーサーメイトは伊東屋でも買えない輸入品になっていたということ?
ケルボが買えたのなら、紹介が出ていてもよさそうですから。

【ペーパーメイト開発の消せるボールペン】

1979年 ペーパーメイト 「イレーサーメイト」を発表

1984年までに  ペーパーメイトの「ケルボ」日本で販売はじまる

1985年 三菱から「ケルボⅡ」販売(輸入品?)

1986年 「イレーサーメイト」一般文具店から姿を消す

この通りだとしたら、ケルボが一般市場にあった時間はとても短いことになります。
追記: その8にて、修正年表をのせていますので比べてみてください。)

しかし、この「消しゴムで消えるボールペン(インク)」は、絶えてしまったわけではなかったのです。 (続く)

→ ペーパーメイト(PAPER MATE) BRAND CONCEPT (社の沿革が簡単にまとまっています。)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その8 ケルボの子孫 へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その5 プロの記憶とレファレンス」の続きです)

現在、三菱鉛筆の加圧式ボールペンとして定評のあるパワータンクは、いろいろな方面から評価され、指名買い、定番買いの対象になっています。
パワータンクの発売年は2001年。21世紀生まれです。

しかし、今回、この製品が突然2001年に出現したわけではないことがよくわかりました。

【三菱鉛筆の加圧式ボールペンの変遷】(今回わかった範囲)

1971年 エアペン(NONボテ)使い捨てタイプ 60円

1974年 エアペン(NONボテ)ステンレスチップタイプ 150円

 (この後、使い捨てでないタイプも売られた模様)

1982年 スペースラブ 書き捨てタイプ 100円(以後10年以上売られる)

1985年までに  メタボ(金銀インク) 書き捨てタイプ 200円

2001年 パワータンク 

2002年 パワータンクスタンダード(プラスチックリフィル) 200円

スペースラブが10年以上売られていることから、おそらく、パワータンクスペースラブの後継として開発されたのだと思います。

一貫しているのは、「高級品ではなく普及価格帯の商品」であることです。
フィッシャー社のスペースペンは、私が調べた範囲でもその頃は安くても千円前後、むしろ、軸のデザインや素材で高級化し、輸入品であったにせよ、簡単に手の出ない価格帯になっていました。

千円で売っているものと同じような機能のものを100円やそこらで作る…ある意味無謀ともいえるプロジェクトです。
誰がどういう号令をかけ、開発に励んだのでしょうか。
でも、この商品群を見る限りでは、三菱鉛筆はあくまでその路線で加圧式ボールペンを開発し続けたようです。

フィッシャー社のスペースペンの芯は金属ですが、三菱鉛筆はエアペンの時から、プラスチック軸、またはプラスチック芯で作っています。
おそらく、加圧には金属のほうが向いているのでしょうが、普及価格にするならプラスチックでなくてはならなかったでしょう。
しかし、問題点も多々あったはずです。
(注: 最初のパワータンクは金属軸リフィルのものであったようで、これは現在も1本1000円、替え芯300円のタイプとして存在しています。プラスチックのものも加圧は変わらず3気圧です。プラスチックリフィルのものは、翌年2002年10月に発売されています。(→三菱鉛筆の「商品情報」へ)

エアペン(ノンボテ)の最初のカタログ紹介には、

新しい第三の筆記具と言っても決して言い過ぎではありません。

とありました。

でも、実際は、名前に反してボテが出ていたわけです。
1970年代は、いろいろな商品が開発途上で、「これで○○はもうOK」の夢の機械のような広告でものが次々発売され、「暮しの手帖」にテストされては「この愚劣な商品」「買うべきではない」とこっぴどく叱られていた時代ですから、誇大広告というのもちょっと気の毒な気がします。

従来品よりかなり良くても、「ノンボテという名前なのにボテが出る」と、消費者は満足しなかったのでしょう。
廉価な普段使いのものであっても、世に出てしまえば、「この値段で出しているのだから納得」とはなかなか思ってもらえません。
でも、三菱鉛筆は、加圧式をあきらめず、その路線で改良を続けたのでしょう。

