June系

栗本薫(中島梓)さんの突然の訃報

作家の栗本薫(中島梓)さんが、膵臓がんのため、5月26日に亡くなられたそうです。
56歳という若さでです。
何ということでしょうか!
あまりに急なことで混乱してしまって、どうしていいのかわかりません。

先ごろ、NHK衛星でアニメ化されたばかりの、世界一長い大河小説グイン・サーガ」(参照:ウィキペディア)は、当初の完結予定本編100巻を超えて、現在126巻+外伝21巻と大幅に延びながら、未だ完結していませんでした。
アニメでこの物語を知り、小説を読んでみようと思った新しいファンもきっといたはず。
かくいう私も、クリスタル公アルド・ナリス様の死で読むのを中断していたのを、アニメを見てこの物語の壮大なおもしろさを思い出し、毎週わくわくし、また読んでみようと思っていた矢先のことでした。
なのに、この物語はついに完結しないのですか!
文庫のあとがきのどこかで、最終巻の題は「豹頭王の花嫁」で、終わり方は決まっていると、書いていらっしゃったと思うのに。
…その結末を持ったまま、栗本さんは逝ってしまわれました。
読者もですが、栗本さんこそ一番未練なことでしょう。

56歳はあまりに若い。
若すぎるとしか言いようがありません。
超人的な執筆量で、他にもたくさんの作品や評論を書いたり、音楽や演劇の活動もしていらっしゃった上での、150巻近い「グイン・サーガ」。
栗本さんだからここまで進んだのだと重々わかっていても、もしも、病魔がなかったら、軽々と「グイン・サーガ」を書きあげて、「さて次は」となっていたに違いないのです。
何よりも、小説を書くのが好きでたまらなかった栗本さんですもの。
乳がんの手術をされてからずいぶん年数もたっていたことなのに。
ほんとうに、残念でなりません。

今年はグイン30周年記念ということで、アニメ化や豪華限定版などの企画がいろいろ持ちあがっていました。
アニメを見てもずいぶん丁寧なつくりだと思います。
ひょっとしたら、読者が知らなかっただけで、栗本さんの病状はすでに良くなくて、はなむけの意を込めた企画だったのかもしれません。
ご自身は、アニメDVDのための外伝を書くだけでも大変なことだったのかもしれませんが、より多くの人にグインの世界を知ってもらえるということはうれしいことだっただろうと思います。

「グイン・サーガ」が栗本さんの表舞台の花形なら、雑誌「JUNE」は陰にひっそりと咲いた花かもしれません。
栗本さんは「JUNE」の母でもありました。
それまで、いろいろな作家の作品や感覚にありながら曖昧な概念であったもの、でもある人には強烈な吸引力を持つもの、それをまとめた雑誌「JUNE」で、栗本さんは主たる執筆者であり、投稿小説の「小説道場」の主でもありました。
「コミュニケーション不全症候群」(中島梓さん命名)であった読者に、それがどれだけ救いになったことか。

個人的におつきあいのあった方々のお嘆きはいかばかりかと思います。
私は一読者にすぎませんが、とても、今の気持ちは一口で言い表わせるものではありません。
でも、今の心境は、ご冥福を祈るというよりは、憑依してでも、あの世ででもいいから、物語の最後まで語っていただきたい気分です。

それまでは、この物語は終わらない…

 Neverending Story “GUIN SAGA”

☆ 早川書房HPによれば、栗本さんのお通夜・ご葬儀は近親者による密葬。後日、一般会葬者の参列できるお別れ会を予定しているそうです。

☆ 豪華限定版GUIN SAGAの予約締切は5月31日です。(予約限定本です。7月25日発売予定)

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【このブログの栗本薫さんの関連記事】

→ 今日から『グイン・サーガ』のアニメが始まりますね 

→ 豪華限定版『GUIN SAGA』(グイン・サーガ)7月発売☆

→ June全集の内容 第1巻 栗本薫/中島梓  

→ カテゴリー June系 … 栗本薫さんが深くかかわった雑誌「JUNE」(ジュネ)、「小説June」関係の話題のカテゴリーです。 

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今日から『グイン・サーガ』のアニメが始まりますね

栗本薫さんの、世界で一番長い小説『グイン・サーガ』がアニメ化され、本日4月5日(日)23:29~23:54で、NHKBS2で放映されます。
BIGLOBEでのネット配信は4月12日の日曜24:00から。(詳しくは、GUIN SAGA-グイン・サーガ 公式サイト へ)

