消えていく製造元・商品 ~紙の場合~
市内の文具店に単色おりがみを買いに寄りました。
季節が変わると、今までとは違った色で何かを作りたくなります。
また、セット売りの折り紙だと、同じ色ばかりがなくなって、使いかけの束があちこちにできてしまって厄介なので、ここはど~んと50枚とか100枚、同じ色を買ってきてしまうにこしたことはない。
色を探すのも簡単だし、試行錯誤で少々駄目にしても本番用がたくさん残っていますから、私は単色おりがみを愛用しています。
(→ 単色おりがみ関係の記事が増えたので、カテゴリー 折り紙(紙そのもの)単色・同色 にまとめました。)
寄った店で取り扱っている単色おりがみは、中村紙工の「いろのおちない単色 標準色紙 ひょうじゅんカラー」です。(32色、15cm角 各50枚入り 294円)
店頭にない色をほしいと言ったら、奥に見に行ってくれたのですがあいにく在庫がなくて、それなら注文を、となったとき、ここは製造をやめる予定だと問屋さんが言っていてと、お店の人が教えてくれました。
不況のせいか、後継者などの問題のせいかわかりませんが、お店の人は、ここがやめてしまうと困ると言っていました。
普通のおりがみだけなら他にも作っている会社は確かにあるけれど、一番困るのは和紙関係だそうです。
中村紙工は、友禅紙や雲流紙もいろいろつくっている会社です。
和紙は作る会社がどんどん減っていて、手芸用の紙のほか、障子紙なども良いものが手に入らなくなって、お客さんが前と同じものが欲しいと言ってももうないということがしばしばあるそうです。
私なんかは遊び半分ですが、本格的創作で和紙を利用したい人には、材料がないという深刻なことになります。
この会社に限らず、他にも、いろいろな用紙がなくなっているそうです。
たとえば、賞状用紙。
以前は、鳳凰などの金の枠だけの用紙に筆で書いていました。
紙の大きさも日本のサイズで、紙質も筆で文字が書きやすいようになっていました。
それが、パソコンで印字をすることが増えるにつれ、紙はB判、A判の規格に大きさが変わり、表面もつるっとしたものになってきました。
実際、規格外の紙にプリンターで印字するのは少々面倒で、A判B判が出てきたのはありがたいことでした。
しかし、お客さんの中には、パソコンでなく筆で毎年「感謝状」みたいなものを書く場合もあり、それを並べて掲示する都合上、急に用紙の大きさや色が変わったりするのは困るから以前のものがほしい、ということもあるそうです。
でも、クリーム色のA3の賞状用紙だけもう在庫がなくて困っているのだとか。
何かを売る時に、もう製造していないというと、それならあるだけ全部くださいという場合もあるそうで、お客さんそれぞれに都合や愛着があるのですよね。
おりがみは、すぐに製造をやめるわけではないので、注文もできると思うし、よく出る色はなるべくとっておこうと思う、とお店の人は言っていました。
よく使う色や他社にない色は私も買っておいたほうがいいかしら。
「いつまでもあると思うな」が、ここにもまた。
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