後発の「スペースラブ」はかなり改良されたようで、「どんな上向き筆記も可能」に加え、「光学文字読取装置に最適」の新開発インクが使用されています。

この商品に思い入れのあった方もいるようで、文房具屋さんドットコムみんなの声コエこえ お気に入りの筆記具編の平成12年12月のアンケート結果には、

◆浮気もせずに使っていたが、製造中止に
 三菱ボールペンスペースラブ。浮気もせず、ずっと使い続けてきたのに、製造中止となりました。メーカーに問い合わせても無いし、あちこちの店に売れ残ってないかも確認しましたが、残念ながらありません。愛知県・パート・女・47歳

という、製造中止を惜しむ声もありました。
この翌年にパワータンクが登場するので、スペースラブは製造中止になったわけですね。この方はパワータンクに満足されたでしょうか?

パワータンクは現在、アウトドアの作業、濡れる場所、寒冷地などの条件の悪いところでも書けるボールペンとして広く使われるようになりました。
コンビニの文具棚の商品の中に、少々高くてもパワータンクが置いてあるのは、性能を愛して買っていく人たちがいるからでしょう。
個人であちこちに置いておくこともでき、いろいろな人がその便利さを味わえる状態になっています。

でも、それは、三菱鉛筆が「日常使える文具」としての開発努力をしてくれたからです。

文房具の中には、持っているだけで満足できるような、手のかかった高級品もたくさんあります。
でも、それだけが文房具のすべてではありません。
むしろ、普通の人が普段に使う文具が世の中には一番流通していて、それが高性能でストレスなく使えることが大事ではないでしょうか。
そこに力を注いでくれた三菱鉛筆は素晴らしい、と、今回とても思いました。

さて、ノンボテと並行して調べていたケルボはどうなったでしょうか? (続く)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その7 ケルボの行方 へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その5 プロの記憶とレファレンス

(「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その4 ステーショナリー タニィによる調査」の続きです)

ステーショナリー タニィの店長さんである谷泉さんは、学生時代に「はなや文具店」というお店でアルバイトをしていたそうです。
アルバイトといえども、お休みは週一のみ。それゆえ、担当商品が決められていて、谷泉さんの担当は熨斗袋と筆記具で、その商品の品出しを毎日していらしたそうです。

私が「ノンボテ」の質問をしたときに、ご自分がアルバイトに入った頃には見かけなかった商品だからと、はなや文具店の「専務」をしていらした方に聞いたら(「専務」と「 」がついているのは当時のものだからです)、「三菱の商品だ」というお返事で、そこから三菱のお客様相談室に問い合わせてくださったのでした。

そのときも、受け付けの女性は初め「ノンボテという商品はありませんが、エアペンという品名のものはありました」だったのが、エアペンの商品画像を見て初めてそこに「NONボテ」という名前が印刷してあることに気づいた、ということです。

このことから「ノンボテ」にたどりつくまでには、いくつかの条件があることがわかります。

1 およその商品発売時期がわかる

谷泉さんは、自分がバイトをしていた時期には三菱の加圧式ボールペン「スペースラブ」を売ったという記憶をお持ちでした。
「ノンボテ」はその時期になかったものだから、それ以前のものだろうと見当がついています。

2 知っていそうな人がわかる

谷泉さんは、それなら「専務」さんがご存じだろうと考えて質問します。
「専務」さんは、この道40年近くの生き字引のような方だそうです。

3 会社名がわかる

「専務」さんは、「加圧式ボールペン ノンボテ」だけで、「三菱の製品」だとおわかりでした。

4 適切な質問を製造会社にできる

会社に聞けばわかるのが当たり前だと思われそうですが、「お客様相談室」に聞けば必ず望んだ回答がくるわけではないことを私は知っています。

何でもそうですが、「回答」は、相手の知りたいレベルに合わせてなされるものです。
小学生に専門用語を駆使する回答はしませんし、専門用語で質問してくる人に通りいっぺんの回答もできません。