『グイン・サーガ』という意味がわからずとっつきが悪かった本なのですが、昔、小説JUNEの「小説道場」の中で、投稿小説を評論する道場主だった栗本さんが「『グイン・サーガ』は栗本流三国志」というような説明をされたのにひかれ、第1巻『豹頭の仮面』を読みました。
けっこうグロでどろどろした不気味系の展開なのですが(それは、この森の生物が気持ち悪いタイプだから)、1巻ラストシーンの引きで「続きが読みたい!」と思ってしまったらもう、次々読むしかないでしょう。

ついでに、「グイン」とは主人公の名前で、頭が豹の堂々たる偉丈夫の戦士。
「仮面」という題ですが、タイガーマスクと違って、ヒョウのマスクが脱げるわけではありません。(かぶりものなのかそうでないのか本人にもわからない状態)
グインは、記憶を失った状態でルードの森の中にいきなり現れます。
これに、古い王朝パロの王女と王子である双子の姉弟のリンダとレムス、沿海州の陽気な傭兵イシュトヴァーン、パロに奇襲をかけた新興王国モンゴールの王女ながら戦士のアムネリスがからみ、不気味な生物が跋扈するルードの森でのさまざまな危険と戦っていくところから始まります。
巻数が進むとさらにいろいろな国が登場し、人と人がかかわり、魔道あり、権謀術数や陰謀あり、ロマンスあり、古代の謎あり、亡国から建国から、市井の人や一兵士までが印象深く描かれた大河小説です。

私が一番お気に入りだったのは、パロのクリスタル公アルド・ナリス様。
なので、ナリス様が死んでしまうとわかってからグイン・サーガを読むのがストップしているのですが、巻数は栗本さんのご病気にもかかわらず順調に重なり、現在、ハヤカワ文庫から正伝125巻、外伝21巻を重ね、まだ終わりそうにないという…(^^;)
当初、100巻の予定だったそうですが、どこまで行くのか。

栗本さんご自身で書かれたグインサーガ同人誌『FULL HOUSE』が読みたくて初めてコミックマーケットに行ってしまったり、栗本さんが脚本・演出・作曲までされたミュージカル「マグノリアの海賊」「グイン・サーガ 炎の群像」なんかも観に行ったりしました。(後に、ビデオ上映会なんかもあったと思います。)
「炎の群像」のCDは私好みで、ずいぶん聞きこんでいるので、そらで歌える歌がたくさんあります。

個人的にはいろんな人種の入り混じった実写版映画を観てみたいと思っているのですが、今回のアニメ化も、どういう構成になるのか楽しみです。
声のイメージ、合うかな?^^

雑誌『アニメーションノート no.13』 (2009) (13) (SEIBUNDO Mook)では、表紙と巻頭で、アニメ グイン・サーガが特集されています。

【グイン・サーガ関係リンク】

グイン・サーガ(Wikipedia) … 物語の概要、背景なども上手にまとまっていると思います。今までの発行物や演劇化や漫画化などもわかります。
そういえば、ここに出てくる、通し番号の入った特別製本の「限定版」1巻を持っているのですが、2巻の発売はいつなのかわからなくて買えなかったなあ…くすん。

GUIN SAGA グイン・サーガ … 今回のアニメの公式サイトです。キャラクターデザイン、キャストなどの情報がそろっています。

グイン・サーガ スタッフブログ … 今回のアニメに関する日々の細かい情報はここで。

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発掘は続く ~コミックマーケットの文具・雑貨など~

水分補給に来ました…夏の発掘(私の場合は部屋の片付け)は大変厳しいです。

これで広げるだけ広げて、また寝る前には寝る場所をあけるようにとりあえず積み重ねるわけだから、…寝る前に終わるかな?

発掘してたら、大JUNEの箱がどれか判明したので、手前に出して置きました♪
(昔のゆうぱっく大箱で4箱弱です)
古本で補完したので、旧JUNEからそろっています。当時は、まんだらけとか、神保町の中野書店とかで買いましたね。
でも、小説JUNEは発行が長かったからあちこちにばらけているし、他のJUNE(ロマンJUNEとか新鮮組とか)は、どこかにあるのか処分してしまったのか、まだ発掘が終わってないので不明。

ゆうぱっくの昔の箱は、B5の雑誌が背表紙を見せて入って(水平に入れるほうが本が傷まないけど、探すのが大変なので)、ふたが別になっていて二重になるから丈夫で、実に収納に向いていてよかったです。収納のためだけにたくさん箱を買ってきました。
今のゆうぱっくの箱は違うような気がする。最近買いにいっていないからわかりませんが、普通の上が開く箱になったんじゃないでしょうか。

文具では、コミックマーケットで買ったオリジナルスタンプとかグッズなども出てきました。
創作コーナーは、アクセサリーや雑貨などが並ぶ列があり、個人で作っている安くてかわいいものがいっぱい。
ブックカバー、ペーパーウェイト、レターセット、ポストカード、スタンプ、シール、Tシャツ、巾着、和風小物などなど、大変種類も豊富です。
こういう即売会から商業化されるキャラクターもあるようです。
(私の記憶では、「たまごやろう」は千趣会よりコミックマーケットで見たほうが早かったと思います。)
動物柄コーナーは、特に楽しいと思います。

そのうち選んで画像をアップ…
ではまた発掘してきます C= C= \(;・_・)/

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JUNE全集第7巻 月報の誤り

ご質問のあった『JUNE全集第7巻 尾鮭あさみ 吉野さくら 嶋田双葉』の月報を調べていたら、月報自体の誤りを見つけました。

月報11~12ページに、お三方の「小説JUNE」「JUNE]掲載・投稿作品リスト が載っていますが、12ページの吉野さくらさんのリストのうち、

9)南へ… 第二部  88年9月 348枚 JUNE46 47 89年5月・7月号(恩田尚之)

10)ポケットに希望を(前・後) 89年1月 250枚 

となっている部分は誤りで、正しくは、

9)南へ… 第二部  88年9月 348枚(こちらは雑誌掲載なし)

10)ポケットに希望を(前・後) 89年1月 250枚  JUNE46 47 89年5月・7月号(イラスト恩田尚之) で雑誌掲載あり

となります。
「南へ…」は、ご本人が書き直して後日再び投稿している作品で、雑誌掲載はありません。
以前、コメントと質問をくださった さんたさんが、雑誌の目録で47号に作品が掲載されていることを確認してくださってますし、JUNEの復活した作品リストでもそうなっています。
(→この号の出ているJUNEリストへのリンクはこちら
(→リスト全体のリンクの記事は「June 小説Juneの作品リスト復活☆」へ)

JUNE全集の目録から作品を探す人はあまりいないかもしれないですが、念のため。
さんたさん、情報ありがとうございました(^-^)

(→ 元記事 June全集の内容 第7巻 尾鮭あさみ 吉野さくら 嶋田双葉 へ)

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「June」「小説June」の作品リスト復活☆

以前、ここの記事「June全集の内容 第6巻 神崎春子 森内景生 矢萩貴子」で、河下水希・桃栗みかん個人ファンサイトのシーカーさんからコメントをいただきました。

その際、以前は、Juneに掲載された作品リストが、公式Junetというサイトに出ていたのだが、削除されてしまった、と聞いて、
>こんなものがあったんですか~!
…だった私。

で、このたび、シーカーさんが、WebArchiveを使って、そのなくなったリストを再び読む方法を教えてくださいました。(以下は、記事「June全集の内容 第12巻 耽美イラスト美術館」のシーカーさんのコメントより引用)