私はある文具会社に質問をして、一応、納得のいく回答を得ました。
しかし、カタログの写真に説明と矛盾するものがあり、これはどういうことなのかと重ねて質問をしたら、担当の方から電話がかかってきて、こういう理由であるから、と、もっと詳しい説明を聞くことができました。
質問する側に予備知識があるのとないのとでは、得られる回答が全然変わってきます。

私が三菱鉛筆に質問をした場合、ノンボテの発売時期や会社名があいまいであるために、「エアペンの愛称」までたどりつかなかったのではないかと思います。
「お探しの商品は、残念ながら当社の商品には見当たりませんでした。」となった可能性もあります。

まして、この場合、担当者は初め、ノンボテが見つからなかったのです。
おそらく、その人が入社前の古い商品名に精通することなど無理な要求です。
しかし、そこに「この時期、貴社から確かに出ていた製品です」というはっきりした情報があればこそ、「ノンボテ」までたどりつくことができたのだろうと思います。

ステーショナリータニィの店長さんと「専務」さんは、ご自分たちが扱っていた文具のことをよく覚えておいででした。
次から次へと新製品が出る中、消えていったものも、その性能や評判も。
そこには、扱う商品をよく知り、記憶し、誠実に向き合うプロの姿がありました。

「専務」さんは、「文具店は、商品だけでなく、(文具の)知識を売る」というのが口癖で、アルバイトにも、見本市、展示会にはできるだけ参加できるようにして下さったそうです。
(余談ですが、コピー資料を送ってくださった封筒の文字にはびっくりしました。筆文字です~^^ 自分の住所や名前が別物のように美しく思えました。)
ステーショナリータニィにも毎日顔を出していらっしゃるようです。

今回、「ノンボテ」を調べることで、文具を愛するプロの人たちがいるお店に出会えたことは、私にとって大きな喜びでした。
ステーショナリー タニィの店長さん、「専務」さん、私のはずみのような質問に、たくさんのお時間を割いて、こんなに詳しく回答してくださってどうもありがとうございました。

それから、三菱鉛筆の地道な努力を知ることができたことも今回の収穫です。 (続く)

→ 「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その6 三菱鉛筆の努力 へ

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その4 ステーショナリー タニィによる調査

「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら…その3 本棚を探してみたら…」の続きです)

「ノンボテ」調査を始める少し前、検索で偶然見つけた文具店ステーショナリー タニィ TaniyのHPを、私は大変気に入っていました。

ステーショナリー タニィは、店舗を持つ文具店で、HPは、新製品の紹介や店舗情報を載せるためのもののようでしたが、そこに併設されていた「文具辞典」を作った動機に目を見張りました。

今般、文具の種類が増えたこともあり、お客さまのお問合せの度に、各メーカーのカタログ・HPで調べるのに時間が掛かってしまいます。
なるべく、お客さまをお待たせすることの無いように、商品の種類をメーカー別に整理しておこうと思い立ちました。少しずつ増やしていきますので、気長にお付き合い下さいませ。(但し、文具メーカーの取扱いの商品に限らせて頂きます。/おもちゃメーカーの商品や¥100-ショップの商品、ディズニー等のキャラクター商品は除かせて頂きます。)

いいなあ。こういうのって^^

店側が「客が無知だから啓蒙しなくては」という上から目線でなくて、「お客さまをお待たせすることの無いように」ですもの。

「文具辞典」は、他メーカーの同等品がわかる構成で、いろいろなメーカーの商品を扱うお店だからできるもので、これはメーカーにはのぞめません。
特に各社の学習帳の比較の項目は詳しくて、こういう普通で地味なところに力を注いでいるステーショナリー タニィが大好きになりました。

で、早々と左サイドバーにリンクを貼ってしまい、事後承諾でリンクの許可をいただくメールを書いて、快諾をいただきました。

そのお礼のメールを書いたときに、何気なく追伸で、

今、私の知人のブログで、
20年以上前くらいに「ノンボテ」という国産で加圧式の使い捨てボールペンがあったという話題が出ています。
ネットや持っている昔のムックなどを見ても見つからないのですが、
加圧式といえば、スペースペン、パワータンク、エアープレスくらいしか取り上げていないので、そんな製品があったのなら知りたいと思っています。
たぶん、すぐに消えてしまった商品ではないかと思っています。
(名前負けしてボテていたらしいので)
この製品にお心あたりはありませんか?