そういえば…と思い、ふとWebArchiveを取ってみたら、
Junetで以前掲載されていたリスト出てきました!
一例:http://web.archive.org/web/20060823023944/http://www.june-net.com/data/book91-93.html

http://web.archive.org/web/にて、
http://www.june-net.com/data/book91-93.html

「91-93」の部分を「88-90」とか「94-96」とかに変えて入力したら、多分他の年のものも読めると思います。
78年~01年までのリストです。

ヽ(^◇^*)/ ワーイ

以下が、シーカーさんの方法で読めた、June 及び、小説June の作品リストへのリンクです。
文字化けすることがありますが、メニューバー「表示」の エンコード を、日本語(自動表示)にすればOKです。

ジュネ作品リスト 1978-2002
June小説・マンガ全リスト(+インタビュー)

1978年~1981年
 (通称 旧June の時代)
コミックジュン1号(1978年10月号)~コミックジュン2号(1978年12月号)
ジュネ3号(1979年2月号・コミックジュン改題)~ジュネ8号(1979年8月号)
ジュネ復刊1号(1981年10月号) 

1982年~1984年
 (小説June ができたので、Juneの通称は「大June」、小説Juneの通称は「小June」となる)
ジュネ2号(1982年1月号)~ジュネ19号(1984年11月)
小説ジュネ1号(1982年10月)~小説ジュネ10号(1984年12月)

1985年~1987年
ジュネ20号(1985年1月)~ジュネ37号(1987年11月)
小説ジュネ11号(1985年2月)~小説ジュネ28号(1987年12月号)

1988年~1990年
ジュネ38号(1988年1月)~ジュネ55号(1990年11月号)
小説ジュネ29号(1988年2月号)~小説ジュネ46号(1990年12月号)

1991年~1993年
ジュネ56号(1991年1月号)~ジュネ73号(1993年11月号)
小説ジュネ47号(1991年2月号)~小説ジュネ64号(1993年12月号)

1994年~1996年
大Juneはここで廃刊。ヴィジュアルジュネは、今、思い浮かばない。
ジュネ74号(1994年1月号)~ジュネ85号(1995年11月号) 
ヴィジュアルジュネ(1996年1月号)、ヴィジュアルジュネ(1996年4月号) 2冊のみ。
小説ジュネ65号(1994年2月号)小説ジュネ82号(1996年12月号)

1997年~1999年
小説ジュネ83号(1997年2月号)~小説ジュネ114号(1999年12月号)

2000年~2001年
(注 URLの数字は、ここだけ元のURLに、00-01 でなく、00を入れるのみ)
  小説ジュネ115号(2000年1月号)~小説ジュネ132号(2001年6月号)

シーカーさん、貴重な資料を教えてくださってありがとうございました。

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June全集の内容 第12巻 耽美イラスト美術館

June全集ⅩⅡ 耽美イラスト美術館  第12回配本
  1995年12月25日発行

○枚というのは、収録イラストの点数。
(有) 
の作家さんは、月報にご本人のコメントがついています。(長くて200文字程度ですが)。
収録イラストは、表紙や口絵などのもので、すべてカラー。
他の巻が700ページ程度なのに、この巻は200ページあまりと薄いですが、
コストはかかっていると思います。
サイズは小さいですが、当然、雑誌よりも紙質がよく、とてもきれいな保存版です。

青池保子 5枚 (有)

あすか佳代子 1枚  ※当時、連絡がつかないという編集部のコメントあり

いのまたむつみ 9枚 (有 イラストつき)

初田しうこ 21枚 (有)

上杉可奈子 1枚 (有)

内田一奈 1枚 (有)

岡野玲子 2枚 

小田時哉 2枚 (有)

恩田尚之 2枚 (有)

垣野内成美 1枚

笠井あゆみ 12枚(「ロマンJUNE」 の表紙が多い) (有)

加藤冬紀 1枚 (有)

神村幸子 1枚

如月七生 1枚

岸裕子 2枚 (有)

木原敏江 2枚 (有)

きよみずまこと 1枚 (有)

黒川あずさ 2枚 (有)

小菅久美  9枚 (有)

小林智美 2枚 (有) (表紙だったイラストはヤマトタケルだと思います)

ささやななえ 2枚

白井恵理子 2枚 (有)

鈴木雅久 1枚 (有)

仙人(林下刹那) 1枚 (有)

高口里純 2枚 (有)

高橋まりこ 1枚 (有)

竹田やよい 2枚 (有)

竹宮惠子 52枚(June本誌〈通称大June〉の表紙は竹宮さんのイラストでした)

橘しいな 1枚 (有)

たらさわみち 1枚 (有)

ちばひさと 7枚 (有)

茶屋町勝呂 1枚 (有)

東城和実 1枚 (有)

徳田みどり 1枚 (有)

鳥図明児 2枚 (有)

西炯子 2枚(1枚は、フジミ第1作「寒冷前線コンダクター」の口絵)

橋本正枝 1枚 (有 イラストつき)

波津彬子 1枚 (有)

・ハルノ宵子 5枚

藤田まり子 1枚 (有)

舞方ミラ 1枚 (有)

魔木子 1枚 (有)

まつざきあけみ 5枚

松苗あけみ 3枚 (電話?コメント)

道原かつみ 1枚 (有)

南川恵 1枚 (有)

望月玲子 1枚

桃栗みかん 3枚 (有)

森川久美 1枚 (有)

山村路 3枚 (有)

吉田秋生 1枚

渡辺多恵子 1枚

巻末には、どの号にのった作品かの一覧がついています。(一部、作品の題のついているものあり)

あれ? そういえば、南川恵さんの「魔法使いの弟子」のコミックがXIに収録されてない。
BELNEさんの「飾り窓」とか、白井恵理子さんの三国志4コママンガもないですね。
当時、単行本になっていたせいかもしれないけれど、こうやって豪華本で残っていないのは残念な気がします。

これで一応、『June全集』全12巻 の収録作品紹介を終わります。(な、長かった…)
オークションなどに出てこないと、中身の解説をしているところがあまりないみたいなので、
特に知りたいことがある方は、コメント欄で質問してみてください。
(あまり大変でなければお答えします。)

補足とか、カセットやビデオなんかの話は、気が向いたらしていこうと思います。

→「JUNE全集」各巻の内容は、カテゴリーの June系

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June全集の内容 第11巻 幻の漫画傑作選集

June全集ⅩⅠ 幻の漫画傑作選集  第6回配本  1995年6月25日発行

波津彬子 「Day Break City Blues」

女城あさま(松苗明美) 「魔法人形」

西炯子  「LAST REQUEST AT LONG LAST」 「LONG LAST」
       「欲望という名の自転車」 「ここへおいで」 「会いたい」
       「子供の頃こういうことがあった」 「太陽の下の17歳」 
       「天使にならなきゃ」

新井理恵 「小さな愛のものがたり」 「燃えよ剣」 「おどる亀ヤクシ」
        「バニシング・ポイント」

折原みと 「愛の生徒会」 「倒錯の保健室」 「マッチ売りの少年」

島田悠美 「眼」 「今夜は君の夢を見て」 「交際宣言」

橋本正枝 「舞え水仙花」(尾鮭あさみ 原作) 「さかあがり」
        「おとまりっこ」 「まこくんのひつじ」 「パン喰い幽霊の怪」
        「父兄参観日」 「とさか大王」 「児雷也 [秘技鎌鼬の巻]」
        「児雷也 [拷問の巻]」 「児雷也 [蝦蟇失踪の巻]」

ふくやまけいこ 「児雷也外伝」

・企画・構成 桐生薫(原のりこ)
 「二十面相 VS. 小林少年・明智探偵」
  (ひさうちみちお 竹宮惠子 吉田秋生 桐生薫 渡辺多恵子 
   吉田光彦 たらさわみち)

渡辺多恵子 「ジャドー宣言」(辻井元子 合作) 
         「もうひとつのアナザー・カントリー」
         「コリン・ファースを探し求めて」

村田順子 「化戀の村」 「あだしなる野辺の子供」 「天使の罪」 
       「坊さま竜宮へまいる」 「初午の日」 「西国巡礼のすすめ」
       「牛若丸 薬師丸」 「モモタロくん」 