それだけ書いたのです。
もちろん、正式の依頼ではなく、文具に詳しい方に聞いたら手がかりがあるかもしれないな、という軽い気持ちでした。

しかし、翌日(10日)の返信で、「ノンボテ」の正体、翌々日(11日)の返信で当時のボールペン事情、さらに15日には商品の画像、後日、当時のカタログコピーまで、ステーショナリー タニィの調査力はものすごく、最初のメールでうなった私は、もう、うなりっぱなしの状態でした。(この調査力の秘密は次回に♪)

【ノンボテ】の正体(三菱鉛筆のカタログ 及び お客様相談室の回答より)

正式名称: 「エアペン」 ( 「NONボテ」 は愛称。軸に印刷してある)

発売元: 三菱鉛筆

発売年: AP-50(1971年)
      AP-106(1974年)

価格:  AP-50  60円 使い捨てタイプ
     AP-106 150円 ステンレスチップ カーボンインク採用

仕様: 0.7mm芯

いくつかあったようで、カタログでは「黒のみ」であったAP-106も、青や赤が後にできた(画像あり)。当初のカタログではどちらも尾栓を完全に溶着した使い捨てタイプのみだが、後のAP-106は芯交換ができた模様。

特長:

・曳糸性抜群のインク使用(余分なインクはインクの性質でまた軸内に引き戻されボテがなくなる)

・空気2気圧の加圧式(ボテ減少、上向き筆記可能、逆流なし)

・経済的(ボテ漏れ減少のため。筆記距離1500m 従来の1.5倍)

・無重力の宇宙空間や水の中でも書ける

画像は以下のものです。

まず、AP-50の「エアペン(NONボテ)」。使いきりタイプ60円のもの。

Airpen50_2 

軸に「NONボテ」と書いてあるのがわかるでしょうか?

Airpen50_3 みゃ~さんのご記憶にある通り「六角軸」で、ここにはありませんがカタログ写真では「先端部は真鍮色の固定」でした。
ボディの色はインク色のようですが、文字印刷部が白なので、そちらの記憶がまさったのだと思われます。

さらに、AP-106のほうは

Airpen150

Airpen150_2 こちらのほうは、文字の書いてあるところもインク色になっています。





【ステーショナリー タニィの「専務」さん 談】(「専務」さんについても次回)

1960~70年当時の油性ボールペンは、ペン先のボールのかみ合わせが大きかったため、ペン先を下に向けておくとインクのボタ落ちが当たり前で、書く前に、一度別の紙にペン先をすべらせて、ペン先のインクをぬぐってから書き始めていた。
フィッシャー社が圧力をかけて無重力でも使用できるボールペンを作ったことにヒントを得て、三菱でも圧力をかけてインクのボタ落ちを防ぐボールペンを作り、それが「ノンボテ」だった。
しかし、実際はそれでもインクはボタ落ちした。

さらに、三菱鉛筆から出た加圧式ボールペンは、ノンボテだけではありませんでした。

「その3」であげた「スペースラブ」(1982年発売 GL-100 100円) も、金銀のあの「メタボ」(GL-100 200円)も、実は加圧式だったのでした。(しかも、メタボは国産初の金・銀ボールペンだった)