藤貴紀子 「魔天堂へようこそ」

・ケン吉(紫門ふみ) 「2001年宇宙の旅」

岡崎京子 [美形のスケッチブック] 「ひ・み・つ」

・一丸 「負けるもんか!」

杉本亜未 「乙也」

おおやちき 「むぅびぃ画報」

高野文子 カット

こうやって並べてみると、作風もいろいろで、豪華な顔ぶれですね。
高野文子さんや西炯子さんは、Juneデビューだったりするのです。
折原みとさんは、もともと同人マンガ家さんで、
この全集が出た頃には少女小説家として名を馳せていました。

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June全集の内容 第10巻 短編小説傑作集

Ⅹ 短編小説傑作集  第11回配本  1995年11月25日発行

左が小説の作者、右がイラストを描いた人です。

・水戸妾子 「ベルベット・スキャンダル」  ちばひさと
・内村梨津子 「朝露の中」 ふくやまけいこ
・入江裕  「陽気にCity Night」 徳田みどり
・江森備  「桃笑始(とうししょう) 私説三国志」 
・淀川乱歩 「地獄の玩具」 吉田光彦
・早蕨弥生 「バニシング・ポイント」 高口里純
・石井妖狐 「浪の花」 竹田やよい
・葵佐和子 「真夜中の貴公子」 橘しいな
・よるのはせお 「夜の風<レファーレン物語>」 道原かつみ
・浦辺朱(あける) 「グッバイ・マイ・サマー・ムーン」 竹田やよい
・滝尾令以子 「鳥葬の谷」 嶌峰麻利子
・義月粧子 「9・to・5」 竹田やよい
・宗像しま 「ヘラクレスの溜息」 西炯子
・速川ほなみ 「ベクトルの向こうで」 黒川あずさ
・むさしきょう 「仔犬の恋」 千明初美
・富沢郁恵 「ベルモット・ナイト」 魔木子
・河上桜子 「微笑う人魚姫」 ふくやまけいこ
・佐々木禎子 「野菜畑で会うならば」 ふくやまけいこ
・金丸マキ 「夕暮れのバス」 高橋まりこ

・イラスト集 (上記の人たち)

不思議なことに、この全集には、最初のカセットJune『鼓が淵』の三田菱子さんが入っていません
ご本人が収録を拒否されたのでしょうか?
三田さんが書かれた一人芝居 「女形能晨鐘~ハナノアケガタ~」には、
花組芝居の女形の篠井英介さんが出演されて、私も観にいきました。

江森備さんの、「桃始笑」は、「私説三国志」の一部で、
小説June誌には掲載されませんでしたが、
新書館版のほうの『小説道場』には収録されています。(『Ⅰ巻』です)
ページの都合か、完成度の差かで、江森さんの巻でなくこちらに収録されています。

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June全集の内容 第9巻 秋月こお

Ⅸ 秋月こお  第1回配本 1995年1月25日発行

 富士見二丁目交響楽団シリーズ(第1部 全7話)
  「寒冷前線コンダクター」 「D-DEAD-線上のアリア」 「さまよえるバイオリニスト」
  「コンサートはお好き?」 「赤い靴ワルツ」 「マンハッタン・ソナタ」
  「リサイタル狂騒曲」 「フジミ外伝 野生のアマデウス」 「フジミ証言編 電柱殿下」     「独り白書」 「ラストゾーン」 「カラダ貸します -岡上探偵事務所の事件簿-」
 「パパ、ドントCry」 

  イラストギャラリー 西炯子 水鳥黎子 中田雅喜 小田時哉

当時、大人気だったフジミの作者だけに、
この巻が第1回配本であり、全巻購入特典が、フジミテレカだったのもうなずけます。
フジミ関係は、角川ルビー文庫で文庫化されました。

「パパ、ドントCry」 は、小説Juneには掲載されなかった投稿作品です。
この巻には出ていませんが、
秋月さんの「たつみや章」名義の児童文学「ぼくの・稲荷山戦記」も、実は、小説道場投稿作品だったりするのです。
Juneに掲載されていた作品は、純文学ぽいのから、エンターティメント、学園もの、耽美もの、ハードゲイタイプ、ギャグとジャンルは実に広かったのでした。