【ステーショナリー タニィの店長さん 談】

「スペースラブ」はそんなに性能に問題もなく10年以上作られており、82年当時は「圧力式のボールペン」とか「インクがボタ落ちしないボールペン」とかいう機能の指名買いが多かった。(他に、ボールを2個入れてインクの逆流を防ぎ上向き筆記ができる ゼブラの「ツインボール」もあり、こちらの方がよく売れた)
当時の油性ボールペンは50円が主流で、スペースラブツインボールはけっこう高いボールペンだった。

とは言っても、スペースペンとは比べ物にならない安さですよね♪ (三菱鉛筆の加圧式ボールペンは、後で整理して書きたいと思います。)

こんな回答ができるステーショナリー タニィ …そこには文具を愛するプロの「人たち」がいたのです。(続く)

→ 「ノンボテ」を調べてみたら その5 プロの記憶とレファレンス 

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「ノンボテ」ボールペンを調べてみたら… その3 本棚を探してみたら…

「『ノンボテ』ボールペンを調べてみたら… その2 引き出しを探してみたら…」 の続きです)

昔は、文房具が紹介されているムックや雑誌を眺めて、地方の私は「いつかこれを買いに伊東屋と丸善に行くんだ~」と憧れていたものです。
Photo

『文房具の研究』(中央公論社 別冊暮しの設計)が行方不明なのは残念ですが、他の手持ちの本の中にノンボテや加圧式ボールペンが出ていないか調べてみました。
(ついでに、おもしろそうなものを拾ったら話があちこちにいってしまいました。すみません。)

A 『文房具図鑑』 (ステレオサウンド別冊 1984)
B 『文房具の魅力』(中央公論社 1985)
C 『モノ・マガジン 4月号』(KKワールドフォトプレス 1985)
D 『文房具大図鑑』(ワールドフォトプレス 1998)

結論から言うと、これらの本の中には、ノンボテは出てきませんでした。(残念)
ただ、いくつか気になる商品がとりあげられていました。

A 『文房具図鑑』の中にあったもの
スペースラブ(三菱鉛筆)…画像 上から3本目
「スペース」という語感が気になるけれど、プラスチックの真っ黒なボディは商品名さえ読めず(泣) 100円池袋店 としかデータがない。(後に、ステーショナリー タニィから、このボールペンも今回重要な位置をしめることを教えていただきました。)Photo_2



ケルボ(ペーパーメイト)…画像 上から2本目の黄色のもの
おお~ありました♪ 消しゴムで消せるボールペン。ミディアム1mm。500円(西武池袋店) ペーパーメイトのロゴは、クリップの金属部分に刻印してあります。←けっこう高い。Photo_3



・スペースペン(フィッシャー)…3種類紹介
☆真空でもペン先を上に向けた状態でも書けるボールペン。980円。(ソニープラザ) 画像 上から2本目の水色のもの☆宇宙空間で使えるように作られたボールペンだから、地球上の環境ならまずどんな所でも耐えうるヘビーデューティーさがうれしい。5000円と2500円(西武池袋店) 画像 上から3本目(5000円)と4本目(2500円)Photo_9



ラジボー(セーラー)…ボールペンについにラジオが付いてしまった! いつどこでもラジオ放送が楽しめちゃう。ラジオを聞きながらメモを取るなんてもうお手のもの。AM1バンドで、5000円。他にイヤホーンをグレードアップした6000円、8000円のものもある
Photo_5

…ええと(^^;)
「ケルボ」とか「ラジボー」とか、ボールペン製品は何でも「~ボ」とか「~ボー」が愛称なの?
(というか、ラジボーはすでにイロブンの領域ではないのか? と思うのですが、Cの『MONOマガジン』では、ラジボー3種類全部を写真つきで紹介している熱の入れようです。)



しかし「~ボ」族には、さらにその上をいくツワモノがいました。

それは、B 『文房具の魅力』、C『モノマガジン』に紹介されていた三菱のボールペン、
 「メタボ」 M・E・T・A・B・O
Photo_10 

…まだ、メタボリックシンドロームなどなかったころ、「メタボ」はボールペンだったんですね。(画像は