フジミのCDも、ドラマものだけではなく、オーケストラによるイメージアルバムも出てましたし、
アニメイトから、カップとか、指揮棒とか、数々のグッズも出ていました。

その頃は、同人誌即売会でも、フジミのアニパロマンガとか、サイドストーリーとかが作られて盛況でしたが、
どうも、秋月さんは、そういうすきまのお遊び部分もきっちり自分で構成したい方のようで、
人が手を加えて遊ぶ隙のない作品や番外編が多くなったせいか、
同人誌のジャンルとしては割と早く下火になったような気がします。 

今は、のだめカンタービレでクラシックへの親しみが増していますが、
当時は、フジミがきっかけでクラシックに目覚めた人も多かったんじゃないかな。

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June全集の内容 第8巻 江森備/紫音と綺羅

Ⅷ 江森備 / 紫音と綺羅  第10回配本 1995年10月25日発行

・江森備
  私説三国志「わが天空の龍は淵にひそみて--赤壁の戦い--」
         「明かき星天狼を見よ--南蛮征伐--」

・リレー小説 「紫音と綺羅」
  栗本薫 → 江森備 → 野村史子 → 吉原理恵子 → 森内景生 → 榊原姿保美 → 栗本薫

・MAKING OF  栗本薫 

・イラスト集  岸裕子 小林智美 

江森備さんの、私説三国志は、今でも根強い人気で、ついに、復刊ドットコムのブッキングから復刊が決まりました ヾ(〃^∇^)ノわぁい♪
ただ、今回の復刊では、

※新規装丁デザインによる復刊です。オリジナル光風社版の表紙・本文イラストは掲載されません(新規イラストもなし)

ってことですので、単行本のあのうるわしい小林智美さんのカラー表紙はなしってことで、
それはすごく残念です。
(このJune全集でも、三国志は単色の挿絵のみです)
この作品で、小林智美さんのファンにもなり、イラスト展をみにいったりもしました。
もっとポストカード買ってくればよかったなあ。

なお、小説Juneに連載されていた白井理恵子さんの4コママンガ「STOP! 劉備くん」には、
江森三国志ネタもいろいろ使われているので、
単独で読むとわからないものもあります。

私は三国志が好きなので、人形劇三国志とか、ドラマCD三国志とか、三国志関連はたくさん持っています。
そういう意味でも、江森三国志はうれしかったです。

「紫音と綺羅」は、栗本薫さんが、小説Juneに一挙三本June小説をのせたときの最後の一本。
その前の2本でJuneエネルギーを使い果たした栗本さんが、

「そーだ、冗談をしよう」と考えついて死ぬほど楽しくなった。たちまちJUNE小説お馴染みのパターンを検証し、全部ブッ込んで「闇ナベ」をしてやろう、というアイディアがわく。

(中略)ともかく「耽美家元学園天才画家少年社長SMJUNE」をやろうってんだから百で足りるわけなどはなからないので、はじめっからアタマだけ設定つくってさんざん早くもJUNEしておいて、何も落とさずサッと逃げちまう、というつもりでいた。

で、このあとを、June作家の人たちがリレーで書きついでいくことになるわけですが、

ちっとも、少しでも前の人のを受け継いで順当に発展だけさせて終わりにしよう、などという人はいない(しいていたとすれば、それが江森備だったかもしれませんが)し、とにかくみんなどんどん「自分のフィールド」に話を持っていってしまうことで……とにかくあのくらいオシが強くないと、というか自己表現欲求が強くないとやっぱり大物にはなれないんやなあ、と感嘆これ久しゅうしたことでした。

で、最後は、栗本さんが延々と最後を収束させてます。
これは、上下巻で、単行本も出ています。

【追記1】

江森三国志の第1作「桃始笑」は、この巻ではなく、第10巻 短編小説傑作選 の方に収録されています。

→「JUNE全集」各巻の内容は、カテゴリーの June系

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